tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

呼びかける 16.

〖呼びかける〗

 

 

 

 第18章

 

 

 

 バビロンの滅亡

 

 これらの後に、私は別の天使が天から降って来るのを見た。

その天使は大きな権威を帯びていて、

地上は彼の栄光によって明るく照らし出された。

その天使は、力強い声で叫んでこう言った。

 

 「倒れた、倒れた、大いなるバビロンが。

そこは悪霊達の住処、あらゆる穢れた霊の巣窟。

あらゆる穢れた鳥の巣窟、

また、あらゆる穢れた嫌悪すべき獣の巣窟となった。

なぜなら、すべての民族は、

かの女の淫らな激情を呼び起こす淫行の葡萄酒を飲み、

地上の王達は、かの女と淫行を行い、

地上の商人達は、かの女の途方もない贅沢によって金持ちになったからである。」

 

 

 

 神の民への勧告

 

 私はまた、天から別の声がして、こう言うのを聞いた。

 

 「わたしの民よ、かの女から離れ去れ。

お前達が、かの女の罪に加担したり、

かの女を襲う災いを

お前達も受けたりすることのないためだ。

なぜなら、かの女の罪は積み重なって天まで届き、

神はかの女の不義の行いを思い起こされた。

 

かの女がお前達に報いた通りに、

かの女に報い返してやれ。

かの女の仕業に、その倍を返してやれ。

かの女がお前に飲ませるために混ぜ注いだ盃の中に、

その倍の量を混ぜ注いでやれ。

かの女は驕り高ぶり、贅沢三昧の生活をおくったが、

今や、それと同じだけの苦しみと悲しみとを味合わせてやれ。

なぜなら、かの女は心の中で、こう言っているからである。

 

 『私は女王の座についており、

※①寡婦ではなく、悲しい目になど決してあうことはない。』

 

それだから、様々な災いが、死と悲しみと飢えとが、

たった一日のうちにかの女を襲い、

かの女は火でもって焼き尽くされてしまうであろう。

なぜなら、彼女を裁かれる神なる主は力強い方だからである。」

 

 

(※①寡婦…<イザヤ47:7>以下参照。寡婦とは、旧約聖書で、孤児や外国人寄留者と並んで、社会的に弱い立場の代表者として言及されることが多い。)

 

 

 バビロンに対する嘆き

 

 かの女と淫行を行い、贅沢三昧の生活をおくった地上の王達は、

かの女が焼かれる火から立ちのぼる煙を見て、

かの女のために泣き、自分達の胸を打ち叩く。

彼等は、かの女の苦しみに恐れをなして、

ただ遠くに立ったまま、こう言う。

 

 「ああ、禍だ、ああ、禍だ。

大いなる都、強大なる都バビロンは。

お前は、一瞬のうちに裁かれてしまったのだから。」

 

 また地の商人達も、かの女のために泣き悲しむ。

もはや、誰一人※②彼等の積荷の品を買うものはないからである。

その積荷の品には、

金・銀・宝石・真珠・麻布・紫布・絹・緋布、

あらゆる種類の香木、あらゆる種類の象牙細工、

また最高に高価な木材や青銅や鉄や

大理石などから出来たあらゆる種類の器、

肉桂・香辛料植物・香・香油・乳香・葡萄酒

・オリーブ油・麦粉・小麦・家畜・羊・馬、

馬車、奴隷、それに人間の命さえもあった。

彼等はこう言う。

 

 「お前の魂が渇望した※③果物は、もはやお前の手には届かないものとなり、

あらゆる優美なものや、きらびやかなものは、

お前のもとから失われて、もはや決して再び見出されることはない。」

 

 これらの品々を売って、かの女のお陰で金持ちになった商人達は、

かの女の苦しみに恐れをなして、ただ遠く立ったまま泣き、

悲しみながらこう言う。

 

 「ああ、禍だ、ああ、禍だ。

麻布や紫布や緋布の衣を身にまとい、

金や宝石や真珠で飾り立てられていた、かの大いなる都は。

これほどの富が、一瞬のうちに廃墟とされてしまうとは。」

 

 またすべての船長、すべての航海者や水夫、

海で生計を立てているすべての人達は、

遠くに立ったまま、かの女が焼かれる火から立ち昇る煙を見て、

こう叫んで言った。

 

 「他のどんな都が、この大いなる都と較べられるだろうか。」

 

 彼等は自分達の頭に灰をかぶり、

泣き悲しんで、こう叫んだ。

 

 「ああ、禍だ、ああ、禍だ。

この大いなる都は。

この都では海に船を持つ者が皆、都の贅沢な生活のお陰で金持ちになったのに、

一瞬のうちに廃墟とされてしまうとは。」

 

 

 天よ、かの都のことで大いに喜べ。

また、※④聖徒達使徒達、それにまた預言者達も喜べ。

神はお前達のために、かの都を裁かれたのだから。

 

 すると、※⑤一人の力強い天使が、大きな引き臼のような石を持ち上げて、

次のようなことを言いながら、それを海の中に投げ込んだ。※

 

 「大いなる都バビロンは、このように荒々しく投げ倒され、

もはや決して見出されることはない。

竪琴を惹く者達、歌を歌う者達、笛を吹く者達、

またラッパを吹き鳴らす者達が奏でる楽の音は、

お前の中では、もはや決して聞かれることはない。

また、※⑥あらゆる職種の職人の誰一人として、

お前の中では、もはや決して見出されることはない。

 

 ※⑦引き臼の音も、

お前の中では、もはや決して聞かれることはない。

また、灯火の明かりも、

お前の中では、もはや決して輝くことはない。

花婿花嫁の歓声も、

お前の中では、もはや決して聞かれることはない。

なぜなら、お前の商人達が、地上の高官となっていたからであり、

また、お前の魔術によって、あらゆる民族が惑わされ、

また、預言者達と聖徒達の血が、

また、地上で殺されたすべての者達の血が、

この都の中に淀んでいるのを、見出されたからである。

 

 

 

 

◆補足文

※②彼等の積荷の品…バビロンでもって実際に意味されているローマは、属州は言うに及ばず、インドや中国など、世界各地の産物が集まる一大消費地であった。

※③果物…元来、7月末から9月初めまでの時期を意味する語。果物が熟する時期であることから、転じて果物一般を意味するようになる。

※④聖徒達…信徒達のこと。使徒預言者と一緒にされて、教会全体を言い表す。

※⑤一人の力強い天使が~投げ込んだ。…この天使の象徴的行為は、<エレミヤ51:63>のそれを背景としている。

 

 ✽解説補足をすると、これは、預言者エレミヤが、マフセヤの子ネリヤのセラヤに命じた言葉で、エレミヤは、バベルに降る全ての災いを、すなわちバベルに向けて書かれた言葉を一巻の書物に記していて、それをエレミヤはセラヤに言っている場面にあたります。エレミヤはセラヤに言います。

「あなたが、バベルに着いたならば、これらすべての言葉を見、朗読なさい。そして言いなさい。

『ャハウェよ。あなたはこの場所について語られました。これを滅ぼして、ここに人間から獣に至るまで住む者がないようにする。まことに、これは永久に荒れ廃れた地となる、と。』

 

 次が<エレミヤ51:63>の言葉です。

 

 「あなたがこの書物を朗読し終えるに至ったならば、これに石を結び付けて、これをユーフラテス河の中に投げ込みなさい。そして言いなさい。

 『このように、バベルは沈み、浮かび上がれない。このわたしが、バベルにもたらす災いのためだ。彼等は疲れ果てる、と。』」

 

※⑥あらゆる職種の職人…ここでは都市の男性の職業の代表として職工が挙げられ、次行では引き臼を引くことが女性の労働の代表として挙げられている。

※⑦引き臼の音…「引き臼」以下23節の叙述は、神の罰により永久に廃墟とされる地の情景を描写する。<エレミヤ25:10>に基づいている。

引き臼でパンを焼くことは家庭での女性の日常労働であり、それが止むことは、次行の「灯火」の消滅と共に、人間の日常生活の停止を意味する。

 

<エレミヤ25:10>

 

「わたしは彼等を消し去る。歓喜の声と愉悦の声、花婿の声と花嫁の声、引き臼の音と、灯火の光を。」)