tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

『イザヤ書』5.

イザヤ書

 

 

 【第13章】

 

 

 バベルへの審判

 

 アモツの子イザヤが見た、バベルへの宣告。

 

 禿げ山の上に旗を掲げ、

彼等(※メディア人を指す)に向かって声を上げ、手を振れ。

そうすれば彼等は、貴族達の諸々の門に入るであろう。

わが怒りのため、わたしは聖別された者達に命じ、

またわが勇士達、わが威光に歓呼する者達を呼び集めた。

 

 山々の轟きの音だ、まるで多くの民のよう。

諸国民、集められた諸国民の音だ。

万軍のャハウェが、戦いの軍団を召集する。

彼等は遠い地から、天の果てからやって来る。

全地を滅ぼすための、ャハウェとその怒りの器だ。

 

 泣き叫べ、

まことにャハウェの日は近く、全能者から滅びが来るからだ。

それゆえ総ての手は垂れ下がり、統べの人々の心は溶け去る。

彼等は怯え、苦しみと痛みが彼等を捕え、

子を産む女のように彼等はわななく。

人々は互いの姿にぞっとする。

 

 彼等の顔は炎の顔。

見よ、残酷にャハウェの日が来る。

憤りと燃える怒りをもって,地を荒廃に帰し、

その地の罪人どもをそこから断ち滅ぼそうと。

天の諸々の星とそれらの星座は光を放つことなく、

太陽は夜明けになっても暗く、月もその光を照らすことがない。

 

 わたしは世を悪ゆえに、悪人どもをその罪ゆえに罰する。

高ぶる者どもの驕りを取り除き、荒ぶる者どもの高慢を低くする。

わたしは人を純金よりも、人間をオフィルの金よりも稀にする。

(※おそらくアラビアの南西地方の地名で、金の産地として有名。)

 

 それゆえわたしは、天を震わせる。

地はその場所から揺れ動く。

万軍のャハウェの憤りにより、その燃える怒りの日に。

追散らされたカモシカのように、

集める者のない羊の群れのようになって。

彼等は各々自分の民に向かい、各々自分の地へと逃れ行く。

 

 見つけられた者はみな刺され、連れて行かれた者はみな剣に倒れる。

彼等の幼子等は彼等の目の前で八つ裂きにされ、

彼等の家はかすめられ、彼等の妻は犯される。

 

 見よ、わたしは彼等に向かって、メディア人を駆り立てる。

この人々は銀をも顧みず、金をも心にかけず、その弓は若者達をなぎ倒す。

胎の実をも彼等は憐れまず、子供達に対しても彼らの目は情けをかけることがない。

諸国王の誉れ、カルデア人の誇らしげな栄誉であるバベルは、

神がソドム、ゴモラを滅ぼした時のようになる。

 

 人が住むことは永遠になく、人が留まることも代々に渡ってない。

アラビア人もそこに天幕を張らず、牧者達もそこに群れを伏させない。

こうしてそこには荒野の獣達が伏し、みみずくどもが彼等の家に溢れる。

そこには雌ダチョウ達が留まり、雄山羊どもがそこでは飛び跳ねる。

ジャッカルはその砦で、山犬は歓楽の宮で吠えたける

その時の臨むのは近く、その日々はもう延ばされることがない。

 

 

 

 

 【第14章】

 

 

 バベルへの嘲笑歌

 

 まことにャハウェは、ヤコブを憐れみ、

イスラエルを再び選び、彼等に彼等の地で休息を与える。

寄留者も彼等に連なり、ヤコブの家に加わる。

諸々の民は彼等を迎え入れ、自分達の所へ来させ、

イスラエルの家はャハウェの土地で民等を、自分達の奴隷、女奴隷とする。

彼等を虜にした者達を、彼等は虜とするようになり、

自分達を虐げた者を彼等は治める。

ャハウェがあなたの痛みから、あなたの困惑から、

またあなたに負わされていた過酷な労役から、あなたを憩わせる日になると。

あなたはバベルの王について、この嘲笑歌を歌って言う。

 

 どうして虐げる者はお休みになり、その横暴もお休みとなったのか。

ャハウェがが折られたのだ。

悪者どもの杖を、支配者達の鞭を折られたのだ。

憤りをもって諸々の民を、休む間もなく打ちに打った者よ、

怒りをもって諸々の国を虐げ、容赦なくこれを迫害した者よ、

今や全地は憩い、穏やかであり、喜びの声を上げている。

 

 糸杉もレバノンの香伯(こうはく)もお前のために喜ぶ。

「お前が倒れ伏してからこの方、我等を切り倒す者が上がってくることはない。」と。

下なる黄泉は、お前の来るのを迎えようと、お前に向かっていきり立ち、

死者の亡霊ども、地の総ての指導者どもを目覚めさせ、

諸国の総ての王達を、その王座から立ち上がらせる。

 

 彼等はみな証言してお前に言う。

「お前もまた我等と同じように弱くされ、我等と似た者とされてしまった。」

 

 

 お前の驕り、お前の竪琴の音は、黄泉に落とされた。

お前の下には蛆虫(うじむし)が敷き詰められ、

虫けらがお前の覆いとなる。

どうしてお前は天から落ちたのか、

開けの明星、暁の子よ。

 

◆補足文

(解説より、★後代のサタンや堕天使の教説。エノク書・アダムの生涯・ルカ書などの基となる表現。一般的には堕天使のルシフェルを指していると言われています。誰もが一度は耳にしたことのある言葉、この14:11節~以下はとても有名な聖句となっていますね。)

 

 

 どうしてお前は地に切り倒されたのか、

諸国を打ち破った者よ。

お前は心の中で言った。

 

「私は天に上ろう。

神の星々のはるか上に、私は私の玉座を上げよう。

私は✩北の果ての、例祭の山に座そう。

(✩定期的に神々が集う祝祭を想定していると思われる。)

 

雲の濃い高みに上り、

いと高き方に自らを擬そう。」と。

 

 しかしお前は黄泉へと、穴の底へと落とされる。

お前を見る者は、お前のことを見つめ、

お前のことをじろじろ眺めるであろう。

 

 「これが地を震わせ、

諸国王を揺り動かした男か。

この男が世界を荒野に変え、世界中の町々を破壊し、

捕虜達を家に帰さなかったのか。」

 

 諸国の総ての王達はみな栄光の中に、人は自分の家に座す。

しかしお前は、忌み嫌われた若枝のように、

お前は墓から投げ出され、

剣で刺し殺されて石だらけの墓穴に下る者等の下敷きとなり、

まるで踏みつけられた屍のようだ。

 

 お前は墓場で彼等と仲間になることはない。

お前は自分の地を滅ぼし、自分の民を殺めたからである。

悪を成す者どもの子孫は、永久にその名を呼ばれることがない。

 

 彼等の子等のために屠り場をしつらえよ、

彼等の祖父達の罪のために。

彼等はこの先、立って地を継ぐことも、

地の面に町々を満たすこともない。

「わたしが彼等に向かって立ち上がる。」

と万軍のャハウェの御告げ。

 

 「わたしはバベルから名と残りの者、子孫と後裔(こうえい)を断ち滅ぼす。」

とャハウェの御告げ。

 

 「わたしはバベルを、ハリネズミのはびこるに任せ、

水の溜まった沼とし、これを滅亡の箒(ほうき)をもって一掃する。」

と万軍のャハウェの御告げ。

 

 

 

 アッシリアへのはかりごと

 

 万軍のャハウェが誓って言われた。

「わたしの思うように、そのように成就し、

わたしの計るとおりに事は成る。

わたしはアッシリアをわが地で打ち破り、わが山の上でこれを踏みにじる。

彼等の上から取り除かれるのは、アッシリアの軛、

その重荷は、彼の肩の上から取り除かれる。

これは、全地に対して計られた計画、

これは、総ての国民の上に伸ばされた手。

 

 まことに、万軍のャハウェが計った、誰が止めることができようか。

彼の手が伸ばされた、誰がそれを引き戻すことができようか。」

 

 

 

 ペリシテの没落

 

 アハズ王の死んだ年に、この宣告があった。

「お前は喜んではならない、ペリシテの全土よ、

お前を打った杖が折られたからといって。

蛇の根からまむしが出、蛇の実は飛び翔る竜となるからだ。

弱い動物達の初子も草を食み、貧しい者等も安らかに伏す。

だがわたしは、お前の根を飢饉で滅ぼし、

彼はお前の残りの民を殺す。

 

 嘆き悲しめ、門よ、叫びを上げよ、町よ。

ペリシテの全土は恐れ戦け。

まことに、北から煙が上がり、彼の部隊から落伍する者はない。

その国の使者は何と応えようか。

ャハウェはシオンの基を築き、彼の民の哀れな者達は、

この中に身を隠す。」

 

 

 ◆補足文

(解説より✤北からの敵の来襲の預言。具体的にはサルゴン2世の後継者センナケリブの701年の来寇などが考えられます。イザヤは、センナケリブに具体的なイメージを結ぶような「まむし」や「竜」を指しています。✽北から攻めて来るアッシリアとも、反アッシリア同盟のためにヒゼキヤに使者を遣わしたペリシテとも取れます。いずれにせよ、この節はペリシテの没落と対比的にユダの平和を告げて結ばれています。)