tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

悪魔を愛した者達 2.

『悪魔を愛した者達』

 

 

 前回に書いた、古代からどの民族(血統)が悪魔崇拝していたかを聖書よりまとめて抜き出してみます。

 

 まず、ハム系の子孫で、カナンの子孫です。

カナン子孫はソドム・ゴモラ、ッロ・シドン人(フェニキア地方、フェニキア人)などがいます。彼等の崇拝していた代表的な神の名前は『バアル』『アシェラ(バアルの妻)』です。

 

 

 

・【バアル神】BC3000~1000年

  シリア・パレスチナで最も活動的な男神の名で、原意は「主人」または「所有者」で、別名「ハダド」、嵐、雨、雨によって生い茂る植物、豊饒などの表象と結びついています。カナン宗教において種々の地域神が「バアル」と呼ばれていましたが、イスラエルでは、預言者エリヤの戦い<列王記17章~18章>に典型的に表現されているように、ャハウェ宗教との戦いに敗れたので、地域神からなる偶像神に格下げされて言及されることが多いようです。

 

・【アシェラ・アシュタロト】

 <イザヤ17:8・27:9>等で言及される異教の豊饒の女神。カナン宗教ではバアルの妻であり、ウガリット文書ではエルの妻とされ、性的狂躁の象徴として祀られていました。

フェニキア出身のイゼベルがサマリアに建てさせたバアル神殿の横にはアシェラ像徴が置かれていました。アシェラは元々、生命の象徴としての常緑の「聖木崇拝」と結びついていて、人々は女神の象徴である樹木の陰で礼拝するのを喜びとした。

 

(※「聖木崇拝」は精霊が宿る木などと言った意味合いを持たせたりして、悪魔崇拝にはよく出てきます。実はクリスマスツリーも同じ意味があります。クリスマスが、イエス・キリストではなく、サタンの誕生日を祝うものであることは、ネット上ではもう知っている人が多いのではないでしょうか。)

 

 

 「アシュタロト」についても同じバアル神の配偶者として崇拝されていた愛と豊饒の女神ですが、バビロニアの「イシュタル」にも関係しています。イシュタルの天体女神的性格および戦争女神性格は後退し、もっぱら豊饒女神としてその性的特徴が強調されたようです。アシュタロトの神殿はペリシテ人(ハム系ミツライムの子孫)の町にもありました。列王記では特にシドン人(フェニキア人)と女神との結びつきが強調されています。

 

(「※イシュタル」バビロニア月神、シンの娘で金星の女神。)

 

 <列王記下23:4~>

 ユダとエルサレムにおける異教礼拝の撲滅

 

 「王は大祭司、ヒルキャフと次席祭司達、入口を守る者達に命じてャハウェの神殿からバアル。アシェラ、天の万象のために造られた全ての祭具を運び出させた。彼はそれをエルサレムの祖とのキドロンの土手で焼き払い、その灰をべテルに運んだ。王は、ユダの町々やエルサレム周辺の高い所で香で焚かせるために、ユダの王達が任命した偶像の祭司達、バアルや太陽、月、星座、天の万象に香を焚く者達を取り除いた。

彼はアシェラをャハウェの神殿からエルサレムの外のキドロンの谷に運び出し、キドロンの谷で焼き、砕いて灰にし、その灰を民の共同墓地に振りまいた。

彼はャハウェの神殿の中にあった神殿男娼の家を取り壊し、そこは女達がアシェラのために布を織っていた所でもあった。」

とあります。

 

 ちなみに、ソドムとゴモラについて知っている方も多いと思いますが、死海沿岸にあって滅亡した都市であり、彼等は甚だしい性的な罪、男色<創世記19:4>ないし姦淫、偽善的な犠牲祭儀等によってャハウェに滅ぼされました。

 

<エゼキエル16章>にはカナン人の子孫による罪のあらましが細かく書かれています。

 

 エゼキエル書>16章

 

  不実な妻エルサレム

 

 「ャハウェの言葉が私に臨んで言った。

人の子よ、エルサレムに彼女の忌まわしい行為を知らせよ。そして言うがよい、

主ャハウェがエルサレムに対してこう言った、と。

 

『お前の出身、お前の出生はカナンの地、お前の父はアモリ人(イスラエル成立前のカナンの地の住民を指す。)、お前の母はヘト人(カナン系ヒッタイト人のこと)である。お前の出生については、お前の誕生日の日、お前のへその緒は切られなかった。お前は水で洗い清められることもなく、塩を塗られることもなく、布でくるまれることもなかった。お前を思いやって、これ等の一つでも行おうと、お前に目をかける者もいなかった。お前の誕生の日、お前の命が嫌われる中、お前は野の表に投げ捨てられた。

……(省略)だが、お前は自分の美しさに信頼し、自分の名声につられて姦通した。

お前は行きずりの者にはすべて、彼にあれ、と言って姦通の業をふり注いだ。お前は自分の上着を取って、まだら模様の高台をしつらえ、入って来る女性達もいないし、夫もいない、と言ってそれらの上で姦通した。

お前はわたしが与えた金と銀の飾り物を取って、数々の男の像を自ら造り、それらと姦通した。また、お前の綾織りの上着を取って、それらの像を覆い、わが油と薫香をそれらの前に供えた。……お前はわたしに生んだ息子と娘を取って、それらを食物としてこれを犠牲(※カニバリズムをした。)にした。お前の姦通はそれでもまだ足りないか。

お前は我が子等を屠って、これを供え(※わが子を生贄に捧げた)、それらの為に火の中をくぐらせた。お前は、お前の忌まわしい行為と姦通のすべてを注ぎこそすれ、お前が剥きだしの裸であって、自分の中でもがいていた時の若い日々を想い起こさなかった。」

 

 諸大国との「姦通」

 

 お前のあらゆる悪事の後、禍いあれ、お前に禍いあれ、と主ャハウェの御告げ。

 

「お前は自ら高台を築き、あらゆる広場に自ら高座を造った。お前はあらゆる街角にお前の高座を築き、お前の美しさを忌まわしいものとした。お前は誰であれ行きずりの者に脚を広げ、姦通を重ねた。お前は大柄な隣国人であるエジプトの息子達と姦通し、姦通を重ねてわたしを苛立たせた。そこでわたしはお前の上に手を伸ばし、お前の要求を斥けた。わたしはお前を、お前を憎むペリシテ人(ハム系ミツライムの子孫)の娘達の意のままにした。彼女達は、お前の歩み、淫らな行為に恥じ入っている。それでもお前は満足せず、アッシリアの息子達と姦通した。彼等と姦通して、なお満足しなかった。

……。」

 

 

「娼婦」エルサレムの恥辱

 

 それゆえ、娼婦よ、ャハウェの言葉を聞け。主ャハウェはこう言った。

「お前の愛人との、またお前のあらゆる忌まわしい偶像との姦通において、お前の精力が注がれ、お前の裸が露わにされたがゆえに、また、お前がそれらに供えたお前の息子達の血ゆえに、それゆえ、見よ、わたしはお前が嫌った者すべてに加え、お前のお気に入りの愛人達を、お前が愛したすべてを集める。わたしはお前の所に彼等を集め、お前の裸を彼等に晒す。彼等はお前の裸を眺めるだろう。わたしは姦淫する女達の審きと血の審きをもってお前を審き、お前を憤怒と嫉妬の血に渡す。わたしはお前を彼等の手に渡すので、彼等はお前の高座を引き倒し、お前の高座は壊されよう。彼等はまた、お前から上着をはぎ取り、お前の飾り物を奪い取って、お前を剥き出しの裸のまま置き去りにしよう。

彼等はお前のところに会衆を上らせ、お前を石撃ちにし、剣で切り刻むであろう。また彼等はお前の家々を焼き払い……こうして、わたしはお前に姦通を止めさせる。……(省略)」

 

 「お前は夫と息子を忌み嫌う母の娘、お前は夫と息子を忌み嫌う姉妹達の姉妹である。お前の母はヘト人、お前の父はアモリ人であった。また、お前の姉はサマリアであり、彼女とその娘達はお前の北に住んでいた。お前の南に住んでいるお前の妹ソドムとその娘達であった。お前は彼女達の道に歩み、その忌まわしい行為に習わなかったか。ほんのしばらくして、お前はその歩みにおいて彼女達にもまして堕落した。」

 

 わたしにかけて言うが、と主ャハウェの御告げ。

 

「お前の姉妹ソドムとその娘等さえも、お前とお前の娘等が行ったようなことまでは行わなかった。見よ、お前の姉妹ソドムの咎はこれである。驕慢(きょうまん)と飽食と安閑(あんかん)が彼女とその娘等にあっても、彼女は苦しむ者と貧しい者を扶助しなかった。彼女等は高ぶり、わが前で忌まわしい行為を行った。そこでわたしは、お前が見た通り、彼女等を斥けたのである。

 

 また、サマリアは、お前の罪の半分ほども罪を犯さなかった。お前は彼女達にも増して忌まわしい行為を重ねた。……お前は自ら恥よ。そして、お前がお前の姉妹を義しい者としたがうえに、お前の恥辱はお前自らが負え。

わたしは彼女達の命運、ソドムとその娘達の命運、サマリアとその娘達の命運を転じる。……(省略)

 

 お前が行ったように、わたしもお前に行う。お前が誓いを軽んじ、契約を破ったからである。だが、わたしはお前の若い時代に結んだお前との契約を想い起こし、永遠の契約を立てる。そこでお前は自らの歩みを想い起こし、お前が妹に加えて姉を受け入れる中で、お前を恥辱を受けるであろう。……

わたしがお前が行ったすべてのことについてお前の罪を除くとき、お前は恥辱ゆえにもはや口を開くことはない。」

 

 と主ャハウェの御告げ。

 

 

  エゼキエル書は、ャハウェ信仰を捨て去り、様々な悪魔の神々に信奉するようになった者達が(民族)どんな事をやったのか、それについて神が怒り、どんな審きを下したのかがこと細かく書かれています。

 

 

 ハム系の子孫の方が悪魔崇拝者達が多いのですが、セム系においてもャハウェ神を離れて別の神を信奉した民族もいます。それは例えば、エドム人であり、ヤコブの兄であり、エサウの子孫にあたります。彼等の信仰した神の名前は不明(「コーゼ?コザー?」)ですが、偶像崇拝をしていました。地域としては、テマンからデダン(アラビア半島北西部の地域)だったようです。

そして、他にもセム系の民族でアンモン人とモアブ人がいます。これは、ロトのベニアンミの子孫です。

 

 このセム系の子孫、アンモン人は「モロク神」を、モアブ人は「ケモシュ神」「バアル・ぺオル神」を信奉していました。

 

 

・【モロク神・モレク

 異民族の神で、この神には子供の人身御供が献げられていました。<列王記上11:7・下23:10><エレミヤ32:35>

元々は固有名詞ではなく、「王」を意味する「メレク」の称号に、敵意をこめて「恥」を意味する「ボーシェト」の母音を付けたものとも考えられています。

「ミルコム」も同一か、レビ記の神聖法典では、性関係の逸脱を扱う文脈に言及されていますが、<レビ記18:21・20:2>、それはこの異教の神の祭儀に性的な儀礼が含まれていたからかもしれません。あるいは、この神への背教行為そのものが、「淫行」と見なされているのかもしれません。

 

(※上記の聖書解説からは、性的な儀礼が含まれていたからかも…とちょっと濁していますが、実際この「モレク」信仰は現在でも行われており、儀式として性的享楽を伴って行われています。)

 

 

・【ケモシュ】

  エレミヤ書では、<48章:7,13,46>で3度、言及されているモアブ人の神、他に<列王記上11:7、33、下23:13>、モアブ碑文では、「アシュタル・ケモシュ」と呼ばれています。「アシュタル」がカナンの明けの明星の神だったのに対して、「ケモシュ」は星の神として礼拝されていました。

 

 

 エレミヤ書<32:26~>

 

 過去の裁きをめぐる神の応答

 

 ャハウェの言葉が、エレミヤに臨んで言われるには、

「見よ、わたしは、総ての肉なる者の神ャハウェである。わたしにとっては総ての事柄が驚くに値するだろうか。」

 

 それゆえ、ャハウェがこう言われる。

「見よ、わたしはこの町を、カルデア人達の手と、バベルの王ネブカドレッァルの手に渡す。彼はこれを取る。また、この町を攻撃しているカルデア人達は来て、この町に火を付けて焼く。また、人々が屋上でバアルに生贄を焼き、他の神々に注ぎの葡萄酒を注いで、私を怒らせた、その家々にも火を付けて焼く。まことに、イスラエルの子等と、ユダの子等は、若い頃からわたしの目の前に悪のみを行い、まことにイスラエルの子等は、その手の業をもって、わたしを怒らせるのであった。……(省略)彼等がわたしに向けたのは、顔ではなく背中であった。そしてわたしは、繰り返し彼等に教えるのに、聞いて訓戒を受け入れる者どもはいない。彼等は、彼等の忌まわしいものどもを、わたしの名をもって呼ばれている家に置き、これを汚した。彼等は、ベン・ヒンノムの谷にバアル祭儀用の高台を築き、彼等の息子達、娘達をモレクに捧げた。

これは、わたしが彼等に命じたことでもなければ、わたしの心に思い浮かぶことすらなかったことだが、彼等はこの忌み嫌うべきことを行って、ユダに罪を犯させたのだ。」

 

(※エルサレム西南部を取り巻く水のない枯れ谷。この谷には、子供をモレクに献じて火渡りさせたり、焼き殺したりしていました。「トフェテ」という聖所が置かれていた、元来は名誉ある名であったらしいのですが、エレミヤ書の呪詛の詞<エレミヤ7:32~34、イザヤ書30:33、66:24も併照>のため、ユダヤ教ではその名はゲヘナ(地獄)に通じ、最後的な処罰の場所とされています。)

 

 

 

 

 

 もう一つ付け足しでハム系のクシュの息子、二ムロドに関連する神がいます。それが「ベル神」です。

 

 ・【ベル神】

 バベルの神、国家神マルドゥクの別名・創造神。このマルドゥクは、もともとは二ムロドの神格化された名前ですカルデア人、元来は南西メソポタミアに定住していた東方アラム系の諸部族を指します。しかし、エレミヤ書ではネブカドレッァルの率いる新バビロニア帝国の人々のことを言っています。

 

(このベル神もバアル同様に、現在でも信奉されている神です。ベルのマークも世の中にあらゆる形態で、良い意味でよく使われているのですが、実は反対の意味があったということです。

冠婚葬祭で、ベル「鐘」が使われますよね。神社は「鈴」、お寺は「鐘」、そして教会は「ベル」です。海外の有名なグローバル企業のグループにもこの「ベル」の名前が使われています。)

 

 

  この「ベル神」もエレミヤ書の50章に出てきます。

 

 エレミヤ書<50:1~>

 

 バベルの攻略とイスラエルの立ち帰り

 

 ャハウェが、バベルについて、すなわちカルデア人達の地について、預言者エレミヤを通して語られた言葉。

 

 「あなた達は諸国民の間に告げ知らせよ。

また、旗を掲げて知らせよ。そして隠さず言え、バベルは攻め落とされた。

「ベル」は恥をかき、メロダク(マルドゥクヘブライ語表記。)はうろたえた。

その像は恥をかき、その偶像はうろたえた。」

 

とあります。