tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

『イザヤ書』10.

イザヤ書

 

 

 

 【第30章】

 

 

 

 エジプトへの逃避

 

 禍だ、頑な子等、ャハウェの御告げ。

彼等は謀をめぐらすが、それはわたしから出たことではない。

同盟を結ぶが、わが霊から出たことではない。

こうしてひたすら罪を重ねようとする。

彼等はエジプトに下って行こうとし、わが口に聞こうとはしない。

 

 ファラオの庇護のもとに逃れようとし、エジプトの陰に隠れようとする。

だがあなた達にとって、ファラオの庇護など恥、

エジプトの陰に逃れることは恥辱となる。

その首長達がッォアン(エジプトのデルタ北東部にあった古い重要な都市)

にあり、その使者達が

ハネス(メンフィス近郊のエジプトの町)に着いても

彼等はみな、彼等の役には立たない民の故に恥を受ける。

その民は彼等の助けとはならず、役にも立たず、

反って恥となり、また屈辱となる。

 

 

 

 エジプトの空しさ

 

ネゲブの獣どもに関する宣言。

(※ユダ山地の乾燥地。ここを通ってユダの民がエジプトへ貢物を運ぶ。)

 

 「患難辛苦の地、雌獅子や雄獅子が飛び出し、

まむしや飛び交う蛇のいる所を通って、彼等はろばの背に彼等の財宝を、

らくだのこぶに彼等の宝物を乗せて、役に立たない民のもとへと運ぶ。

エジプトは空しく、その助けは無駄である。

それ故、わたしはこれを休んでいるラハブと呼ぶのだ。」

(※創世記に反抗した為に滅ぼされた海の怪獣のこと。)

 

 

 

 背く民の破滅

 

 今行って彼等の前で板にそれを記し、書にそれを刻みつけて、

後の日のために永久にいたる証とせよ。

 

まことにこれは背く民、虚偽を成す子等、

ャハウェの律法を聞こうとしない子等である。

彼等は先見者達に向かって「見るな」と言い、

予見者達はこう言う。

「我々に向かって正しいことなど予見するな。

我々にはへつらいを語り、欺瞞を予見せよ。

道から離れ、小道から逸れ、

我々の前からイスラエルの聖なる方など取除け。」と。

 

それ故、イスラエルの聖なる方はこう言われる。

「お前達は、この言葉をないがしろにするが故に、

しかも強奪と邪なまとに拠り頼み、これを充てにしている。

それ故にお前達にとってこの咎は、

高い城壁を腐らせ倒してしまう亀裂のようになる。

それは突然に、瞬く間に破滅をもたらす。

その破滅は、陶器師の壺が容赦なく打ち砕かれる時のような破滅。

その破片の中には、炉から火をかき集め、

水溜から水を汲むに足る欠片すら見出されることはない。」

 

 まことに、主なるャハウェ、

イスラエルの聖なる方がこう言われる。

「立ち帰りと安息の中でお前達は救われ、

静けさと信頼においてお前達の力は甦る。」

 

 それなのにお前達はそうしようとしなかった。

反ってお前達は言った。

「いや我々は馬に乗って逃げよう。」と。

それならお前達は逃げてみるがよい。

「我々は早馬に乗ろう。」

よろしい、お前達の追っ手はもっと速いであろう。

一千人が1人の脅しの前に、5人の脅しの前にお前達が逃げるであろう。

結局お前達は山の頂の旗竿のように、

また丘の上の旗のようにわずかしか残るまい。

 

 

 

 恵みの日

 

 それ故、ャハウェはあなた達に恵むことを待ちわび、

それ故、あなた達を憐れむために立ち上がる。

まことにャハウェは、義の神である。

幸いだ、総て彼を待ち望む者は。

まことにシオンの民、エルサレムの住民よ、

あなたは二度と泣くことはない。

 

 彼ャハウェは、あなたの叫び声に対し、必ずあなたに恵み、

あなたの声を聞けばあなたに応えて下さる。

たとえあなた達に苦しみのパンと悩みの水とを賜っても、

あなたの師ははもう隠れることなく、

あなたの目はあなたの師を見続けるであろう。

 

 あなたが右に行く時も左に行く時も、あなたの耳は背後から、

「これが道、これを歩め。」という言葉を聞く。

 

あなたは銀を被せた彫像と、金を被せた鋳造とを穢れた物と見なし、

これ等を撒き散らし、月経の女に対するようにこれに向かって「去れ」と言うだろう

 

 あなたが土地に蒔く種にャハウェは雨を与え、

その土地の産であるパンはふかふかとして滋養がある。

その日あなたの家畜は、広々とした牧場で草を食む。

土地を耕す牛たち、ろばたちは、

シャベルや熊手でふるい分けられて、酸味をきかせた飼い葉を食べる。

 

 大いなる殺戮の日に、諸々の塔が倒れる時に、

総ての高い山、総てのそびえる丘の上には、水の流れる水路ができる。

ャハウェがその民の破れを包み、その打たれた傷を癒される日には、

月の光は太陽の光のようになり、

太陽の光はその7倍となって7日分の光のようになる。

 

 

 

 諸国民への怒りの鞭 (省略)

 

 

 【第31章】

 

 

 

 エジプトとアッシリアへの裁き

 

 禍だ、助けを求めてエジプトに下る者達。

彼等は馬に頼り、数多きゆえに戦車に、はなはだ強力な故に騎兵隊に拠り頼む。

だがイスラエルの聖なる方には目も向けず、ャハウェを求めることはしない。

しかし、この方こそ知恵ある方、

災いを来たらせ、その言葉を取り消すことをしない。

悪を成す者どもの家と、不法を行う者どもの助けとなる輩とを、

立ち上がって攻められる。

エジプト人は人であって神ではなく、彼等の馬は肉であって霊ではない。

ャハウェが手を伸ばすと助ける者は躓き、

助けられる者は倒れて相共に滅びるであろう。

 

 まことにャハウェは、私にこう言われる。

「獅子が、あるいは若獅子が獲物に向かって吠える時、

たとえ大勢の牧者達がこれに対して呼び集められても、

彼等の声にこれは恐れることもなく、彼等の騒ぎにひるむこともない。

それと同じように、万軍のャハウェは

シオンの山とその丘の上で闘うために下って来る。

呼びかける鳥と同じように、万軍のャハウェは

エルサレムを守り、これを守りつつ救い出し、これを助けつつ解放する。」

 

 あなた達は立ち帰れ、

イスラエルの子等が反逆を深めているその方のもとへ。

その日には、人は銀の神像や金の神像を斥けるからだ。

それらの像はあなた達の手が、あなた達の為に造って罪を犯したのである。

 

 アッシリアは人間のものでない剣(神の剣)に倒れ、

人間のものでない剣がこれを食い尽くす。

これは剣の前から逃げ、この中の若い男達は苦役につく。

その中の岩も恐れのあまり転がり行き、君主達も怯えて軍旗を捨てる。

(※アッシリアの神、センナケリブの碑文でアシュール神が「大きな岩」と呼ばれている。他にも岩を神にたとえる。)

 

シオンに火を、自らエルサレムに炉を持つ

ャハウェの御告げ。

 

 

 

 

 【第32章】

 

 

 

 高貴な人

 

 見よ、正義によって一人の王が治め、高官達は公正によって支配する。

各々が風の避け所、嵐の逃れ場のように、

また砂漠にある水の流れ、荒れ果てた地にある大きな岩の陰のようになる。

見る者は目を頑に閉ざすことはせず、

聞く者は耳を傾けるであろう。

焦る者どもの心も知識を獲得し、どもる者達の舌も明瞭に早口で語るであろう。

もはや、愚か者が高貴な人と呼ばれることもなく、

ごろつきが上流の人と言われることもない。

 

 まことに、愚かな者は愚かなことを語り、

その心は不法を企んでは穢れたことを成し、

ャハウェに向かって錯乱したことを語り、飢えてる者の願いを無視し、

渇いている者に飲み物を与えない。

ごろつき、彼のやり方は悪質だ。

たとえ貧しい者が義しいことを申し立てても、

嘘を言って身分の低い者を滅ぼそうと、彼は奸策(かんさく)を弄するのだ。

しかし高貴な人は高貴なことを計画し、彼は高貴なことに堅く立つ。

 

 

 

 永遠の平穏と安心  (省略)

 

 

 【第33章】

 

 

 

 アッシリアへの処罰

 

 禍だ、お前自身は滅ぼされなかったのに、

滅ぼす者よ。アッシリアセンナケリブを指す)

人はお前を裏切らなかったのに、裏切る者よ。

お前が滅ぼすことを終える時、お前は滅ぼされ、

お前が裏切りを止める時、人はお前を裏切る。

 

ャハウェよ、我等を憐れんで下さい。

我等はあなたを待ち望みます。

朝毎に、我等の腕となり、苦しみの時に我等の救いとなって下さい。

騒ぎの声に諸々の民は逃げ、あなたが立ち上がると、諸々の国は散らされます。

お前達の分捕り物は、バッタが物を集めるように集められ、

いなごが群れるように人はそれに群がる。

 

 ャハウェが崇められ、まことに高きに住み、

シオンを公正と正義で満たす。

彼ャハウェはお前の時代にあって不動の方。

知恵と知識は救いの富であり、

ャハウェを畏れることこそ、彼ャハウェからの宝である。

 

見よ、彼等の勇士達エルサレムの人々を指す。)は通りで叫び、

平和の使者達は激しく泣く。

大路は荒れ果て、道行く者は途絶えた。

彼は契約を廃棄し、町々をいとい、人間を顧みなかった。

地は悲しみ、しおれ、レバノンは辱められて枯れ果てる。

シャロンは荒地のようになり、

(※カイサリアとヨッパの間にある平原。緑が豊かで花咲き乱れ、家畜の飼育に適した肥沃な土地。)

バシャンもカルメルも葉を振り落とす。

 

 「今、わたしは立ち上がる。」とャハウェは言われる。

 

「今、わたしは自らを高きに上げ、今、わたしはそびえ立つ。

お前達は枯れ草を孕み、藁を産む。

お前達の息は、お前達を焼き尽くす火だ。

諸々の民は焼かれて石灰となり、

刈り取られて火に燃やされる茨となる。

 

遠くの者達よ、わたしのしたことを聞け。

近くの者達よ、わたしの力を知れ。」

 

 

 

 シオンでの幸い

 

 罪人達はシオンで戦き、恐怖が不敬な者どもを捕えた。

「我等のうちの誰が焼き尽くす火のもとに留まり得ようか

 我等のうち誰が永久に燃える炉のもとに留まり得ようか。」

正義に歩む者や正直に語る者、

虐げによる利得を斥ける者、

手を振って賄賂を受け取らない者、

耳を塞いで流血について聞かない者、

また目を閉じて悪事を見ない者、

このような者は高い所に住み、岩の要害が彼の砦。

彼のパンは与えられ、彼の水は確保される。

 

 あなたの目は美しい王を見つめ、広々とした国を見る。

あなたの心は恐ろしかった事どもを想い起こす。

 

「数えた者は今何処、(かつてユダの捕虜の数を数えたアッシリアなどの敵。)

量った者は何処、(かつてユダの貢物を量ったアッシリアなどの敵。)

櫓を数えた者は何処。エルサレム防御の様子を偵察したアッシリアなどの敵。)

 

 あなたはもう見ることはない。

横柄な民を、聞き取りにくい言葉の民を。

誰も理解できないほど舌のどもる者を。

我等の祝祭の都、シオンを見つめよ。

 

あなたの目はエルサレムを見る。

安らかな居住地、移ることのない天幕を。

その杭は永久に抜かれることなく、その綱はどれも切られることがない。

しかもそこでは、ャハウェが我等にとって力強くあり、

諸々の流れ、川幅の広い諸々の川の流れる場所がある。

櫓(ろ)でこぐ船もそこを通らず、強大な船もそこを渡らない。

 

まことにャハウェは我等の裁き主

ャハウェは我等の立法者

ャハウェは我等の王

この方が我らを救う。

 

彼のともづなは解かれ、帆柱は基を固める者もなく、帆を張る者もない。

その時、おびただしい分捕り物は分けられ、

足なえさえも略奪物を略奪する。

住民は誰も「私は病んでいる。」とは言わず、

そこに住む民は赦される。