tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

『イザヤ書』12.

イザヤ書

 

 

 ・ここから第二イザヤ書となります。

 【第40章】

 

 

 

 苦役の民への慰め

 

 「慰めよ、慰めよ、わが民を。」

と、あなたたちの神は言われる。

 

「語り掛けよ、エルサレムの心に、呼びかけよ彼女に。

まことに、彼女の苦役は終わり、

まことに、彼女の咎を償われた。

まことに、彼女はャハウェの手から受けた、

彼女の総ての罪に倍するものを。」と。

 

 呼ばわる者の声がする。

「荒野に整えよ、ャハウェの道を。

真っ直ぐにせよ、荒地にわれらの神のための大路を。

総ての谷は埋められ、総ての山と丘は低くなる。

また起伏のある土地は平原に、険しい地は平野になる。

こうしてャハウェの栄光が現され、総ての肉なる者が共に見る。

まことに、ャハウェの口が語られたのだ。」

 

 「呼びかけよ。」という者の声がする。

私は言う、「何と呼びかけようか。」と。

「総て肉なる者は草、総てその愛は野の花のようだ。

草は枯れ、花はしぼむ。

ャハウェの霊気(いき)がその上に吹くならば、

この民はまさに草である。

草は枯れ、花はしぼむ。

だがわれらの神の言葉は永久に立つ。」

 

高い山へと登れ。

シオンに良い知らせを伝える者よ。

力を振るってあなたの声を上げよ。

エルサレムに良い知らせを伝える者よ。

声を上げよ、恐れるな。

言え、ユダの町々に。

「見よ、あなた達の神を。」と。

見よ、主なるャハウェを。

彼は力を帯びて来られ、ご自身のためにその腕が統べ治める

見よ、彼の報いは彼と共に、またその報酬はその前にある。

彼ャハウェは、羊飼いのようにその群を飼い、

その腕に子羊達を集め、懐に抱き、乳を飲ませる羊達を導く。

 

 

 

 創造者の力

 

 誰が、掌で水を量り、天を手の幅で測り、

升に地の塵を盛り、量りに諸々の山を、諸々の丘を天秤に掛けたか。

 

誰が、ャハウェの霊を測り、ャハウェの助言者として彼に教えたか。

誰に、彼は助言を求めたか。

その者は彼ャハウェに悟りを得させ、

彼に公義の途を学ばせ、彼に知識を学ばせ、

また彼に叡智の道を知らせたのか。

 

 見よ、国々は手桶の滴のように、

天秤のごみのように、見なされる。

見よ、島々を塵芥(ちりあくた)のように、ャハウェは取り上げる。

レバノンは薪とするに足りず、その獣は全焼の供犠とするに足りない。

総ての国々はャハウェの前にあって無に等しく、

空にして虚ろなもの以下と彼には見なされる。

 

 

 誰に、あなた達は神を擬し、

どのような似像に、神を比べようとするのか。

その偶像を鋳(い)て作るのは職人。

金細工師がそれに金箔を被せ、銀の鎖を細工する。

貧しい者が、捧げ物として朽ちない木を選び、

巧みな職人を自分のために捜し出して、

動かない偶像を据え付ける。

 

 あなた達は知らないのか、聞かないのか。

あなた達は初めから告げられていなかったのか。

あなた達は理解していなかったのか。

地の諸々の基(もとい)について。

地を覆う天蓋の上に住む方よ、

地に住む者どもはいなごのようだ。

天を薄布のように張りめぐらす方は、

これを天幕のように張って住む。

 

 

 君主達を無に帰する方が、地の裁判官どもを虚ろな者とする。

彼等が植えられる間もなく、蒔かれる間もなく、地に根を張る間もなく、

ャハウェはこれらに風を吹き付け、これらは枯れる。

嵐が藁のようにそれらを巻き上げる。

 

 「誰に、あなた達はわたしを擬し、誰に、わたしは似ているのか。」

と聖なる方は言われる。

 

 あなた達の目を高く上げて見よ、

誰が、これらを創造したかを。

それらの万象を数えて引き出す方は、それら総てを名前をもって呼ぶ。

その活力の豊かさ、力の強さから一人も逃れることは出来ない。

 

 なぜ、ヤコブよ、あなたは言い、

イスラエルよ、あなたは言い張るのか。

「我が道はャハウェから隠され、我が神から我が訴えは見過ごされた。」と。

あなたは知らないのか、聞いたことがないのか。

永久の神こそャハウェ。

地の果てまで創造された方。

 

 疲れることなく、弱ることなく、その叡智は測りがたい。

疲れた者に力を与え、活力を失っている者に活気をつける。

若者達も疲れ、弱り、精鋭達も必ずや躓くが、

ャハウェを待ち望む者達は新たに力を得、

鷲のように翼を張って舞い上がる。

彼等は走っても弱らず、歩いても疲れることもない。

 

 

 

 

 【第41章】

 

 

 

 諸民族との法廷論争

 

 わが前で黙せ、島々よ。

諸民族よ、力を回復せよ。

近寄り、そうして語れ。

共に裁きの場に、われわれは歩み出よう。

 

 誰が、東から義しい者を起こし、その足元に呼び寄せ、

彼の前に国々を渡し、王達を踏みにじらせ、

彼等を彼の剣で塵のように、彼の弓で吹き飛ばされた藁のようにしたか。

彼は彼等を追って速やかに進む。

彼の足の未だ踏み入ったことのない途を。

 

 誰が、これを成し遂げたか。

初めから代々の人々に呼びかけつつ。

わたし、ャハウェこそ初めであり、

また終わりと共にある。

わたしがそれだ。

島々は見て恐れ、地の果ては震えながら近づいてきた。

 

 人はその友を助け、同胞に「しっかりしろ。」と言う。

職人は金細工師を、金づちで打つ者は金床を叩く者を力づけ、

はんだづけについては「それでよし。」と言い、

また釘で打ち付けて動かないようにする。

 

 

 だが、あなたは、イスラエル、わが僕、

わたしが選んだヤコブ

わたしの愛するアブラハムの子孫。

そのあなたをわたしは、地の諸々の果てから連れ出し、

あなたを地の諸々の隅から呼び出し、

そしてあなたに言う。

「あなたは、わが僕。

わたしはあなたを選び、そしてあなたを捨てなかった。」と。

 

 恐れるな、あなたと共にわたしは居るから。

たじろぐな、わたしがあなたの神だから。

わたしはあなたを雄々しくし、更にあなたを助け、

更にまたわが義の右の手で、あなたを支える。

 

 見よ、恥じ入り、かつ辱められるのは、

総てあなたに対していきり立つ者ども。

無き者のようになって滅びるのは、あなたと争う人々。

あなたが探しても、見つけることが出来ないのは、あなたに逆らう人々。

無き者のように、また空しい者のようになるのは、あなたと戦う人々。

 

まことに、わたし、あなたの神ャハウェが、

あなたの右の手を握って言っているのだ。

「恐れるな、わたしはあなたを助ける。」と。

恐れるな、虫けらのヤコブイスラエルのお方達。 

わたしはあなたを助ける。

 

 ーャハウェの御告げだ。

 

 

◆補足文

(※虫けらのヤコブ…M・ウェーバーは、詩編23:7との関連でこれを「虫感情」と称し、人間が自己卑下した悲惨主義と捉えるが、一種の愛称であって軽蔑的な意味はないと解する学者もいる。ただし、両説は必ずしも矛盾するわけではなく、イスラエルの卑小と悲惨の自己認識が神の愛と助けを喚起するものと考えられる。)

 

 

 あなたを贖う者はイスラエルの聖なる方。

見よ、わたしはあなたを、

鋭い、新しい両刃のついた脱穀機とする。

あなたは、山々を踏みつけ、砕き、丘々をもみ殻のようにする。

あなたがそれらを撒き散らすと、風がそれを運び去り、暴風がそれを散り散りにする。

あなたはャハウェに在って喜び、イスラエルの聖なる方に在って誇る。

 

 貧乏な者達や、困窮している者達が水を求めても無い。

彼等の舌は渇きのために干上がるが、わたしャハウェは彼等に応え、

イスラエルの神は彼等を見捨てない。

わたしは禿山に川を、谷地の真ん中に泉を開く。

荒野を水のある沢に、日照りの地を水の源にする。

 

 わたしは荒野の中に、香伯、アカシヤ、

またミルトスや、オリーブの木を植え、

荒地に糸杉、鈴掛(すずかけ)、また檜葉(ひば)を共に植える。

彼等が見て知り、心に留めて共に悟るために。

すなわち、ャハウェの手がこのことを成し、

イスラエルの聖なる方がこれを創造したと。

 

「あなた達の訴状を出せ。」

とャハウェは言われる。

「あなた達は訴状を持って来い。」

ヤコブの王は言われる。

「持って来てわれわれに告げよ、起ころうとする事どもを。

先の事ども、それらが何であったかを告げよ。

そうすれば、われわれもそれに心を留め、それらの終わりをも知ることが出来よう。

あるいはまた、来るべき事どもを、われわれに聞かせよ。

後に生起する事どもを告げよ。

そうすれば、われわれは、あなた達が神だと知ろう。

更には善を成し、悪を成せ。

そうすれば、われわれは互いに顔を見回して目を見張ろう。

 

 見よ、あなた達は無から、空からなる。

忌むべきことだ。

それら無や空があなた達を選んだとは。

 

 

 わたしが北から人を起こすと、彼は起き上がり、

日の出る所からわが名を呼ぶ。

彼は長官達を泥のように踏みにじる。

まるで陶器師が粘土を踏みつけるかのように。

 

 誰が、初めから告げてわれわれが知るように、

また、正しいと前もって言えるようにしたか。

告げた者は全くなく、聞かせた者も全くなく、

あなた達の言うのを聞いた者も全くなかった。

 

最初にシオンに、「見よ、これ等を見よ。」という知らせを、

またエルサレムに、良い知らせを伝える者をわたしが与えよう。

わたしが見ても誰もいない。

彼らの中には、わたしが尋ねて言葉を返せる助言者はいない。

 

 見よ、彼等はみな偽りだ。

空しいのは彼等の業。

風のように虚ろなのは、彼等の鋳た像。