tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

『イザヤ書』17.

イザヤ書

 

 

 

 【第58章】(省略)

 

 【第59章】

 

 救いを妨げる罪

 

 「見よ、ャハウェの手が短くて救えないのではない。

その耳が遠くて、聞こえないのではない。

まことに、むしろあなた達の咎が、

あなた達とあなた達の神とを隔てるものであり、

あなた達の罪が「神」の顔をあなた達から隠し、

聞いて下さらないようにしている。

 

 まことに、あなた達の手は血で、あなた達の指は咎で穢れている。

あなた達の唇は偽りを語り、あなた達の舌は不正を呟く。

義をもって呼ばわる者はなく、真実をもって裁く者もない。

空しい事を頼みとし、偽りを語り、害毒を孕み、虚妄を産む。

まむしの卵を彼等は孵(かえ)し、くもの糸を織る。

その卵を食べる者は死に、つぶされた一個が孵って毒蛇が生まれる。

彼等のくもの糸は衣服にはならず、彼等は自分の業で身を覆うことも出来ない。

彼等の業は虚妄の業、乱暴な所行が彼等の手にある。

彼等の足は悪へと走り、罪のない血を流すために急ぐ。

彼等の思いは虚妄の思い、暴行と破滅が彼等の大路にはある。

平和の道を彼等は知らず、彼等の通った跡には公義がない。

彼等は己がために己がが通り道を曲げ、そこを歩む者は誰も平和を知らない。

それゆえに、公義はわれらから遠ざかり、正義はわれらに届かない。

われらが待ち望んだのは光だったのに、見よ、闇。

輝きだったのに、暗黒の中をわれらは歩む。

 

 われらは盲人のように壁を手さぐりし、目のない者のように手さぐりする。

真昼でも薄明時(はくめいどき)のように躓き、墓穴の中にいる死人のようだ。

われらはみな熊のようにうなり、鳩のように悲し気にうめく。

われらが待ち望んだのは公義だったのに、それはなく、

救いだったのに、それはわれらから遠く離れている。

 

 まことに、われらの背きの罪は御前に多く、

われらの罪はわれらに不利な証言をする。

まことに、われらの背きの罪はわれらと共にあり、

われらの咎をわれらは知っている。

ャハウェに背き、嘘をつき、われらの神から離れること。

虐げと反逆を語り、偽りの言葉を心に抱いてうめくこと。

こうして公義は後ろに退けられ、正義は遠く離れて立つ。

まことに、広場で真実は躓き、正直は入る余地がない。

真実は失われたものとなり、悪から離れる者は略奪にあう。

 

 ャハウェは見て、公義のないことに心を痛めた。

彼ャハウェは人のいないのを見、取り成す者のいないのをいぶかった。

そこで、自らの腕が自らを救い、自らの正義こそが自らを支えた。

彼ャハウェは正義を鎧のようにまとい、救いの兜を頭にかぶり、

復讐の衣を身にまとい、妬みを外套として身を覆った。

彼等の報復に応じてャハウェは報いる。

彼の仇たちには憤激を、彼の敵達には報復を、島々にも報復を報いる。

こうして人々は恐れる。

 

 日没の方角ではャハウェの名を、太陽の上る方角では彼の栄光を。

仇が流れるようにしてやって来る時、これに対してャハウェの霊風は吹き荒れる。

しかしシオンには、

ヤコブの中の背きの罪を悔い改める者のもとには、贖い主が来る。」

と、ャハウェの御告げ。

 

 「そしてわたしは、これをあなた達とのわが契約とする。」

とャハウェは言われる。

 

「あなたの上にあるわが霊、わたしがあなたの口に置いたわが言葉は、

あなたの口からも、あなたの子孫の口からも、あなたの子孫の子孫の口からも、

今より永久に至るまで、離れることはない。」

とャハウェは言われる。

 

 

 

 

 【第60章】

 

 シオンの栄光

 

 起きよ、光れ。

まことに、あなたの光は来、ャハウェの栄光があなたの上に輝く。

まことに、見よ。

闇が地を、漆黒が諸国民を覆っている。

しかし、あなたの上にはャハウェが輝き、その栄光があなたの上に現れる。

国々はあなたの光へと、王達はあなたの赫々たる輝きへと歩む。

 

 周囲に目を上げて見よ。

彼等は皆集まって、あなたのもとに来る。

あなたの息子達は遠くからあなたのもとに来、

あなたの娘達は脇に抱かれてやって来る。

その時、あなたは見て晴れやかになり、

あなたの心は戦いて、広やかになる。

まことに、海の富はあなたのもとにもたらされ、

国々の財宝はあなたのもとに来る。

ラクダの大群があなたを覆い隠すかのようだ。

ミディアンとエファの若いラクダが、これらはみなシバから来、

※ミディアンとエファは、共に北アラビアのベドウィンで、シバは西南アラビアの通商の民のこと。

 

 金と乳香を携え、ャハウェへの讃美を宣べ伝える。

ケダルの羊はみな、あなたのもとに集められ、ネバヨトの雄羊はあなたに仕え、

(※ケダルはィシュマル族に属する、北アラビアの遊牧民。ネバヨトもィシュマル族でアラビアの遊牧民。)

 

これらはわが祭壇に献げられ、受け入れられる。

わが栄誉ある家を、わたしは栄誉あらしめる。

 

 誰だ、彼等は。

雲のように、巣に帰る鳩のように飛んで来るのは。

まことに、わたしを島々は待ち望み、タルシシュの船は運んで来る。

(※タルシシュは、ッロ等パレスチナの町々と交易があった、フェニキア系の地中海の島国で、銀や鉛といった鉱物を輸送する船団で名高い。)

 

真っ先に、あなたの子等を遠くから、また、彼等の銀をも彼等の金をも彼等と共に。

それは、あなたの神ャハウェの名のため、イスラエルの聖なる方のためである。

 

 まことに、ャハウェはあなたに栄誉を与える。

異邦の子等はあなたの城壁を築き、その王達もあなたに仕える。

まことに、わたしは憤怒のあまり、あなたを打ったが、

恵みをもってあなたを憐れむ。

あなたの門は絶えず開かれ、昼も夜も閉ざされることはない。

国々の財宝をあなたの所にもたらし、その王達が導かれて来るためである。

あなたの僕とならない国や王国は消え失せ、これ等の国々は、全く荒廃に帰する。

レバノンの栄光は、糸杉、鈴掛、檜葉(ひば)、共々、あなたのもとに来て

わが聖所に栄誉あらしめる。

※※わたしはわが足台を尊くする。

 

 

◆補足文

(解説より※※ソロモン神殿建築の際に常に雪をいただいた山脈、豊かな森林で知られるレバノンから木々が送られてきたように、今も神殿のためにそこから木々が送られてくるというのである。「わが足台」とは、神殿を指し、これと並列された「聖所」も地方の祭壇や幕屋ではなく、エルサレム第二神殿ないし、中心部を指すのだろう。すると、今建設中のャハウェの神殿を飾るために、高価なレバノンの木々がエルサレムにもたらされると預言されていることとなる。)

 

 身を屈めてあなたのもとに歩いて来るのは、あなたを苦しめた者達の子等。

あなたの足元にひれ伏すのは、総てあなたを侮辱した者ども。

彼等はあなたのことを呼ぶ、ャハウェの町、イスラエルの聖なる方のシオン、と。

あなたは捨てられ、憎まれ、通り過ぎる者とてなかったが、

それに代えて、わたしはあなたを永久の誇り、代々の喜びの町とする。

こうしてあなたは吸う、国々の乳を、また王達の胸をあなたは吸う。

こうしてあなたは知る、わたしがャハウェ、あなたの救い主。

あなたの贖い主、ヤコブの力強き方であることを。

 

 青銅の代わりに金をわたしはもたらし、

鉄の代わりには銀をもたらす。

また木の代わりには青銅を、石の代わりには鉄を。

平和をあなたの管理者に、正義をあなたの監督者にする。

あなたの地に暴力が、あなたの領土に暴虐と破壊が聞かれることはもはやない。

あなたは呼ぶ、あなたの城壁を救いと、あなたの門を賛美と。

 

 太陽はもはやあなたにとって昼の光とはならず、

月の輝きもあなたを照らさず、あなたにとってャハウェが永久の光に、

あなたの神があなたの栄光となる。

もはや沈むことはない、あなたの太陽は。

またあなたの月は陰ることがない。

まことにャハウェがあなたにとって永久の光となり、あなたの嘆きの日々は終る。

あなたの民は皆義しい者達となり、永久に地を所有し、

わたしの植えた枝、わが手の業として、わが栄誉を現わす。

小さい者が氏族に、若い者が強い国になる。

わたし、ャハウェが、

その時になればすみやかにそれをする。

 

 

 

 

【第61・62章】(省略)

 

【第63章】

 

 血の復讐(省略)

 

 隠れた神への祈り

  

ャハウェの慈愛を私は人々に想い出させよう。

またャハウェの誉れを。

ャハウェが我等に報いて下さった総てのことに従って、

またその憐れみと、その豊かな慈愛によって報いて下さった

イスラエルの家への豊かな慈しみに従って。

彼ャハウェは言われた。

 

「確かに、わが民だ、彼等は。偽らない子等だ。」と。

こうしてャハウェは彼等にとって救い主となられた。

彼等の総ての苦しみの時に、ャハウェにも苦悩があった。

そこで彼自身の使いが彼等を救った。

ャハウェの愛によって、また彼の同情によって、彼こそは彼等を贖い、

昔から総ての日々、彼等を担い、彼等を堪えて来られた。

だが彼等はと言えば、逆らい、ャハウェの聖なる霊を傷つけたので、

彼、ャハウェは転じて彼等の敵となり、ャハウェ自ら彼等と戦われた。

そこでャハウェの民は、モーセの昔の日々を思い出した。

 

「何処だ、彼等を羊の群れから牧者達と共に、海から上がらせた方は。

何処におられるのか、その中に自らの聖なる霊を置いた方は。

モーセの右に、その栄誉ある腕を進ませ、彼等の前で水を分けて、

自らのために永久の名を成した方は。

いくつもの海の深みの中を、彼等をして、

荒野を行く馬のように躓くこともなく、歩ませた方は。

谷を下る家畜のように彼等を、ャハウェの霊は憩わせた。

このようにして、あなたはあなたの民を導き、

ご自身のために栄誉ある名を成されました。

天から見下ろし、あなたの聖にして栄誉あるお住まいからご覧ください。

何処にあるのでしょうか、あなたの熱愛と、あなたの大能は。

あなたの腸(はらわた)のたぎる思いと憐れみとは、

私に対して抑えられているのですか。

まことに、あなたは我等の父です。

たとい、アブラハムが我等を知らず、イスラエルが我等を認めなくとも、

ャハウェよ、あなたは我等の父です。

「永久から、我等の贖い主」が、あなたの御名です。

なにゆえあなたは、ャハウェよ、我等をあなたの道から迷い出させ、

我等の心を頑なにして、あなたへの畏れから引き離すのですか。

帰って来て下さい、あなたの僕達、あなたの譲りの地の諸部族のために。

あなたの聖なる民がこの地を所有して間もなく、

我等の仇どもがあなたの聖所を踏みつけました。

あなたが人々を支配することも、あなたの御名が人々に呼ばれることもなかった。

そうした昔のように我等はなりました。

 

 もしも、あなたが天を裂いて降りて来られるならば、

御前に山々は揺れ動くことでしょう。