〖呼びかける〗
第17章
大淫婦と獣
それから、7つの平鉢をそれぞれに持つ
7人の天使達のうちの一人が私のところに来て、
私に語りかけてこう言った。
「こちらに来なさい。わたしはお前に
多くの※①水の上に座っている大淫婦に下される裁きを見せてあげよう。
地上の諸々の※②王達はこの淫婦と淫行を行い、
地上に住む人々はこの淫婦の淫行の葡萄酒に酔いしれたのだ。」
そして、この天使は霊に満たされた私を※③荒野に連れて行った。
そこで私は一人の女が※④緋色の獣の背に座っているのを見た。
その獣は、神々を冒涜する※⑤数々の名前が体中に書かれていて、
※⑥7つの頭と10本の角とを持っていた。
この女は紫の衣と緋色の衣とをまとい、
金の宝石と真珠とで身を飾りたてて、
その片方の手には忌まわしいものと
※⑦彼女の淫行のもたらした穢れとが一杯に満ちている金の盃を持ち、
その額には、一つの名前が書かれていた。
その名前には、秘められた意味が込められていて、
『大いなるバビロン、淫婦どもと地上の忌まわしい者共との母』
というものであった。※
※⑧私は、この女が
聖徒達の血とイエスのために殉教した殉教者達の血とで
酔いしれているのを見た。
私はこの女を見て、途方もなく驚いた。※
◆補足文
(※①水の上に座っている…<エレミヤ51:13>参照。バビロンはユーフラテス河やそれに連なる運河に囲まれていた。もっとも、ローマの地形の描写としては適切ではないから、15節で、天使によってこの水についての説明がなされる。
<エレミヤ51:13>
豊かな水のほとりに暮らす者よ、
財宝豊かな者よ、お前の最期の時が来た。
お前の貪欲の絶たれる時が。
万軍のャハウェがご自分にかけて誓われた。
「必ずやわたしは、蝗のような人の群でお前を満たす。
彼等はお前に向かって、叫び声を挙げる。
御力をもって地を造る方、
世界を堅く立てるのに知恵を持ってする方。
その方がまた叡智をもって天を張られた。
そのャハウェが声を発すると、天の大水はざわめく。
ャハウェは地の果てから雲を上らせ、
雨のために稲妻を造り、その倉から霊風を吹き出させる。
すべての人間は愚かで、知識を欠いている。
すべての金細工人は、偶像の為に恥をかく。
まことに、その鋳た像は偽りで、それらの中には霊がないからだ。
それらは、空、虚妄の業。
刑罰の時には、それらは滅びてしまう。
ヤコブの分け前は、こうしたものではない。
まことに、ャハウェは万物を形造る方。
またイスラエルは、ャハウェの所有する部族。
万軍のャハウェがその御名である。
「お前はわたしにとって、鉄槌、戦いの道具。
わたしはお前をもって、国々を打砕き、
お前をもって諸国王を滅ぼす。
お前をもって、馬もその騎手を打砕き、
お前をもって、戦車も御者も打砕き、
お前をもって、男も女も打砕き、
お前をもって、都市よりも幼い者も打砕き、
お前をもって、若い男も若い女も打砕き、
お前をもって、牧者もその群も打砕き、
お前をもって、農夫もその軛を負う牛も打砕き、
お前をもって、総督や長官達も打砕く。
わたしは報復する、バベルに。
また、カルデア人達の全住民に。
彼等がシオンで行ったすべての悪のために。
お前達の目の前で。」
ーャハウェの御告げ。
※②王達はこの淫婦と淫行を行い…宗教的意味を持った淫行の用法については、<2:20>を参照。ローマの偶像礼拝に王達が加担したことを非難する表現。
※③荒野に連れて行った。…荒野に連れられて行くのは淫婦を見るためであって、荒野に淫婦がいるのではない。しかし、バビロンの滅亡を預言する<イザヤ21:1-10>が「海の荒野についての信託」という表題を持ち、本文書<17:16>で10本の角と獣が淫婦を「破滅させる」と述べる際に、同じ語源の単語が用いられていることからも、バビロン=ローマの運命が同時に暗示されていると考えられる。
※④緋色の獣…ホルム樫につくエンジ虫の雄から取られた貴重な染料で染め上げられた色で、高位の人々や富裕の人の着衣に用いられた。この場合、緋色は「富と繁栄」を象徴する。<イザヤ1:18>で緋色が罪を象徴する色として、清さを象徴する白と対照的に用いられていることが指摘されることもある。
※⑤数々の名前…皇帝礼拝で、人間であるローマ皇帝達が神格化されて礼拝されたことが念頭にあり、それらの礼拝の対象となった具体的な皇帝達の名前が考えられている。
※⑥7つの頭と10本の角…同じ特徴が、<12:3>では竜について、<13:1>では第一の獣について言われている。
※⑦彼女の淫行のもたらした穢れ~というものであった。…非常な富裕さを強調する表現。<エゼキエル28:13>参照。
<エレミヤ51:7>参照。そこでは、バビロンが「全地を酔わせた、主=神の手の中にある金の盃」と呼ばれている。
<エレミヤ51:7>
バベルはャハウェの御手にある金の盃。
彼女は全地を酔わせた。
彼女の葡萄酒を国々は飲み、こうして国々は酔いしれた。
※⑧私はこの女が聖徒達の血と~驚いた。…「聖徒達」と「殉教者達」は類語反復であるか、あるいは、後者は前者の中の特定グループ、すなわち預言者を指す。
「血に酔いしれる」とは、大量に殺戮するという、既に旧約聖書に見られる表現。)
獣と淫婦の象徴
すると、かの天使が言った。
「お前はなぜそんなに驚くのか。
※⑨わたしはお前に、この女と、
この女を乗せている7つの頭と10本の角を持っている
獣とについて秘められていた意味を話してあげよう。※
※⑩お前が見た獣は、昔はいたが今はいない。
それは、今まさに
底なしの深淵からのぼって来ようとしているのだが、
結局は滅び去るのだ。※
地上に住む者達で、世界が創造された時から「生命の書」の中に
名前の書き込まれていない者達は、
※⑪この獣が、昔はいたが今はおらず、これから現れるのを見て驚くことだろう。
ここに、知恵を持った理性がある。※
※⑫つまり、7つの頭とは、
かの女が座っている7つの丘のことである。
また、それは7人の王のことでもある。※
※⑬そのうち、既に5人は倒れ、一人は今おり、もう一人はまだ現れていない。
その王が姿を見せる時は、しばらくの間この地上に留まるはずになっている。※
※⑭またかの、昔はいたが今はいない獣とは、
自身は8人目の者ではあるが、それでも7人のうちに数えられるのであって、
この者も滅び去る。※
※⑮あなたが見た10本の角は10人の王達である。
これらの王達はまだ即位して王権を受けてはいないが、
一時の間だけ、獣と一緒に王としての権威を受けて統治するはずである。※
これらの王達はただ一つの計画を推し進め、
自分達の力と権威とを獣に引き渡す。
これらの者達は小羊に戦いを挑むが、
小羊は主達の主、また王達の王であるから、彼等を打ち破る。
また、小羊に従っている、神に召し出された、
選び出された、また忠実なる者達も一緒になって、彼等を打ち破る。」
また天使は続けて私に言う。
「あなたの見た水、すなわち、かの淫婦が座っているところは、
諸々の国民や民衆や民族、また国語の違う民である。
あなたの見た10本の角と獣、これらの者達がこの淫婦を憎み、
※⑯この女を破滅させて、丸裸にし、その肉を食べ、また火で焼いてしまう。
なぜなら、神はこれらの者達の心の中に、
神の語られていた諸々の言葉が成就されるまで、
彼等の王権を獣に引き渡すことに合意して、
神の計画を実行しようとの思いを抱かせたからである。
あなたが見たかの女は、地上の王達を統治する大いなる都のことである。」
◆補足文
(※⑨わたしはお前に~話してあげよう。…以下の叙述には、ネロが生き返って復讐の為に東方から反ローマ勢力を率いて攻め上って来るという再来のネロについての伝説が根底にある。
✽ここで、解説補足をすると、皇帝ネロは獣の数字としても「666」を示していますが、彼の最期は精神的に追い詰められて自害しています。ところが、どこからろもなく、そのネロが、再び東方から再来するという伝説が生まれたといいます。
※⑩お前が見た獣は~結局は滅び去るのだ。…<1:4>その他の神の記述と比較対象。「今まさに来ようとしている」も含めて、獣はこの神と対極をなす存在として特徴づけられていることがわかる。
※⑪この獣が昔はいたが今はおらず~知恵を持った理性がある。…つまり、理性がその知恵を働かせるための手掛かりがあるということ。
※⑫つまり、7つの頭とは~7人の王のことでもある。…ローマが7つの丘の上に建てられた町であることは、古代文献にしばしば記されていることから、当時の一般的な知識であったと思われ、7つの丘の上に座った女がローマを象徴していることは確かである。
※⑬そのうち、既に5人は倒れ~なっている。…ローマ皇帝。具体的にどの皇帝が考えられているかは確定しにくいが、エイレナイオス『異端反駁』<50:30:3>は、黙示録がドミティアヌス治世下に執筆されたと記しているから、第6人目の皇帝がドミティアヌス帝であることはほぼ確実である。
※⑭また、かの~この者も滅び去る。…つまり、昔いて今は死んでおり、間もなく復活するので、二人に数えられながら、ただ一人の王である、ということ。獣自身が王であるというのは、7王が獣の7頭という説明と食い違うが、終末の反キリストの活動が頭の一つのそれでは不十分と考えられたため。
※⑮あなたが見た10本の角~はずである。…<ダニエル7:24>これらの王は、ローマに協力的であったパルティアの王を暗示している。ただし、パルティア王が、実際に10人であったということまで主張しているのではない。
※⑯この女を破滅させて…「破滅させて」と訳した語は、「荒野」と同系の「荒廃させる」という意味の語<18:17>参照。これは著者の念頭に女=ローマとの同一視があったから。)
✽また、ここからは私独自の考察と推理になりますが、
※⑩・⑪についてなんですが、前回でも言っておりましたように、この獣については、200年前のマットフラッドでタルタリア帝国と共に世界から居なくなった巨人族と、その他のクリーチャー的種族達を指しているでは?と考えております。
そして、この巨人達とその異様な姿をしたかつての種族達が現在は、現代の地図上では表わされていない大陸か島国のどこかに今も組織に守られ、生存しており、彼等はこの聖書の預言通り、再び神との決戦のために現れるのではないかと思っています。
霊的な悪魔軍団とその堕天使達の血族を受け継ぐ者達と、霊的ャハウェとイエスの神の軍団とその信徒達の戦い。という設定でなければ、どう見積もってもあらゆる聖書の預言書は成立しないことは、クリスチャンなら当たり前って言えば当たり前の話なんですけども、そういう当たり前の設定をこの世の支配者層さん達は、お茶を濁したいわけですよ。
悪魔や堕天使の存在とか、巨人やクリーチヤー達の存在を別の次元の異星人にしたいわけですね。これを信じさせてきたのはもちろん、あらゆる漫画やアニメーション、ハリウッド映画という洗脳道具だったわけです。
だから、未来に、世界の果てから、彼等がUFOにでも乗って大群に現れたりしたら、人類はそれが聖書で語られた堕天使の子孫であるなんていうのは絶対に信じないわけですよ。そして彼等が、説得力がある、とてつもない未来的科学技術とか、医術とかを人類に見せつければ、映画さながら聖書の預言を曲解するわけです。もちろん、イエスの存在はおかしなことになってしまいます。
200年前にも今に通じる、またそれ以上の科学技術が当時あったことは最近露見されましたし、その上歴史の改ざんもしているわけですから、
そこに意味があるとすれば、この聖書の最期の決戦舞台に備えるためとしか考えられません。イエスがこの世に誕生して、彼等の命の残り時間は短くなったわけですから、悪魔側の彼等にしてみたら焦りまくりますよね。
だから、彼等の時間軸としてはマッドフラッドに踏み切ったんだと思いますね。
AとBが大戦争した、だから世界が荒廃したという設定は歴史的な理由付けとしては常に使ってきたわけですし、今も同じようなことやってますけど、次節の※⑮に出てくるように、繋がってきます。
「これらの王はただ一つの計画を推し進め、自分達の力と権威を獣に引き渡す。
これらの者達は小羊に戦いを挑むが……」
の赤字で示させていただいた部分です。
この一つの計画、表面的に言われているのは「N・W・O」ですが、この真の目的はこの黙示録にある通り、神ャハウェとの対決のことを指しています。
つまり、堕天使の血統の最初の巨人族達と彼等が遺伝子交配をさせて誕生したクリーチヤー種族に、現在の表向きの支配者層、ロス茶と王族達がその力と権威を引き渡すという意味だと思います。
そして※⑯この女を破滅させて…以下のまた赤字で示させてもらった言葉になりますが、いつも言っている、支配者層達は「聖書のとおりに計画して、それを自分達に都合よくコントロールしようとしている」という通りで、つまり当然のことながら、この黙示録の聖句を彼等が知らないはずはないわけです。公言もしてます。