tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

『イザヤ書』13.

イザヤ書

 

 

【第42章】

 

 

 

 僕の召命ー第一の僕の詩

 

 見よ、わが僕、わたしは彼を支える。

わたしの選んだ者をわが魂は喜ぶ。

わたしはわが霊を彼の上に授け、公義を国々に彼はもたらす。

彼は叫ばず声を上げず、その声を巷で聞かせることもない。

折られた葦を彼は引きちぎることもせず、

燻る(くすぶる)燈心、それを消すこともせず、

真実のために公義をもたらす。

彼は気落ちすることなく、と言って走ることもなく、

ついには地に公義を打ち立てる。

その答えを島々は待ち望む。

 

 

 

 捕囚からの解放ー第一の僕の詩付論

 

 神ャハウェがこう言われる。

すなわち、天を創造し、これを張り巡らし、

地とその作物を押し広げ、その上の民に息を与え、

その中を歩む者に霊を授ける方が。

 

 「わたしャハウェは、義をもってあなたを呼び、

あなたの手を握り、あなたを見守り、

あなたの民の契約とまた国々の光とする。

こうして見えない目を開き、

牢獄から捕虜を、獄屋から闇の中に住む者達を連れ出す。

 

 わたしはャハウェ、これがわが名前。

わが栄光を他の者に、わが誉れを偶像どもにわたしは与えない。

先の事どもは、見よ、既に到来した。

新しい事どもは、わたしが告げる。

それが兆す前にあなた達に聞かせよう。」

 

 

 

 ャハウェへの讃美

 

 歌え、ャハウェに新しい歌を。

その誉れを地の果てから。

海に降りて行く者達とそこに満ちるものよ、

島々とそこに住む者達よ。

声を上げよ、荒野とその町々よ。

ケダル人の住む村々よ。

(※イシュマル族に属する、北アラビアの遊牧民。闘争的で沃地民族の脅威の的であった。)

喜び歌え、セラに住む者達よ。

(※死海アカバ湾の中間に位置するペトラか?)

山々の頂から歓呼せよ。

 

 返せ、ャハウェに栄光を、その誉れを島々に告げよ。

ャハウェは勇士のようにいで立ち、

戦の兵(つわもの)のように熱情を奮い立たせ、

鬨(とき)の声を上げ、更には叫び声を上げ、

その敵どもに向かって力を誇示する。

 

 わたしは古から沈黙していた。

黙って自分を抑えていた。

しかし今や子を産む女のように呻き、息せいてあえごう。

わたしは諸々の山や丘を荒らし、その総ての青草を枯らし、

諸々の川を島々に変え、諸々の沢を涸らす。

 

 わたしは盲達(めしいたち)を彼等の知らない道に行かせ、

彼等の知らない通り道に踏み入らせる。

わたしは闇を彼等の前で光に、でこぼこの地を平原に変える。

これ等の事ども、これをわたしは為し、彼等を見捨てることはない。

 

 後ろに退いて赤恥をかくのは、偶像を拠り頼む者ども、

鋳造に向かって「あなた方こそ私共の神々」と言う者ども。

 

 

 

 イスラエルの罪と贖い

 

 耳の聞こえない者達よ、聞け。

盲達よ、目をこらして見よ。

誰か、わが僕ほどの盲が他にあるだろうか。

わたしの送るわが使者のように耳の聞こえない者がいるだろうか。

誰か、わたしに買い取られた者のような盲、

ャハウェの僕のような盲がいるだろうか。

 

 多くのことを見ながらあなたは心に留めず、耳を開きながら彼は聞かない。

ャハウェは望まれた、ご自分の義のために教えを広め、これを輝かすことを。

彼こそは餌食とされ略奪された民であって、若い男達、

彼等はみな罠にかかり、諸々の獄屋に閉じ込められた。

彼等は餌食となったが、助け出す者もなく、

略奪にあったが、返してやれと言う者もない。

 

 あなた方のうち誰がこの事に耳を傾け、後々のために注意して聞くだろうか。

誰が略奪者にヤコブを、イスラエルを餌食とする者どもに渡したのか。

それはャハウェではないか。

この方に我々は罪を犯し、その道に歩むことを欲せず、

その教えに聞き従わなかった。

そこでャハウェは彼に向かって、燃える怒りと戦いの勢力とをぶちまけた。

それがあたりを焼き尽くしても、彼は悟らず、

自分に燃え付いても心に留めなかった。

 

 

 

 

 【第43章】

 

 

 

 しかし今、ャハウェがこう言われる。

ヤコブよ、あなたを創造した方が、

イスラエルよ、あなたを形造った方が、

「恐れないように、わたしがあなたを贖ったから。

わたしはあなたの名を呼んだ。

あなたはわたしのもの。

あなたが水の中を渡る時も、あなたと共にわたしはおり、

川の中にいても、川はあなたを押し流さない。

火の中を歩いても、あなたは焼かれず、炎もあなたに燃え付かない。

まことに、わたしがあなたの神、ャハウェ。

イスラエルの聖なる者、あなたの救い主である。

 

 わたしはあなたの身代金にエジプトを、

クシュとセバをあなたの代わりに与えた。

 

 

◆補足文

(※解説より、クシュはエチオピア、セバはその南に位置し、エジプトと共に紅海沿いの大国として並び称される。ただこの預言は外れ、捕囚解放のためにこれ等の国がバビロニアに与えられることは実際には起こらなかった。そこで捕囚後の後期第二イザヤはこの点を歴史事実に即して修正している。)

 

あなたはわたしの目に高価であり、重んじられ、

わたしはあなたを愛するから、わたしは人をあなたの代わりに、

諸民族をあなたの命の代わりに与えるのだ。

 

 恐れないように、あなたと共にわたしは居るから。

東からわたしはあなたの子孫を来させ、西からあなたを集める。

わたしは言う、北に向かって『与えよ』と。

南に向かっては『拒まないように』と。

『わが息子達を遠くから、わが娘達を地の果てから来させよ』と。

わが名で呼ばれる総ての者は、わが栄光のために私がこれを創造し、

これを形造り、これを作ったのだ。」

 

 

 

 ャハウェの救済をめぐる法廷論争

(ャハウェが諸国民ないし、その神々と争う法廷論争)

 

 

 「目があっても盲いた民、耳があっても聞こえない者どもを連れ出せ。

総ての国々はこぞって集められ、諸民族は集わされる。

彼等のうちの誰がこのことを告げ、先の事どもを我々に聞かせることが出来ようか。

彼等は自分達の証人を出して義とされねばならない。

そうすれば人々は聞いて『本当だ』と言うだろう。

 

 あなた達はわが証人。

ーャハウェの御告げ。

 

 また、わたしが選んだわが僕だ。

選んだのはあなた達が知ってわたしを信じ、

わたしがその者だと悟るためである。

わたしより前に造られた神はなく、わたしより後にも存在しない。

わたし、このわたしこそャハウェであって、

わたしの他に救い主はいない。

 

 このわたしが告げ、救い聞かせたのだ。

あなた達のうちに他には神はいなかった。

そしてあなた達はわが証人。

ーャハウェの御告げ。

 

 わたしが神だ。

これからも後も、わたしがそれだ。

わたしの手から取り返せる者はなく、

わたしが事を行えば、誰がそれを元に返すことが出来ようか。」

 

 

 ャハウェがこう言われる。

あなた達を贖われたイスラエルの聖なる方が。

 

 「あなた達のために、私はバビロンに使いを送り、

彼等の門の閂(かんぬき)それらをみな取り外し、

またカルデア人達を彼等の歓声の聞こえる船々から引き降ろす。

わたしはャハウェ、あなた達の聖なる者。

イスラエルの創造者、あなた達の王である。」

 

 ャハウェがこう言われる。

海に道を、奔流に通り道を設けた方、

戦車と馬を、富と勢力を諸々に連れ出した方が。

「彼等は伏して起き上がれないだろう。

彼等は燈心のように消え失せたのだ。

先の事どもを思い出さないように、昔の事どもを案じないように。

見よ、わたしは新しいことを成就する。

今、もうその兆しは見えている。

あなた達はそれを知らないのか。

 

 確かにわたしは荒野に一本の道を、荒地に幾つもの川を設ける。

野の獣やジャッカル達、ダチョウの子等もわたしを崇める。

わたしが荒野に水を、幾つもの川を荒地に起こし、

わが民、わたしが選んだ者に飲ませるからだ。

わがために造ったこの民は、わが誉れを述べ伝えるだろう。

だが、わたしをあなたは呼び求めも、ヤコブよ、

わたしのために労苦することも、イスラエルよ、しなかった。

あなたはわたしのために、

あなたの全焼の供犠の羊を連れて来ることもなく、

あなたの生贄を捧げて、わたしを崇めることもしなかった。

わたしは供物のことで、あなたに労苦をさせることもなく、

乳香のことで、あなたを煩わせることもしなかった。

あなたはわたしのために、

銀でもって菖蒲(しょうぶ)を買うこともなく、

生贄の脂肪でわたしを満足させることもしなかった。

かえって、あなたの諸々の咎でわたしに苦労させ、

あなたの諸々の不義でわたしを煩わせた。

 

 わたし、このわたしこそわたし自身のために、

あなたの諸々の不義を拭い去り、

もうあなたの諸々の咎を思い出さない。

 

 わたしに思い出させよ、共に論じ合おう。

あなたの方から述べたてよ、身の証をするために。

あなたの最初の父祖は罪を犯し、あなたの仲保者達は

わたしに対して背いた。

それでわたしは聖所の司達を穢し、ヤコブを絶滅に、

イスラエルを謗(そし)りに渡した。