tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

『イザヤ書』9.

イザヤ書

 

 

 

 【第27章】

 

 

 その日ャハウェは、鋭い大きな強い剣を持って

逃げ惑う蛇、すなわちレビヤタン(海の巨獣)と、

曲がりくねる蛇、すなわちレビヤタンとを罰し、

海にいる竜を殺される。

 

 ◆補足文

(※の意味について…海のこれらの3つの怪獣については諸説あります。第一のものは流れの早いティグリス河流域のアッシリア、第二は曲折の多いユーフラテス河のバビロニア、第三の怪獣はナイル河のエジプトと解するのが定説のようです。)

 

 

 

 葡萄園の収穫

 

 「その日、葡萄酒の為の葡萄園、これについてあなたたちは歌え。

わたしャハウェはこの番をする者。

常にこれに水を注ぎ、人がこれを損なわないように

夜も昼もこれの番をする。

 

 わたしは憤りはしないが、

もし茨とおどろがわたしと戦おうとするならば、

それを踏み潰し、それをもろともに焼き払うだろう。

あるいはわたしの砦にすがり、

わたしと和を結ぶがよい。

和をわたしと結ぶがよい。

 

 時が来ればヤコブは根を張り、

イスラエルは花咲き、芽を吹き

大地の表を果実で満たす。」

 

 

 

 異教の排斥

 

 彼(イスラエル)を打った者の一撃のように、

ャハウェは彼を打っただろうか。

彼は虐殺された者達の虐殺のように、彼は虐殺されただろうか。

 

 彼女(敵国)を追い立て、彼女を追い払う際に、

あなた(イスラエル)は彼女と争った。

東風の日にャハウェはその激しい風をもって追い払った。

それ故、このことによってヤコブの咎は覆われる。

(※イスラエルとャハウェが異教を追い払うことを言っている。)

そして次のことが、罪が除かれて結ぶ実の全てだ。

 

 彼(イスラエル)が祭壇の総ての石を粉々の石灰のようにするならば、

アシュラの像と、香の台とは再び立たないということが。

 

 

◆補足文

(✱アシュラは異教の豊饒の女神のこと。カナン宗教ではバアルの妻であり、ウガリット文書ではエルの妻とされていました。性的競躁の象徴として祀られています。)

 

 

 寂れた町

 

 まことに防備ある町が独り寂れ、

放っておかれる牧草地となり、

荒野のように見捨てられる。

そこで子牛は草を食み、またそこに伏して

そこの小枝を食い尽くす。

 

 そこの大枝は枯れると折られ、女達が来てそれを燃やす。

これは悟りのある民ではないからだ。

それ故に、これを造った方はこれを憐れまず、

これを形造った方はこれに恵みを賜らない。

 

 

 

 終末のエルサレム

 

 その日になるとャハウェは、

ユーフラテス河からエジプトの谷川に至るまで脱穀する。

(※穀物の実を穂から分離し、シオンのユダヤ人という実を収穫し、加えて離散のユダヤ人という落ち穂からも実を集めるという意味。)

 

 そしてあなた達は

イスラエルの子等よ、

一つ一つ落ち穂のように拾われる。

 

 その日になると、大きな角笛が鳴り響き

アッシリアの地に失われていた者や、

エジプトの地に追いやられていた者がやって来て、

エルサレムの聖なる山で

ャハウェを拝するであろう。

 

 

 

 

 【第28章】

 

28:14~

 異なる業

 

 それ故に、ャハウェの言葉を聞け、嘲る者どもよ。

エルサレムにあって、この民を物笑いにする者どもよ。

まことに、あなた達はこう言った。

我々は死と契約を結び、黄泉と協定を定めた。

(※アッシリアに対抗して、死者と黄泉の神オシリスを戴くエジプトと同盟した。)

洪水があふれ、たとい氾濫しても我々のもとに達しはしない。

我々は嘘を避け所とし、偽りの中に身を隠したのだから。」と。

 

 それ故に、ャハウェはこう言われる。

「見よ、わたしはシオンに、一つの石を礎として置く。

これは、試みを経た石、礎を置かれた基礎の尊い隅石。

信ずる者は慌てることがない。

わたしは公正を計り縄に、正義を錘(おもり)にする。

雹(ひょう)は嘘の避け所を一掃し、隠れ家を水が押し流す。

 

 あなた達と死との間の契約は解消され、

あなた達と黄泉との間の協定は成り立たない。

洪水があふれ、もし氾濫するならば

あなた達はそれに踏みにじられる。

それは、氾濫するたびにあなた達を連れ去る。

まことに、朝な朝な、昼にまた夜に、それは氾濫する。

啓示を解き明かすことは、ひたすら戦慄すべきこととなる。」

 

 まことに、寝床は身を伸ばすのに短すぎ、

また毛布は身を縮めても狭すぎる。

まことにャハウェは、ペラッィム山の時のように立ち上がり、

(※エルサレムの南西に位置し、ダビデペリシテ人に大勝利を治めた土地。)

ギブオンの谷の時のように憤り、

(※エルサレムの北方の地で、これもダビデペリシテ人を打ち破った地の一つ)

その御業を成す。その御業は異なっている。

また、その働きをされる。その働きは特異である。

だから今、あなた達は嘲弄しないように。

あなた達の縄目がきつくならないためだ。

まことに滅びが定められていることを

万軍の主ャハウェから全地に関して聞いたのだ。

 

 

 

 

 【第29章】

 

 

 

 アリエルと諸国民への審判

 

 ああ、アリエル、アリエル。

ダビデが陣を張った町よ。

年に年を加えよ、諸々の祭りをめぐり来させよ。

私はアリエルを苦しませるので、そこは悲嘆と悲哀が生じ、

そこは私にとって神の炉のようになる。

 

 私は、あなたの周りに陣を張り、

あなたを歩哨兵(ほしょうへい)達で囲み、

あなたに対して砦を築く。

あなたは倒れて、地から語りかけるが、

あなたの言葉は、塵でくぐもらされる。

あなたの声は、地からの死霊のようになり、

あなたの言葉は、塵から囁きかけてくる。

 

 しかし、あなたの他国人達の群も、細かいほこりのようになり、

荒ぶる者どもの群も、吹き飛ぶもみ殻のようになる。

しかも、それは突然に不意に起こる。

万軍のャハウェからあなたは顧みられる。

雷鳴と地震と大声、

突風と暴風と焼き尽くす火炎をもって、夜の夢幻のようになるのは、

アリエルを攻める諸国民総ての、

またこれを攻め、これを取り囲み、これを虐げる者ども総ての群。

 

 飢えた者が夢の中で食べても、目が覚めれば腹はすいたままであるのと同じように、

あるいは渇いている者が夢の中で飲んでも、目が覚めれば依然干からびていて、

喉が涸れているのと同じように、

シオンの山を攻める諸国民総ての群もまたそのようになる。

 

 

◆補足文

(解説より、✤アリエルは、イザヤが用いるエルサレムの詩的な呼び名。元来エルサレム神殿の祭壇上部の、全焼の供犠を捧げる炉を指すものらしいです。

ダビデによる聖戦の時代に比べて、平和の中で「祭り」にほうけているこの時代の神殿祭儀は、ャハウェの審判に対して役に立たないという、イザヤの皮肉がこの呼称には込められているようです。犠牲を捧げる「神の炉(アリエル)」のように、エルサレムが多くの犠牲者を出すだろうと言っています。また、他国人の群も荒ぶる者共も、アッシリア人のことを指しています。)

 

 

  眠りこける民

 

 お前達は

愚図愚図し、おじ恐れよ。

自ら目を閉ざして盲目となれ。

彼等は酔うが、葡萄酒によってではない。

よろめくが、強い酒によってではない。

まことに、お前達の上にャハウェが眠りこける霊を注ぎ、

お前達の目、預言者達を閉じ、

お前達の頭、先見者達を覆われたのである。

こうしてお前達にとって、総ての啓示は封じられた書物の言葉のようになった。

これを親しんでいる人に与え、「どうかこれを読んで下さい。」と言っても、

「これは封じられているから読めません。」と言い、

またその書物を、書物などに親しんでいない人に与えて、

「さあ、これを読んで下さい。」と言っても、

「私は書物を読むことを知りません。」と言うであろう。

 

 

 

 不可思議な業

 

 そこで主は言われた。

「この民は口先で近づき、唇では私を崇めるが、

その心はわたしから遠ざかっている。

彼等がわたしを恐れるのは、人間達の命令を教えられてのことに過ぎない。」

 

「それ故、見よ、

わたしはこの民に対して再び不思議な事、

不可解で怪しむベき事をする。

彼等の中の知恵ある者の知恵は滅び、

彼等の中の悟りある者の悟りは晦(くら)まされるのだ。」

 

 

◆補足文

(✱については、福音書マタイ15:7~10・イエス・キリストがこのイザヤの言葉を引いて、パリサイ人・律法学者の偽善を指摘しました。)

 

 

 倒 錯 

 

 禍いだ、謀をャハウェから深く隠す者達。

彼等の業は闇の中にある。

彼等は言う、

「誰が俺達を見ていよう。誰が俺達を知っていよう。」と。

あなたたちは逆様だ。

陶器氏が陶土と同じに見なされてよいものか。

造られた者が、それを造った者に向かって、

「彼は私を造らなかった。」と言い、

陶器が陶器師に向かって、

「彼には悟りがない。」などと言えるだろうか。

 

 

 

 悟る日は近い

 

 もうほんの暫くではないか、

レバノンの果樹園が変わり、

果樹園が森と見なされるようになるまでに。

その日には聞くであろう。

耳の聞こえない者が書物の言葉を。

また暗黒の中から、闇の中から盲の目が物を見るであろう。

 

 低い者達は、ャハウェにあっていよいよ喜び、

人々の中でも貧しい者達は、イスラエルの聖なる方にあって楽しむ。

 

まことに、荒ぶる者は消え失せ、嘲る者は滅び、

寝ずに悪事を企む者どもは、みな断たれるからである。

彼等は、流言飛語をもって人を罪に陥れ、

城門で裁きをする者には罠をかけ、

義人を偽りをもって押しのける。

 

 それ故、アブラハムを贖われたャハウェは、

ヤコブの家について、こう言われる。

「今やヤコブは恥を受けることが無くなるであろう。

今や彼の顔は色を失うことが無くなるであろう。

彼が彼の子等、わが手の業を彼の中に見出す時、

彼等はわが名を聖とし、ヤコブの聖なる方を聖とし、

イスラエルの神を畏れるようになるからである。

心迷っている者達も悟りを得、

呟く者達も教えを学ぶようになるだろう。」

 

 

『イザヤ書』8.

イザヤ書

 

 

 

 【第23章】

 

 フェニキアの諸都市への没落の預言

 

 ッロへの宣告。

泣き叫べ、タルシシュの船よ。

ッロが荒らされて家がなくなったと、

キッティムの地からの帰路、彼等に示されたのだ。

 

(※タルシシュは、ッロ等パレスティナの町々と交易のあった

フェニキア系の地中海の島国。銀や鉛といった鉱物を輸送する船団で名高い。)

(✤キプロス島ないしそこに住む海洋民族のこと)

 

 黙せ、海辺に住む者達よ。

海を渡るシドン(※ッロの北方・フェニキアの港町)

の商人があなたを豊かに満たしていた。

大海原で、シホル(ナイル河の支流)の穀物

ナイル河の刈入れが彼女、シドンの収穫であり、彼女は諸国の商人となっていた。

 

「恥よ、シドン」と海は言う。

その海の砦はこう言っている。

「私は産みの苦しみをしたこともなく、生んだこともなく、

若者を育てたこともなく、乙女を養ったこともない。」

 

 ッロの噂のような噂がエジプトにもたらされたなら、

人々は悶え苦しむだろう。

タルシシュへと渡り、泣き叫べ。

海辺に住む者達よ。

これがあなた達の勝ち誇った町なのか。

この町の起こりは古の時に遡り、

その足がこれを遠くから運んで来て住み着いたのに。

誰がこのことを計ったのか、冠を被せられたッロのために。

 

 その商人は君侯のごとく、

その貿易業者は地の貴ばれた者であったのに。

万軍のャハウェがこれを計ったのだ。

総ての誉れの威光を穢し、地の貴ばれた者をみな卑しめるために。

 

 タルシシュの娘よ、

ナイルのようにあなたの地を進め。

もはや波止場はない。

彼ャハウェはその手を海の上に伸ばし、諸王国を震えさせた。

ャハウェはカナンについて命令を下し、その諸々の砦を壊された。

そして言われた。

「あなたは二度と再び勝ち誇ってはならない。

虐げられた処女、シドンの娘よ。

立ってキッティムに渡れ。

そこでもあなたに休みはない。」と。

 

 見よ、カルデア人の地を。

(※南西メソポタミアの東方アラム系の諸部族。正確ではないが、旧約はカルデア人バビロニア人と同義に用いる。)

これはもはや存在しない民である。

アッシリア人がこれを荒野の獣の住む地としたのだ。

彼等は櫓を立て、その諸々の宮殿を略奪し、これを廃墟に変えた。

 

 泣き叫べ、タルシシュの船よ。

あなた達の砦は荒らされたからだ。

その日になると、ッロは一人の王の治世で70年の間忘れられるであろう。

70年経ってッロは娼婦の歌のようになる。

「竪琴を取り町を廻れ、忘れられた娼婦よ。

うまく弾け、たくさん歌え。

思い出してもらうために。」

 

 70年経つと、ャハウェはッロを顧み、ッロは再びその娼婦の値を取り戻し、

土地の表にある地の総ての国々と

淫行を行うであろう。

(※海洋貿易を再開するという意味。)

その儲け、娼婦の値はャハウェのために聖別され、

それは積み立てられることもなく、貯えられることもない。

まことにその儲けは、ャハウェの前に住む者達のものとなり、

彼等は飽きるまで食べ立派な物を着るようになろう。

 

 

 

 

 【第24章】

 

 

 

 大地の荒廃

 

 見よ、ャハウェは地を空しくし、

これを荒廃に帰し、その面をゆがめ、

そこに住む者達を散らされる。

こうして民は祭司と、奴隷はその主人と、

女奴隷はその女主人と、

買う者は売る者と、貸す者は借りる者と、

債権者はその債務者と等しくなる。

 

 地は全く空しくされ、ことごとく掠め取られる。

まことにャハウェがこの言葉を語られたのだ。

地は悲しみかつ衰え、大地は萎れかつ衰える。

天も地と共に萎れる。

地はそこに住む者達のために穢された。

彼等が律法を犯し、定めにもとり永久の契約を破ったからだ。

 

 それゆえ呪いは地を食らい、

そこに住む者達は罰を受ける。

それゆえ地に住む者達は弱り果て、わずかの人のみが残される。

 

 

 

 恐怖・歓呼・裏切り

 

 新しい葡萄酒は嘆き、葡萄の木は萎れ、

心楽しむ者もみな呻く。

タンバリンの楽の音は止み、歓声を上げる者達の騒ぎも終わり、

竪琴の楽の音もまた止んだ。

歌いながら葡萄酒を飲むこともなく、強い酒はこれを飲む者どもに苦い。

うつろな町は壊され、総ての家は閉ざされて入ることが出来ない。

 

 巷には葡萄酒をめぐる叫び声、総ての喜びは黄昏を迎え、

地の楽しみ事は消え失せた。

町中に残されているのは恐怖。

城門は打ち壊されて荒れ廃れる。

まことにそれは、地のただ中諸々の民の間で、

オリーブの枝を切り落とした時のように、

葡萄の収穫が終わった後の取り残しの実のようになる。

 

 彼の者達(※残りの少数の者達)はしかしながら、声を上げて喜び、

ャハウェの威光のゆえに人々は海の向こうから歓呼の声を上げる。

それゆえ彼等は、火の国々ではャハウェを、

(※光り出る東の国々と解される。)

海の島々でもイスラエルの神、ャハウェの名を讃える。

(※西の地中海の国々と解される。)

地の果てから我等は誉め歌を聞いた。

「義しい者に誉れあれ。」と。

しかし私は言った。

「私は駄目だ。私は駄目だ。

ああ私は悲しい。裏切る者どもが裏切った。

裏切りだ、裏切る者どもが裏切った。」と。

 

 地に住む者よ、

お前の上に恐れと落とし穴と罠。

恐れの叫びから逃げる者が落とし穴に陥り、

落とし穴から這い上がった者が罠にかかる。

 

 

 

 天変地異

 

 まことに高き所の窓は開かれ、

地の基は揺れ動く。

その地は裂けに裂け、地は破れに破れ、

地はよろめきによろめく。

地は酔いどれのようにゆらゆらと揺れ、

仮小屋のように震われる。

その背きはその上に重く、それは倒れて再び起き上がることがない。

その日になると、ャハウェは罰する。

高き所では高き所の軍勢を、

(※この軍勢はサタンの軍勢を意味する。)

また大地の上では大地の王達を。

彼等は囚人が洞穴に集められるように集められ、

獄屋に閉じ込められ、そして多くの日後に罰せられる。

 

 こうして月は恥をかき、太陽は辱められる。

まことに万軍のャハウェは、シオンの山とエルサレムで王となり、

栄光がその長老達の前に輝く。

 

 

 

 

 【第25章】

 

 

 

 弱者の砦

 

 ャハウェよ、あなたは神。

私はあなたを崇め、あなたの名を誉め称えます。

まことに、あなたは遠い昔から不思議な計画を、

堅く誠をもって成し遂げられました。

 

 まことにあなたはこの町を石ころの山に、

防備ある都を廃墟にされました。

他国人の宮殿は町から失せ、永久に建てられることはありません。

それゆえ強い民があなたを讃え、

荒ぶる諸国の都があなたを恐れます。

 

 まことにあなたは弱弱しい者の砦。

貧しい者の悩みの時の砦。

嵐からの避け所、暑さをしのぐ陰となられました。

まことに荒ぶる者どもの息は壁に当たる嵐のようなものです。

砂漠の暑さのように、あなたは他国人の騒ぎを押さえ、

密雲の陰の暑さが荒ぶる者の勝ち歌を鎮めます。

 

 

 

 諸国民救済の宴 (省略)

 神を待ち望む   (省略)

 

 甦(よみがえ)り

 

 あなたはこの国民(※ユダの民を指す)を増し加えられました。

ャハウェよ、あなたはこの国民を増し加え、栄光を現し、

その地の境をことごとく広げられました。

ャハウェよ、悩みの時に彼等はあなたを求め、苦し気に囁きました。

あなたが彼等を懲らしめたからです。

子を産む時の近づいた妊婦が苦しみのあまり悶え叫ぶように。

ャハウェよ、我等もあなたの前にそのようでした。

我等は孕み、悶えましたが、まるで我等は風を産んだようなものでした。

我等は地に栄をもたらさず、地に住む子等はもう落ちることがないのです。

あなたの死者達は生き返り、あなたの屍は甦ります。

覚めよ、そして喜べ、塵に住む者よ。

地は亡霊達を打ち伏せますが、まことにあなたの露は光の露です。

 

 

 

 レビヤタンと竜への刑罰

 

 さあわが民よ、あなたの部屋に入り、

あなたの後ろの戸を閉じよ。

憤りの過ぎ去るまで、しばしの間隠れよ。

まことに見よ、ャハウェはご自分の場所から出で来たり。

その地に住む咎を罰せられる。

その地はそこに流された血を露わにし、

そこで殺された者達をもはや覆うことをしない。

 

 

『イザヤ書』7.

イザヤ書

 

 

【第20章】

 

エジプトとクシュへの徴

 

 アッシリアの王サルゴンが遣わしたタルタンがアシュドドに来て、

(※アッシリア軍の元帥を指す職名。)

アシュドドを攻めこれを攻め取った年に、

その時ャハウェがアモツの子イザヤによって語って言われるには、

「行って、粗布をあなたの腰から解き、あなたの履物をあなたの足から脱げ。」と。

彼はそのようにし、裸、素足で歩いた。

ャハウェは言われた。

「我が僕イザヤが、3年の間、エジプトに対する、またクシュに対する徴として、

また前兆として、裸、素足で歩いたように、

それと同じようにアッシリアの王はエジプトの捕虜を、

またクシュの捕囚民を若い者も年寄りも、裸、素足で連れ去る。

尻、エジプトの恥部はむき出しとされる。

人々は、自分達の頼みとしたクシュのために、

また自分達の誇りとしたエジプトのために狼狽し恥じ入る。

その日には、この海辺に住む者は言う。

『見よ、アッシリアの王の前から救ってもらおうと、助けを求めて逃げて来た、

その我等の拠り所がこの有り様だ。

我等はどのようにして救助されることが出来るのだ。』と。」

 

 

 

 

 【第21章】

 

 バベルの倒壊

 

 海の荒野に対する宣告。

ネゲブを通りすぎるつむじ風のように、

(※ユダ産地南方の乾燥地)

荒野からそれはやってくる。

恐ろしい地から、酷い幻が私に示された。

 

裏切る者が裏切り、また荒らす者が荒らす。

(※バベルの裏切り荒らす所業への罰が告げられる。)

エラムよ、上れ。 メディアよ、囲め。

すべての嘆きをわたしは終わらせる。」 

 

 それゆえ、私の両の腰はわななきに満ちた。

子を産む女の陣痛にも似た痛みが私を捕えた。

私は聞いて身をよじり、見て怯える。

我が心は惑い、恐怖のあまり私は震えた。

待ち望んだものであった黄昏時は、私にとってもはや恐怖でしかなくなった。

 

「食卓を整え、座席を並べ、食らい、かつ飲め。」

「立ち上がれ、司達。盾に油を塗れ。」

 

 まことに、私に主はこう言われた。

「さあ、監視人を立たせ、その見た所を告げさせよ。

彼は2頭立ての軍馬を操る騎兵や、ろばに乗った騎兵、

またらくだに乗った騎兵を見たならば、よくよく注意を払わねばならない。」

すると見張りが叫んだ。

「主よ、私は日がな一日、監視櫓(やぐら)の上に立ち、

夜もすがら、私の見張り所に立ち尽くしております。

これをご覧下さい。2頭立ての軍馬を操る騎手がやって来ます。

彼は声を上げて言っております。

『倒れた、倒れた、バベルが。その神々の総ての彫像は地に打ち砕かれた』と。」

 

 わが踏みにじられたもの、わが打ち場の子よ。

私はイスラエルの神、万軍のャハウェから聞いたことを、あなた達に告げたのだ。

 

 

 

 ドマへの預言

 

 ドマに対する宣告。

(※ユダ山地のドマでなく、エドム領にあった地名か?)

セイルからわたしに叫ぶ者がいる。

(※死海南東の山地でエドム人が住んでいた。)

「番人よ、夜の何時か。番人よ、夜の何時か。」

番人は言った。

「朝が来、また夜が来る。尋ねたければ、尋ねなさい。

もう一度来なさい。」

 

 

 

 ディダンとケダルの苦難

 

 アラビアに対する宣告。

あなた達はアラビアの林に宿らねばならない。

ディダン人の隊商よ、渇いている者を迎え、あなた達は水を持ってきてやれ。

テマの地の住民達よ、

(※北西アラビアのオアシス。交易路の交差点として隊商宿が多かった。)

逃れて来た者には彼用のパンをもって相対せ。

彼等は諸々の剣から、抜き身の剣から

あるいは張りつめられた弓から、激しい戦いから、

逃れて来たのだから。

 

 まことに主が私に、こう言われた。

「雇い人の年期と同じく、一年のうちにケダルのすべての栄光は衰え果てる。

ケダル人の勇士達の残した弓の数はわずかとなる。」と。

(※ィシュマエル族に属する北アラビアの遊牧民。闘争的で、沃地民族の脅威の的であった。)

 まことに、イスラエルの神ャハウェが告げられたのだ。

 

 

 

 

 【第22章】

 

 償われることのない罪

 

 幻の谷に対する宣告。

あなた達はみな屋根に上って、一体どうしたのだ。

叫喚に満ちた騒々しい町よ。

高ぶった都よ。

あなたの中の殺された者達は、

剣で殺されたのでもなく、戦争で死んだのでもない。

あなたの指揮官達はこぞって逃げ、弓も引かず捕えられた。

あなたの中の見つけられた者はみな、遠くに逃げ去る前にこぞって捕えられた。

 

 それゆえ私は言う。

「私から目をそらしてくれ。私は涙を流して激しく泣きたいのだ。

我が民の娘の破滅のことで、私を慰めよなどと人に強いないでほしい。」

なぜなら、恐慌と蹂躙(じゅうりん)と混乱の日は、

主なる万軍のャハウェのものだからだ。

幻の谷では城壁の崩壊。

山に向かっては助けを求める絶叫。

エラムは矢筒を背負い、騎兵と兵隊と軍馬を引き連れ、キルは楯を露わにした。

(※キルは、アラム人の郷土。エラムと共にアッシリア軍に加わってユダを攻めた。)

あなたの最も美しい谷間は騎兵で満ち、軍馬は城門に立ち並んだ。

 

 こうして主はユダの覆いを取り除かれた。

その日には、あなたは※林の宮殿の武器を見やり、

(※レバノンの森林から取られた杉材でできたソロモン以来の宮殿のこと。)

あなた達はダビデの町の破れの数多いのを見て、下の池の水を集めた。

あなた達はまた、エルサレムの家々を数え、その家々を壊して城壁を堅固にした。

更にはまた、2重の城壁の間に貯水池を造って、古い池の水を引いた。

しかしあなた達は、事を運ぶ方を仰ぎ見ず、

昔から事を計る方に目も留めなかった。

 

 その日、主なる万軍のャハウェは、

泣き悲しみ、頭を丸め、粗布をまとうことを布告されたのに、

見よ、喜悦の歓楽、

牛の殺戮に羊の屠り、肉食に飲酒。

「食らい、かつ飲もう。俺達は明日死ぬのだから。」

 

 そこで万軍のャハウェは、私の耳に自らを顕された。

「お前達が死ぬまでは、この罪はお前達から決して償われることがない。」

と主なる万軍のャハウェは言われたのだ。

 

 

 

 シュブナとエルヤキム

 

 主なる万軍のャハウェはこう言われた。

「さあ、宮廷を司る、この執事シュブナのもとに行け。」

(※外国人ないし、成りあがり者と思われる。)

あなたはあなたのためにここに墓を掘ったが、あなたにとって何がここにあり、

あなたにとって誰がここにいるというのだ。

高い所に自分の墓を掘り、岩に自分の住まいを刻む者よ。

見よ、ャハウェはあなたを遠くに放り捨てられる。

勇者よ、ャハウェはあなたをわしづかみにし、

あなたを丸く糸玉とし、両方の側に広がった地へと、

まりのように投げ捨てられるのだ。

そこであなたは死ぬ。

そこであなたの誇る車も。

あなたの主人の家の恥さらしよ。

わたしはあなたを、あなたの職から放逐し、

あなたの地位から引き降ろす。

 

 その日になれば、わたしはわが僕ヒルキヤの子エルヤキムを召し、

(※ヒゼキヤ王時代のユダの宮廷長。)

あなたの長服を彼に着せ、あなたの飾り帯を彼に締め、

あなたの権力を彼の手に与える。

彼はエルサレムの住民にとって、またユダの家にとって父となる。

 

 わたしはまた、ダビデの家の鍵を彼の肩に置く。

彼が開けば閉じる者はなく、彼が閉じれば開く者はない。

わたしは彼を一本の釘として、堅固な箇所に打ちつける。

彼は彼の父の家にとって栄光の座となる。

 

 人々が彼の上に掛けるのは、彼の父の家のすべての栄光、

すなわち末裔後胤(まつえいこういん)、総ての小さい器、

容器から総ての器物に至るまで。

 

 その日には、万軍のャハウェの御告げ。

堅固な箇所に打ち付けられた一本の釘は、取り払われ、折られて落ち、

その上に掛かっていた荷は取り壊される。ャハウェが語られたのだ。

(※栄光の座に上ったエルヤキムの家も没落するとの付言。)

 

Breakout

 Breakout

 

 

 先週、YouTubeEden Mediaさんの「この地球の天蓋のお話」を視聴して、やはり、エノクに書かれていた通りに、天の星々は惑星ではなく光だったことが実際の星の光の映像を見せて教えてくれて、本当に感動してしまいました。(やはり、世の教えている天体はあいつらが作った偽りの宇宙でした。)

 実は、私は子供の頃から宇宙関係の本や写真を見ても、テレビの映像を見ても感動するということはこれまでありませんでした。綺麗で素晴らしいとは思うのだけれど、感動というのはした経験がありませんでした。

でも空を眺めてそれが美しくて素敵なものだという感覚はちゃんと持っていたし、きれいな星空や夕焼けを見て感動することだって普通にありました。要するに本とかテレビの媒体になると全然そうした感覚がわかなかったんですよ。

でも、Eden Mediaさんの紹介した動画の本物の、星たちの姿、生きて躍動している光を見た時、とても嬉しかったですし本当に感動してしまいました。「この星、生きてる!」って感じです。正に自らの意思で動いて輝いているみたいに綺麗でした。

全体の内容も素晴らしかったですしね。

 

 

 この動画は、 Jeanette Saarbergさんの配信で「What on Earth Happend」のシリーズになっています。他も視聴したくて後から見に行きました。

そしてこのシリーズで、最終か、最新にあるのが

「What on Earth Happened EWaranon Reupload part13」2021年6月1日配信ですが、このシリーズの集大成というか、フラットアースの地球の真実、つまり、この世の支配層の陰謀の事実とその理由が核心的に理解できる内容になっています。

この動画がバンされる前に是非お勧めします!

 

 

 最近、霞が関書房・ドリール博士著『エメラルド・タブレット』を読んでいて、実にこの世の支配層の言っていること、というか霊的支配者の欺瞞、世を古代より真実から遠ざけるために、如何にして嘘の神話と物語を練り上げ、伝達してきたかということがよく理解できました。

このブログの冒頭にも書きましたが、サタンがアダムとイブを欺いた時から、神に背いた自分がどうなるかを知ったその時から、彼がこの物語と計画を練り上げ、世に振りまくことを決めたという事です。

 

 この本は「カバラ」そのものであり、「魔術・占術」のことと、「嘘の死後の世界と神の世界・輪廻転生(輪廻転生などないのに)」、そして「嘘の宇宙観」(アセンションも入っています)を教え、「地球外生命体や宇宙船」のことまで教えられています。

実に全部入っていますね。

この本はエジプトのファラオの墓から見つかったとされる、エジプトの神トートが書いたとされるものです。

このトートは、おそらくというかほぼ「知恵の神」ルシフェルのことを指しています。

霊媒による自動書記なのか、古代に彼が祭司に書かせたものだと思いますが、かつて本当の神の傍で生きて来た彼だからこそ知っている知識や事実を入れ込みながら作り上げた本と言えるものだと思います。

(あの、アリエスター・クローリーもこの「トート書」を崇拝して、自分の著作を書き上げました。彼の霊媒相手の悪霊も宇宙人という設定でしたしね。)

 

 よく、聖書に精通している人達が、悪魔崇拝者達の教会や書籍関連などを、「神のマネばかりしている。」と言っていますが本当にその通りでそっくりにマネながら少しずつ変えています。そして中には極端に変えたものもありますが、彼等が神のマネをする理由には2つあるのだと推察しています。

 

 1つは、本当の神のことば(書籍)を世に知らせたくない為に、自分達の方が真実で、神側が実は偽物だと信じさせたいため。

この方法は、前回に書きました、「シュメール文明」もその一つで、起源の年代をねつ造することで、こちらの文明の方が聖書物語よりも古いのだから、聖書物語は「シュメール神話」のマネだというプロパガンダ(年代が古い方が正しいんだ説)を、これだけに限らず他でも色々とやらかしています。

 

 2つめは、「知恵の神」などと自分のことを高く評価しているルシフェル自身が神に創造してもらったという真実を否定できないために、神と同じ知識をひけらかす必要があるということです。(神以上の知恵をそもそも持てないですからね。)

勿論、それで神と同等であるはず等ないのですが、

ルシフェルは「自分は神になろう。」「私は神と同等、いやそれ以上なのだ。」と自惚れてしまった為に堕天使となったのです。

彼はそれ故、神の知識よりも劣った教えを地上の人間どもに教えることは出来ない上に、彼に敵対する神の子・イエスが現れて世に神の教えを説くことは初めから知っていたわけですから……。

むしろ神より任命を受け、メシアとして後から生まれて来るイエスの方が自分よりも優れた知恵を授かって、教え説く可能性も予測出来たわけですからね。

そして彼の罪の審判は既に決定していたわけですから、自分が「私は神になれる」と自惚れた最大の罪を、私達人類にも共に犯させる必要が彼にはあるわけです。

自分だけが地獄の業火に永遠に焼かれるなんて納得がいきませんからね。

 

 ということで、彼と(ルシフェルに組した堕天使達とその子孫のネフィリム達)は、彼等の考えた「悪の知恵」の結晶である「カバラ」を世に広めているのです。

カバラ」は簡単に云えば、近代で言えばブラバッキ―女史が起源のニューエイジであり、スピリチュアル全般のことであり、神秘主義でも同じだけど「オカルト」であり、

全然関係ないように見えて実は繋がっている「科学」であり、「錬金術」これは幅が広いんだけど、「医療」もこれに入ってきます。

 

 現在ではあらゆる悪魔学が一般化されてきているので、自分は「カバラ」なんて全然知らないし、関係ないわ。などと皆さんは思うかもしれまんが、占い好きやヨガや瞑想好きならもう、あなたは「カバラ」をしている人なのです。

悪魔崇拝を自覚して本格的に行っている人達、王族・支配層の連中やグローバル企業の連中、メイソンなどの組織に関わっている人々は勿論、霊媒や占術・魔術を真剣に行い、生贄行為、あらゆる殺戮行為や、犯罪に手を染めています。

彼等は悪魔に魂を捧げているわけですからね。

 

 

 はい。何度も申しますが、どんなに沢山の辛い修行をしても、この世の知識を全て手に入れても「人は神にはなれません。」魂が進化するなんてことは絶対にありません。そんな与太話にひっかかってはいけません。

(という私もかつてはひっかかっていた一人でしたが)

魂は磨くことは出来ても、霊的な段階が上がって上昇する、次元が上がるなんてことは絶対にありません。人間の魂は美しいかそうでないかだけです。その美しさには確かに個人差はありますが、神と同じ次元にまで上り詰めることなど決してあり得ないのです。人間の魂は死んでもずっと人間のままの魂でしかないのです。

 

 

 

 

『イザヤ書』6.

イザヤ書

 

 

 【第16章】

  16:6~

 

 モアブの驕り

 

 われらは耳にした。

モアブの驕り、その甚だしい驕慢(きょうまん)を、

その高ぶりとその高慢とその横柄さを。

そのほら話は真実ではない。

 

 それゆえ、モアブはモアブのために嘆き、

その総ての者が嘆くこととなろう。

あなた達はまことに打ちのめされて、

キル・ハラセテ(※キル・モアブの別名)の干し葡萄菓子のために呻くこととなる。

まことに、ヘシュボン(南方の葡萄の産地)の畑も、

シブマの葡萄の木も枯れてしまった。

国々の支配者達が、その葡萄の房々を叩き落としたのだ。

葡萄の房々はヤゼル(ヘシュボンの北方の町)にまでに達し、

荒野を行き巡り、その葡萄の蔓(つる)は伸びて海に渡っていたのに。

 

 それゆえに、わたしはャゼルのために、

シブマの葡萄の木のために泣いて涙を流す。

ヘシュボンとエルアレよ、

(※ヨルダン河東岸のモアブ人の町、ヘシュボンの北方の町)

わたしは、わが涙をもってあなたを潤す。

 

 まことに、あなたの夏の果物とあなたの刈入れとを喜ぶ声は、

途絶えてしまった。

果樹園から楽しみと喜びとは取り去られ、

葡萄畑で人は、喜び歌うことも、歓びの叫び声を上げることもない。

酒船で酒を踏む者は、もはや踏むことはない。

わたしは歓呼の叫びを止めさせた。

 

 それゆえ、わが腸(はらわた)は、モアブのために、

わが心はキル・へレス(※これもキル・モアブの別名)のために、

竪琴のように戦く。

 

モアブはその高い所に現れて疲れ果ててみても、

また祈るためにその聖所に入ってみても、もはや無駄である。

 

 

◆補足文

(★モアブの国家神ケモシュのための聖所が建てられた所。エレミヤ書では言及されるモアブ人の神、モアブ碑文では、アシュタル・ケモシュと呼ばれています。アシュタルがカナンの明けの明星の神だったのに対し、ケモシュは星の神として礼拝されました。)

 

 

 

 モアブについての新たな預言

 

 これは、以前からャハウェがモアブについて語っておられた言葉である。

しかし今、ャハウェは語って次のように言われる。

「雇い人の年期のように、3年のうちには、モアブの栄光はそのおびただしい群集の総てと共に卑しめられ、残りの者もしばらくすれば力がなくなる。」と。

 

 

 

 

 【第17章】

 

 

 ダマスコとエフライムの荒廃

 

ダマスコへの宣告。

「見よ、ダマスコは取り去られて町を成さず、廃墟、荒れ跡となる。

アロエルの町々は捨てられ、家畜の群に任せられる。

群はそこに伏し、それらを脅かす者もない。

エフライムから要塞が、ダマスコから王国が取り除かれる。

アラムの残りの者は、イスラエルの子等の栄光のようになる。」

と万軍のャハウェの御告げ。

 

 「その日になると、ヤコブの栄光は衰え、その太った肉は痩せ細り、

あたかも刈り取る者が立ち穂を集め、その腕が枝を刈り取る時のようになり、

またレファイム(※巨人の子孫にあたる)の谷で

立ち穂をかき寄せる時のようになる。

 

 だが、オリーブを打ち落とす時のように、取り残しの実がその中には残される。

実の2つ3つは梢(こずえ)の頂に、4つ5つが花咲いた小枝に。」

イスラエルの神、ャハウェの御告げ。

 

 「その日、人間はその造り主を仰ぎ、その目はイスラエルの聖なる方を見る。

もはやその手の業である祭壇を仰がず、その指で造った物、

アシュラと香の台を見るこてはない。(※カナンの偶像宗教でバアルの妻)

その日、その砦に囲まれた町々は、森の中で見捨てられた土地や、

かつてイスラエルの子等の面前で人々が見捨てた山の頂のようになり、荒廃に帰する。

 

 まことに、あなたはあなたの救い主の神を忘れ、

あなたの逃れの岩を心に留めなかった。

このようにして麗しい植木を植え、異邦の枝を挿す。

あなたがあなたの植木を育てる際、

朝にあなたがあなたの種を芽生えさせても、

病と癒しがたい痛みの日が来て、結局刈入れの時は訪れない。」

 

 

 

 諸国民の喧騒

 

 禍だ、多くの民のざわめきよ。

海のどよめくように、彼等はどよめく。

諸々の国人の騒がしさよ。

力強い大水の騒ぎ立つように、彼等は騒ぎ立つ。

諸々の国々は、豊かな大水の騒ぎ立つように、騒ぎ立つ。

しかしャハウェがそれを叱ると、彼等は遠くに消え去る。

 

 山々における風前のもみ殻のように、

つむじ風の前の枯れあざみのように吹き飛ばされる。

夕暮れ時には、見よ、突然の破滅。

夜明けの前に、彼等はもういない。 

これが我等から略奪した者どもの受ける分、

我等からかすめ奪った者どもに割り振られた定め。

 

 

 

 

【第18章】

 

 

 クシュからの使者へ

 

 ああ、クシュの諸々の河の彼方にある、いなごたちが羽音高く飛び交う地。

この地は、水面に浮く葦の船によって、海路、使者達を遣わす。

戻り行け、船足早い使者達よ、背高く膚(はだ)なめらかな国民のもとに。

ここかしこで恐れられている民のもとに。

その国土を諸々の河が分つ、屈強で踏みつける国のもとへと。

 

 世界に住む総ての者達、地に宿る者達よ、

山々に旗を掲げる時は見、角笛を吹き鳴らす時は聞け。

まことに、ャハウェは私にこう言われる。

「わたしは平穏になって、わたしの場所から眺めよう。

日盛りの照り付ける熱暑のように、刈入れ時の熱暑のもと、

露をはらんだ濃い雲のように。」と。

 

 まことに、刈入れの前、蕾(つぼみ)が開き、

花が咲いて実りかけの酸っぱい葡萄となる時、

人はその小枝を鎌で切り、その蔓を切り取って除く。

(解説より✽葡萄の木はユダを指し、樹が熟しユダが栄えて正に実を成す時になると、邪魔な小枝や葦、つまりアッシリアは除かれるという意味。)

 

それらは諸共に山々の猛禽や野の獣に委ねられ、

猛禽はその上で夏を過ごし、

野の獣は総てその上で冬を越える。

その時万軍のャハウェのために、背高く膚なめらかな民、

ここかしこで恐れられている民、

その国土を諸々の河が分つ、屈強で、踏みつける国のもとから、

万軍のャハウェの名ある所、

シオンの山へと贈り物がもたらされる。

 

 

 

 

 【第19章】

 

 エジプトへの審判

 

 エジプトへの宣告。

見よ、ャハウェは脚早の雲に乗ってエジプトに来られる。

エジプトの空しい神々はその前で震え、

エジプトの心はエジプトの中で秘かに崩れ折れる。

 

 わたしはエジプトを煽ってエジプトに対立させ、

彼等は近親同士、隣人同士または町は町と、

王国は王国と互いにあい争う。

エジプトの霊は、エジプトの中で秘かに寂れ、

その謀(はかりごと)をわたしは搔き乱す。

彼等は空しい神々に、また降神術者どもに、

また霊媒どもに、また占い師どもに伺いを立てる。

わたしはエジプトを厳しい主人の手に渡し、

荒々しい王が彼等を治める。」

と、主なる万軍のャハウェの御告げ。

 

 海から水は干され、河は干上がって涸れる。

諸々の河は臭くなり、エジプトの諸々の水路は水嵩が減って干上がり、

葦とよしは枯れ果てる。

ナイル河やナイル河口の禿げ地は、またナイル河の種撒かれた所も総て乾き、

吹き飛ばされて跡形もない。

 

 漁夫達は悲しみ、ナイル河で釣りをする者達もみな嘆き、

その水面で網を打つ者達もまた打ち萎れる。

恥じるのは、麻作りの労務者達。

これを梳く(すく)女達と、これを織る男達は青ざめる。

この国の機織り人達は砕かれた者に、

雇われて働く者達はみな心悲しむ者になる。

 

 まことに愚か者なのは、ッォアンの司達。

(※エジプトのデルタ北東部にあった古い重要な都市)

ファラオに謀を告げる知者達の謀など馬鹿げている。

どうしてお前達はファラオに向かって言えようか。

「知者の子です、私は。昔の王達の子なのです。」などと。

一体どこにお前達の知者はいるのか。

彼等はお前に告げ知らせるがいい。

万軍のャハウェがエジプトに何を計られたかを。

 

 愚かな振る舞いをするのはッォアンの司達。

騙されるのはノフ(カイロの南の都市)の司達。

その諸部族の首長達は、エジプトを迷わせた。

ャハウェは彼等のうちによろめきの霊を混ぜ入れた。

こうして彼等は、その総ての業においてエジプトを迷わせ、

まるで酔っ払いが反吐にまみれてふらつくかのようだ。

 

 こうして頭や尾、なつめ椰子の葉や葦がなすべき業は

エジプトにもはや存在しない。

 

 

 

 エジプト・アッシリアに次ぐイスラエル

 

 その日には、エジプトは女のようになり、万軍のャハウェが自分達に向かって振り上げるその手の動きを目の当たりにして、恐れかつ戦く。

ユダの土地はエジプトにとって恐怖となる。この土地を想い起こす者はみな、万軍のャハウェがエジプトに対して計る謀のゆえに戦く。

 

 その日には、エジプトの地に、カナンの言葉を話し、万軍のャハウェに誓いを立てる5つの町が起こる。その1つは、※イル・ハヘレスと言われる。

(※原語の直訳は「破壊の町」で、”ir haheres「太陽の町」オンをもじった架空の町と思われる。)

 

 その日には、エジプトの地の真ん中に、ャハウェのために1つの祭壇が、またその国境に接しては、ャハウェのために1本の石柱が生ずる。それがエジプトの地で、万軍のャハウェのための徴、また証となる。

 

 まことに、虐げる者達のゆえに彼等はャハウェに向かって叫び、

ャハウェは彼らの為に一人の救い主を遣わされる。

その救い主は戦って彼等を救い出す。

 

 こうしてャハウェはエジプトに御自身を示し、その日に彼等はャハウェを知り、生贄と供え物をもって仕え、ャハウェに請願を立ててこれを果たす。

ャハウェはエジプトを打ち、打って癒される。彼等がャハウェのもとに立ち帰れば、彼等の願いを聞き入れ、彼等を癒される。

 

 その日には、エジプトから、アッシリアに至る大路が出来、アッシリアはエジプトに、エジプトはアッシリアに行き、エジプトはアッシリアと共に仕える。

 

 その日には、イスラエルはエジプトに次いで、またアッシリアに次いで、第3のものとなり、地の中心で祝福されるものとなる。

万軍のャハウェは祝福して言われる。

「わが民エジプト、わが手の業アッシリア

わが所蔵のイスラエルが祝福されるように。」と。

 

 

 

『イザヤ書』5.

イザヤ書

 

 

 【第13章】

 

 

 バベルへの審判

 

 アモツの子イザヤが見た、バベルへの宣告。

 

 禿げ山の上に旗を掲げ、

彼等(※メディア人を指す)に向かって声を上げ、手を振れ。

そうすれば彼等は、貴族達の諸々の門に入るであろう。

わが怒りのため、わたしは聖別された者達に命じ、

またわが勇士達、わが威光に歓呼する者達を呼び集めた。

 

 山々の轟きの音だ、まるで多くの民のよう。

諸国民、集められた諸国民の音だ。

万軍のャハウェが、戦いの軍団を召集する。

彼等は遠い地から、天の果てからやって来る。

全地を滅ぼすための、ャハウェとその怒りの器だ。

 

 泣き叫べ、

まことにャハウェの日は近く、全能者から滅びが来るからだ。

それゆえ総ての手は垂れ下がり、統べの人々の心は溶け去る。

彼等は怯え、苦しみと痛みが彼等を捕え、

子を産む女のように彼等はわななく。

人々は互いの姿にぞっとする。

 

 彼等の顔は炎の顔。

見よ、残酷にャハウェの日が来る。

憤りと燃える怒りをもって,地を荒廃に帰し、

その地の罪人どもをそこから断ち滅ぼそうと。

天の諸々の星とそれらの星座は光を放つことなく、

太陽は夜明けになっても暗く、月もその光を照らすことがない。

 

 わたしは世を悪ゆえに、悪人どもをその罪ゆえに罰する。

高ぶる者どもの驕りを取り除き、荒ぶる者どもの高慢を低くする。

わたしは人を純金よりも、人間をオフィルの金よりも稀にする。

(※おそらくアラビアの南西地方の地名で、金の産地として有名。)

 

 それゆえわたしは、天を震わせる。

地はその場所から揺れ動く。

万軍のャハウェの憤りにより、その燃える怒りの日に。

追散らされたカモシカのように、

集める者のない羊の群れのようになって。

彼等は各々自分の民に向かい、各々自分の地へと逃れ行く。

 

 見つけられた者はみな刺され、連れて行かれた者はみな剣に倒れる。

彼等の幼子等は彼等の目の前で八つ裂きにされ、

彼等の家はかすめられ、彼等の妻は犯される。

 

 見よ、わたしは彼等に向かって、メディア人を駆り立てる。

この人々は銀をも顧みず、金をも心にかけず、その弓は若者達をなぎ倒す。

胎の実をも彼等は憐れまず、子供達に対しても彼らの目は情けをかけることがない。

諸国王の誉れ、カルデア人の誇らしげな栄誉であるバベルは、

神がソドム、ゴモラを滅ぼした時のようになる。

 

 人が住むことは永遠になく、人が留まることも代々に渡ってない。

アラビア人もそこに天幕を張らず、牧者達もそこに群れを伏させない。

こうしてそこには荒野の獣達が伏し、みみずくどもが彼等の家に溢れる。

そこには雌ダチョウ達が留まり、雄山羊どもがそこでは飛び跳ねる。

ジャッカルはその砦で、山犬は歓楽の宮で吠えたける

その時の臨むのは近く、その日々はもう延ばされることがない。

 

 

 

 

 【第14章】

 

 

 バベルへの嘲笑歌

 

 まことにャハウェは、ヤコブを憐れみ、

イスラエルを再び選び、彼等に彼等の地で休息を与える。

寄留者も彼等に連なり、ヤコブの家に加わる。

諸々の民は彼等を迎え入れ、自分達の所へ来させ、

イスラエルの家はャハウェの土地で民等を、自分達の奴隷、女奴隷とする。

彼等を虜にした者達を、彼等は虜とするようになり、

自分達を虐げた者を彼等は治める。

ャハウェがあなたの痛みから、あなたの困惑から、

またあなたに負わされていた過酷な労役から、あなたを憩わせる日になると。

あなたはバベルの王について、この嘲笑歌を歌って言う。

 

 どうして虐げる者はお休みになり、その横暴もお休みとなったのか。

ャハウェがが折られたのだ。

悪者どもの杖を、支配者達の鞭を折られたのだ。

憤りをもって諸々の民を、休む間もなく打ちに打った者よ、

怒りをもって諸々の国を虐げ、容赦なくこれを迫害した者よ、

今や全地は憩い、穏やかであり、喜びの声を上げている。

 

 糸杉もレバノンの香伯(こうはく)もお前のために喜ぶ。

「お前が倒れ伏してからこの方、我等を切り倒す者が上がってくることはない。」と。

下なる黄泉は、お前の来るのを迎えようと、お前に向かっていきり立ち、

死者の亡霊ども、地の総ての指導者どもを目覚めさせ、

諸国の総ての王達を、その王座から立ち上がらせる。

 

 彼等はみな証言してお前に言う。

「お前もまた我等と同じように弱くされ、我等と似た者とされてしまった。」

 

 

 お前の驕り、お前の竪琴の音は、黄泉に落とされた。

お前の下には蛆虫(うじむし)が敷き詰められ、

虫けらがお前の覆いとなる。

どうしてお前は天から落ちたのか、

開けの明星、暁の子よ。

 

◆補足文

(解説より、★後代のサタンや堕天使の教説。エノク書・アダムの生涯・ルカ書などの基となる表現。一般的には堕天使のルシフェルを指していると言われています。誰もが一度は耳にしたことのある言葉、この14:11節~以下はとても有名な聖句となっていますね。)

 

 

 どうしてお前は地に切り倒されたのか、

諸国を打ち破った者よ。

お前は心の中で言った。

 

「私は天に上ろう。

神の星々のはるか上に、私は私の玉座を上げよう。

私は✩北の果ての、例祭の山に座そう。

(✩定期的に神々が集う祝祭を想定していると思われる。)

 

雲の濃い高みに上り、

いと高き方に自らを擬そう。」と。

 

 しかしお前は黄泉へと、穴の底へと落とされる。

お前を見る者は、お前のことを見つめ、

お前のことをじろじろ眺めるであろう。

 

 「これが地を震わせ、

諸国王を揺り動かした男か。

この男が世界を荒野に変え、世界中の町々を破壊し、

捕虜達を家に帰さなかったのか。」

 

 諸国の総ての王達はみな栄光の中に、人は自分の家に座す。

しかしお前は、忌み嫌われた若枝のように、

お前は墓から投げ出され、

剣で刺し殺されて石だらけの墓穴に下る者等の下敷きとなり、

まるで踏みつけられた屍のようだ。

 

 お前は墓場で彼等と仲間になることはない。

お前は自分の地を滅ぼし、自分の民を殺めたからである。

悪を成す者どもの子孫は、永久にその名を呼ばれることがない。

 

 彼等の子等のために屠り場をしつらえよ、

彼等の祖父達の罪のために。

彼等はこの先、立って地を継ぐことも、

地の面に町々を満たすこともない。

「わたしが彼等に向かって立ち上がる。」

と万軍のャハウェの御告げ。

 

 「わたしはバベルから名と残りの者、子孫と後裔(こうえい)を断ち滅ぼす。」

とャハウェの御告げ。

 

 「わたしはバベルを、ハリネズミのはびこるに任せ、

水の溜まった沼とし、これを滅亡の箒(ほうき)をもって一掃する。」

と万軍のャハウェの御告げ。

 

 

 

 アッシリアへのはかりごと

 

 万軍のャハウェが誓って言われた。

「わたしの思うように、そのように成就し、

わたしの計るとおりに事は成る。

わたしはアッシリアをわが地で打ち破り、わが山の上でこれを踏みにじる。

彼等の上から取り除かれるのは、アッシリアの軛、

その重荷は、彼の肩の上から取り除かれる。

これは、全地に対して計られた計画、

これは、総ての国民の上に伸ばされた手。

 

 まことに、万軍のャハウェが計った、誰が止めることができようか。

彼の手が伸ばされた、誰がそれを引き戻すことができようか。」

 

 

 

 ペリシテの没落

 

 アハズ王の死んだ年に、この宣告があった。

「お前は喜んではならない、ペリシテの全土よ、

お前を打った杖が折られたからといって。

蛇の根からまむしが出、蛇の実は飛び翔る竜となるからだ。

弱い動物達の初子も草を食み、貧しい者等も安らかに伏す。

だがわたしは、お前の根を飢饉で滅ぼし、

彼はお前の残りの民を殺す。

 

 嘆き悲しめ、門よ、叫びを上げよ、町よ。

ペリシテの全土は恐れ戦け。

まことに、北から煙が上がり、彼の部隊から落伍する者はない。

その国の使者は何と応えようか。

ャハウェはシオンの基を築き、彼の民の哀れな者達は、

この中に身を隠す。」

 

 

 ◆補足文

(解説より✤北からの敵の来襲の預言。具体的にはサルゴン2世の後継者センナケリブの701年の来寇などが考えられます。イザヤは、センナケリブに具体的なイメージを結ぶような「まむし」や「竜」を指しています。✽北から攻めて来るアッシリアとも、反アッシリア同盟のためにヒゼキヤに使者を遣わしたペリシテとも取れます。いずれにせよ、この節はペリシテの没落と対比的にユダの平和を告げて結ばれています。)

 

 

 

『イザヤ書』4.

イザヤ書

 

 

 【第8章】

 

 8:11~

 ャハウェのみを恐れよ

 

 まことにャハウェは私にこう言われた。

この民の道に歩まないよう、その手の強さをもって私を諭して言われたのである。

 

「この民が謀反と言うことは何でも、あなたたちは謀反と言ってはならない。

その恐れるものを、あなた達は恐れてはならない。

あなた達は戦いて(おののいて)はならない。

万軍のャハウェを、彼こそあなた達は聖とし、

彼をあなた達は恐れ、彼を戦きとせよ。

そうすれば彼は聖所となるが、イスラエルの2つの家にとっては、

妨げの石と、また躓きの岩と、

エルサレムの住民にとっては、網とまた罠となる。

多くの者がそれらに躓き、倒れあるいは砕かれ、

罠に落とされ、あるいは捕らえられる。」

 

 

 

 教えを封ぜよ

 

 「あなたは証をたばね、教えをわが教えを受けた者達の中に封じなさい。」

 

◆補足文 

(解説より、※ャハウェに忠実な教えを受けた者達とは、イザヤの弟子のグループと思われます。シリア・エフライム戦争に際し、アハズ王への進言は聞き入れられず、またアッシリア来寇の預言も差し当たって成就しなかったイザヤは、一旦公的な活動を中止せざる得ませんでした。そこで隠棲して、神の教え「トーラー」を少数の弟子達に封じ込める仕事に向かいました。)

 

 私はャハウェを待ち望む。

ヤコブの家から顔を隠された方を。

私はこの方を切望する。

見よ、私と、ャハウェが私に与えて下さった子等とは。

シオンの山に住まわれる万軍のャハウェからの、イスラエルの内なる徴に、

また前触れになる。

 

 

 

 暗闇と曙光(しょうこう

 

 彼等はあなた達に向かって言う、

「使者を呼び出す霊媒、占い師、囁く者、告げ知らせる者等に尋ねよ。」と。

民は生きている者達のために死んだ者達に尋ねるのではなく、

自分の神にこそ尋ねるべきではないか。

 

 教えと証言にこそ尋ねるべきである。

もし彼等がこの言葉に従って語らなければ、その誰にも夜明けはない。

 

 彼は虐げられ飢えながら、そこを渡り歩き、

まことに飢えて怒り狂い、上へ顔を向けて彼の王と彼の神を呪う。

そして地を見やれば、

見よ、苦しみと暗黒、悩みに満ちた闇、そして昏迷、追われた者。

 

 

 

 理想の王の支配

 

 しかし、苦悩のあったところに、暗闇がなくなる。

先に人はゼブルンの地と、ナフタリの地を軽んじたが、後には海辺の道、

ヨルダンの彼方、異国人のガリラヤを重んじた。

 

 

 

 【第9章】

 

 

 闇の中を歩んでいた民が、大きな光を見た。

死の陰に住む者達、彼等の上に光が輝いた。

あなたは彼のためにその国民を増し加え、その歓喜を大きくされた。

彼等は収穫時に喜ぶように、分捕り物を分ける時に歓呼するように、

あなたの前で喜んだ。

 

 あなたが彼の重荷となる軛と、その肩の鞭、彼を虐げる者の杖を、

ミディアンの日のように打ち砕かれたからだ。

まことに騒ぎの中で履いた靴と、血にまみれた服とはみな焼かれて炎の餌食となる。

まことに一人の嬰児(みどりご)が我等のために生まれ、

一人の男の子が我等に与えられた。

 

(✽メシアを指す預言。)

 

 主権はその肩にあり、その名を奇(くす)しき議官、

力強い神、永遠の父、平和の君主と呼ぶ。

 

 その主権は増し加わり、その平和は限りなくダビデの王座に着いて、

その王国を治め、公正と正義をもってこれを強固にし、

またこれを発展させ、今より永久に至るであろう。

万軍のャハウェの熱心が、このことを成し遂げる。

 

 

 

 ャハウェの怒り

 

 一つの言葉を主はヤコブに送り、それはイスラエルの中に落ちた。

その民、エフライムとサマリアに住む者達は、

総てそれを知りながら、高ぶった尊大な心をもって言う。

「煉瓦が落ちたので、切り石で建て直し、

桑の木が倒されたので、杉の木で代えよう。」

 

 ャハウェは彼に向かって、レチンの仇どもを、すなわちその敵達を強大にする。

東からはアラムが、西からはペリシテが、その口一杯にイスラエルを食らう。

それにも拘わらず、ャハウェの怒りが止まず、

まだその手は伸ばされている。

 

 しかし、この民は自分を打った方に帰らず、万軍のャハウェを求めなかった。

それゆえ、ャハウェはイスラエルから頭と尾、なつめ椰子の枝と葦(あし)とを

(✤なつめ椰子は高木、葦は低木の代表で、身分の高い者と低い者を指す。)

一日のうちに切り取られた。

 

 長老と身分の高い者こそが頭であり、偽りを教える預言者こそが尾である。

こうしてこの民を導く者達が迷わす者に、

これに導かれる者達は惑わされる者になった。

 

 それゆえ主は、その若者達を喜ばず、その孤児も寡婦も憐れまない。

まことにみな不敬虔にして悪を行い、総ての口が愚かなことを語るからだ。

それにも拘わらず、ャハウェの怒りは止まず、

まだその手は伸ばされている。

 

 悪行は火のように燃え盛り、茨とおどろを食い尽くし、

林の茂みを焼いて、それらは煙の柱となって巻き上がった。

万軍のャハウェの憤りによって他は焦がされ、民はあたかも炎の餌食になった。

 

 人々は互いに容赦することなく、右につかみかかっても尚飢えており、

左に食らいついても尚飽くことなく、各々自分の腕の肉を食らう。

マナセはエフライムと共に、エフライムはマナセと共に、

彼等は共々にユダを襲う。

それにも拘わらず、ャハウェの怒りは止まず、

まだその手は伸ばされている。

 

 

 

 【第10章】

 

 

 禍だ、偽りの掟を定める者ども。

苦しみの判決を書く書記ども。

やつれた者達の訴訟を斥け、わが民の貧しい者達の公正を奪い、

こうして寡婦が彼等の餌食となり、孤児から彼等は強奪する。

 

 刑罰の日、遠くから来る嵐の時に、お前達はどうするのか。

誰のもとに助けを求めて逃げ、どこにお前達の栄光を残すのか。

囚われ人の傍らに膝をつき、殺された者達の傍らに倒れる他はない。

それにも拘わらず、ャハウェの怒りは止まず、

まだその手は伸ばされている。

 

 

 

 アッシリアに対するャハウェの火

 

 禍だ、アッシリア、わが怒りの鞭よ。

彼等の手のうちにある杖は、わが憤怒。

わたしは、不敬虔な民に彼を遣わし、わが憤りの民について彼に命じ、

略奪物を略奪させ、分捕り物を分捕らせ、巷の泥のように踏みにじらせる。

 

 しかし、彼自身はそのようには思わず、彼の心はそのようには見なさない。

まことに、彼の心にあるのは、絶滅すること、少なからぬ民を滅ぼすこと。

まことに彼は言う、

「我が君主達はことごとく王達ではないか。カルノはカルケミシュのよう、

ハマトはアルパドのよう、サマリアはダマスコのようではないか。

その彫像がエルサレムサマリアのそれよりも多い。

空しい神々の王国を我が手が襲ったように、ちょうどサマリアと、

その空しい神々に私がしたように。

そのように私は、エルサレムとその偶像にもしないであろうか。」

 

 主がシオンの山、エルサレムで、ご自分の総ての業を成し遂げられる時、

アッシリア王の驕った心の実と、その目の誇り高ぶりとを罰することとなろう。

 

 彼が言ったからである。

「私の手の力をもって私がやり遂げた。私は賢明だから、私の知恵をもって。

私が諸国の境を取り除き、私が彼等の蓄えを奪い、

私が独裁者のごとく、住民どもを平伏させたのだ。

私の手は諸国の富を巣のように見出し、捨てられた卵を集めるように

総ての地を集めたのも私だが、その時翼を動かすの者も、

嘴(くちばし)を開いてさえずる者もいなかった。」と。

 

 斧が、それを振るう者に向かって、誇ることができようか。

鋸(のこぎり)が、それを引く者に向かって、高ぶることができようか。

まるで杖が、それを持ち上げる人を動かすかのように。

棒が、木ではないものを持ち上げるかのように。

それゆえ主なる万軍のャハウェは、その頑健な者達のうちに憔悴を送り、

その栄光のもと、火の炎焼するように、炎が炎上する。

こうしてイスラエルの光は火となり、その聖なる方は火炎となり、

その火炎は燃え移って、一日のうちにそのおどろと茨とをなめ尽くす。

 

 その林とその果樹園の美観を、内から外に至るまで主は滅ぼし尽くし、

それはまるで病人が痩せ衰えたようになる。

その林の木の残りは数えるほどになり、少年でもそれらを書き留められる。

 

 

 

 残りの者は立ち帰るだろう

 

 その日になると、イスラエルの残りの者とヤコブの家の逃れた者達は、

もはや再び、自分を打つ者(※アッシリア)に拠り頼まず、イスラエルの聖なる方ャハウェに真実をもって拠り頼む。

残りの者は立ち帰るだろう。ヤコブの残りの者は、力強い神のもとに。

まことにあなたの民イスラエルは海の砂のようであっても、その中から残りの者だけが立ち帰るだろう。

滅びは定められており、義が満ち溢れようとしている。まことに、既に定められた滅びを、主ャハウェは全地のただ中に成就される。

 

 

 

 シオンの軛の除去

 

 それゆえ、主なる万軍のャハウェは、言われる。

「シオンに住むわが民よ、アッシリアを恐れるな。

彼等がエジプトのやり方で鞭を持ってあなたを打ち、

杖をあなたに向かって振り上げても、もうしばらくすれば、憤怒は終わり、

わたしの怒りは彼等の滅びへと向かうからだ。

万軍のャハウェは、オレブの岩でミディアンを打たれたように、

アッシリアに向かって鞭を振るい、エジプトのやり方で杖を海の上に振り上げたもう。

 

 その日になれば、

彼の重荷はあなたの肩から、彼の軛はあなたの首から取り去られる。

肥えた者の眼前の軛は引きちぎられる。」