tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

エゼキエル書 16.

エゼキエル書

 

 

 

 

 第23章

 

 

 

 姦通する姉妹、オホラとオホリバ

 

 ャハウェの言葉が私に臨んで言った。

 

 「人の子よ、2人の女がいた。彼女等は同じ一人の母の娘であった。

彼女等はエジプトで姦通した。若い時に姦通した。

彼女等の乳房はそこで触られ、処女である彼女等の胸はそこで押さえつけられた。

彼女等の名は、※①姉がオホラ、その妹がオホリバである

彼女等はわたしのものになり、息子や娘達を生んだ。

彼女等の名は、オホラがサマリア、オホリバがエルサレムである。

 

 オホラはわたしのもとで姦通し、彼女の愛人達を、アッシリアを恋い慕った。

それは戦士達、※②紫布をまとう者達、総督と知事達、

慕わしい若者達、みな馬に乗る騎士達であった。

彼女は自分から彼等に情交を許した。

彼等はみなアッシリアの子等の選りすぐりであった。

彼女は彼等のあらゆる偶像を恋い慕うことによって、※③自らを穢したのである。

彼女はエジプト以来の情交を棄てなかった。

実に、彼女の若い時に彼女と床を共にした彼等は、処女である彼女の胸を押さえつけ、その欲情を彼女の上に注いだのだった。

 

 それゆえわたしは彼女をその愛人等の手に、

彼女が恋い慕った※④アッシリアの子等の手に、渡したのである

彼等は彼女の裸を露わにし、彼女の息子と娘達を奪い取り、彼女を剣で殺害した。

こうして、彼女は女達の語り草(*物笑い)となった。

こうして、彼等は彼女に審きを行った。

 

 その妹オホリバはこれを見て、彼女にも勝って恋慕の情を募らせた。

しかも姉の姦通にも勝る姦通をもってである。彼女はアッシリアの子等を恋い慕った。

それは総督と知事達、戦士達、完全武装の者達、馬に乗る騎士達で、

みな慕わしい若者達であった。そして、彼女が自らを穢すのをわたしは見た。

彼女等2人の道は一つであった。

彼女は姦通を繰り返し、壁に彫り付けられた男達を、

朱色をもって掘り付けられた※⑤カルデア人の像を、見やった。

腰に帯を締め、※⑥頭に結わえ紐を巻き、彼等はみな副官の形姿カルデアをその出生地とするバベルの子等の形象をしていた。

彼女は自分の目に映る形姿に惹かれて彼等に恋い慕い、彼等のところ、カルデアに使いを遣わした。

バベルの子等は愛の褥(しとね)を求めて彼女等のところに入り、姦通によって彼女を穢した。

 

 彼女は彼等によって穢れてはじめて、その魂が彼等から離れはしたが、

彼女がその姦通を露わにし、その裸を露わにしたので、

わが魂が彼女の姉のもとから離れたと同じように、

わが魂は彼女のもとからも離れたのである。

 

 彼女は姦通を重ね、エジプトの地で姦通したその若い日々を思い起こしたのであった。彼女はその肉体がロバの肉体、その男根が馬の男根であるような彼等の情婦なることを恋い慕った。

こうしてお前は、お前の若い時の、その若い乳房ゆえにエジプトで胸を抑えられた時の、淫らな行為に憧れたのである。」

 

 そえゆえ、オホリバよ、主ャハウェはこう言った。

 

 「見よ、わたしはお前の魂が一旦は離れた愛人等をお前に向けて呼び覚まし、

周囲からお前に向かって彼等を導き入れる、バベルの子等と全てのカルデア人を、

※⑦ペコドとショアとコアを、彼等と共にアッシリアの子等の全てを。

彼等はみな慕わしい若者、総督と知事、彼等はみな副官と名士、

馬に乗る者達であった。

お前に向かって多勢の戦車と車が、諸国民からなる部隊と共にやって来る。

彼等は※⑧大楯、小楯、兜をもってお前に向かって包囲の陣を張る。

 

 わたしが彼等の前に審きを委ねるので、

彼等は彼等の審きをもってお前を審くであろう。

わたしがお前に対してわが嫉妬を下すので、

彼等は憤怒をもってお前を処分するであろう。

彼等はお前の鼻と耳を削ぎ落し、お前の末裔は剣で倒れよう。

彼等はお前から息子や娘達を奪い去り、お前の末裔は火でなめ尽くされよう。

彼等はお前から上着を剥ぎ取り、お前の輝かしい調度品を奪い去ろう。

 

 こうして、わたしはお前の淫らな行為を、エジプトの国以来の姦通を止めさせる。

お前はもはや彼等に目を向けることはなく、二度とエジプトを思い起こさないであろう。」

 

 実に、主ャハウェはこう言った。

 

 「見よ、わたしはお前が憎んだ者達の手に、

お前の魂が離れた者達の手に、お前を渡す。

彼等は憎悪をもってお前を処分し、お前の労苦の実を全て奪い去るであろう。

彼等はお前を剥き出しの裸で棄ておき、姦通によるお前の裸が露わにされよう。

お前の淫らな行為と姦通が、お前に対してこれらのことを行うのだ。

それは、お前が諸国民の後を追って姦通したがゆえ、

彼等の偶像によって自らを穢したがゆえである。

お前はお前の姉の道を歩んだので

、わたしは※⑨彼女の杯をお前の手に渡すのである。」

 

 主ャハウェはこう言った。

 

 「お前はお前の姉の、深くて広い杯を飲む。

それは容量が多くて笑いと嘲りとなる。

酩酊と悲嘆にお前は満たされよう。

それは驚愕と荒廃の杯、お前の姉サマリアの杯。

お前はそれを飲み干し、※⑩その土器片を嚙み砕き

自分の乳房を掻き裂くであろう。

わたしが語ったからには。」

 

 それゆえ、主ャハウェはこう言った。

 

 「お前がわたしを忘れ、私を後ろに投げ棄てたがゆえに、

お前もまた、お前の淫らな行為とお前の姦通の罪を負え。」

 

 ャハウェは私に言った。

 

 「人の子よ、あなたはオホラとオホリバを審こうとするか。

ならば、彼女等にその忌まわしい行為を告げよ。

彼女等は姦淫し、血がその手にある。

彼女等は自分達の偶像と姦淫した。

彼女等は、わたしによって生んだ息子達をこれらに※⑪食物として供えた

ついには、わたしにこのことを行った。

すなわち、その日、わが聖所を穢し、わが安息日を冒瀆したのである。

 

 彼等は息子達を彼等の偶像のために屠りながら、

その日、わが聖所に入って、これを冒瀆した。

なんと、彼等はわが家(*ャハウェの神殿)の只中でこのようなことを行ったのだ。

 

 実に彼女達は遠くから来る男達に使いを遣わした。

彼等のもとに使いが遣わされると、見よ、彼等はやって来た。

そのために、お前は身を洗い、目を隈どり、

飾りをもって身を飾り、荘重な寝台に座した。

その前には食卓が準備されていた。

お前はわが薫香とわが油をその上(寝台)に供えた。

 

 穏やかな喧噪の声がその中にあり、

多くの人間に付き添われて酔いしれた男達に語りかけていた。

彼等は彼女等の腕に腕輪を、頭に輝きの冠を与えた。

 

 そこでわたしは思った。

彼等は姦淫に消耗した女となおも姦通しようとし、彼女は彼女で姦通を振りまいた。

娼婦のところに入るように、彼等は彼女の所に入った。

彼等は淫らな行為をする女オホラとオホリバの所に入った。

 

 義しい者達、

彼等が、姦淫する女の審きと血を注ぐ女達の審きをもって彼等を審くであろう。

彼等は姦淫する者、血がその手にあるのだから。」

 

 実にャハウェはこう言った。

 

 「彼女等に向かって会衆を立ち上がらせ、彼女等を恐怖と略奪に渡すことだ。

会衆は彼女等を石撃ちにし、彼等の剣で彼女等を切り倒し、

彼女等の息子と娘を殺害し、彼女等の家を火で焼くであろう。

こうしてわたしは、この地から淫らな行為を止めさせる。

 

 女達はみな自戒し、お前達のような淫らな行為に走ることはないであろう。

彼等はお前達の淫らな行為をお前達に帰し、

お前達の偶像の罪はお前達自らが負う。

こうして、お前達は知るであろう、わたしがャハウェであると。」

 

 

 

 

❖補足文

※①姉がオホラ、その妹がオホリバである。…オホラは「天幕を持つ女」、オホリバは「わが天幕は彼女のなかに」の意と思われる。しかし北王国の主都サマリアと南王国の主都エルサレムを擬人化したこれらの名前の意味がここに批判される両者の「淫行」などとどのように関係するかは不明。

※②紫布をまとう者達、総督と知事達…紫布は、フェニキア海岸で採れる紫貝の体液を染料にして染め上げた布。古代西アジアで珍重された。

 総督は、原語パホート(複数)はアッカド語ピハートゥからの借用語。元来はアッシリアバビロニアの属州などの行政区を意味したが、後にその統括者の役職名ともなった。

 知事は、原語セガニーム(単数はサガン)もアッカド語シャクヌからの借用語。王によって任命された各地の責任者。

※③自らを穢したのである。…大国の祭儀を積極的に取り込んだ例として、アッシリアの祭儀をエルサレムに造ったアハズ王の記事が想起される。<列王記下16:10>

※④アッシリアの子等の手に、渡したのである。…アッシリアによるサマリア滅亡と捕囚を指す。

※⑤カルデア人の像…具体的にはどの様な像であったか、もはや確認できない。「朱色」は他に<エレミヤ書22:14>のみ。

※⑥頭に結わえ紐を巻き、彼等はみな副官の形姿…戦士の姿。「第三の人」。元来は馬で引く3人乗りの戦車の3番目の者。

※⑦ペコドとショアとコアを…いずれもアラム系の部族名。

※⑧大楯…射手の前の地面に立てる楯。

※⑨彼女の杯…この場合「杯」はャハウェによる審きの比喩。

※⑩その土器片を噛み砕き…偶像のこと、異本「自分達の為に」。

※⑪食物として供えた…あるいは「彼ら、偶像の食物として火の中をくぐらせた」。)