tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

聖書外典偽典(旧約偽典)『エノク書』9

旧約偽典『エノク書

 

 

 

 第52章(略)

 

 

 第53章

 

 

 そこにわたしの目は口を開けた深い谷を見た。乾いた大地と海と島々に住む全ての住民が、彼メシアに敬意を表してありとあらゆる贈り物を持ってくるのだが、その深い谷は溢れることがない。

彼等の手は不法を働き、正直者が汗水たらして稼ぎ出したものを、罪人達が不当にも食い荒らす。しかし罪人達は霊魂の主の前から滅び、彼の支配する地の面から永遠に、絶え間なく追い立てられるであろう。

 

 私は懲罰のみ使いが行ってサタンの責め具を整えているのを見た。私は同行の平和のみ使いに尋ねた。

「この責め具は誰のために整えているのですか。」

彼は私に言った。

これはこの地上の王者、権力者達のため、彼等を滅ぼすためのものである。」

 

 この後、義人にして選ばれたお方が現れ、彼に帰依した者の教団は、これより後、霊魂の主の名故に、妨げられることはない。これらの山は彼の御前に地のように、平らになり、丘は水の泉のようになり、義人達は罪人達に悩まされることもなくなる。

 

 

 

 第54章

 

 

 私は地の別な方向に身を転じて見つめていると、火の燃え盛る深い谷がそこに目に留まった。王達や権力者達はこの深い谷に連れて来られ、投げ込まれた。

そこに私の目は、彼等のための責め具、重さがいくらとも知れない鉄の鎖がこしらえられていくのを見た。

 

 私は同行の平和のみ使いに尋ねて言った。

「この鎖の責め道具は誰のためにこしらえているのですか。」

 

 彼は私に言った。

「これはアザゼルの軍勢のために、彼等を捕えて地獄の深みに投げ込み、霊魂の主が命ぜられた通りに、彼等の顎にごつごつとした石をいっぱいくっつけてやるために用意しているのである。 ミカエルとガブリエルとラファエルとぺヌエルがその大いなる日に彼等を掴んで、燃え盛る火の炉にその日投げ込むであろう。これはサタンの手下となって乾いた大地に住まう者を惑わした彼等の不法に霊魂の主が報いるためである。」

 

 その時、霊魂の主の刑罰が施行され、上なる天の全ての水の倉と、天の下及び地下にある泉が開かれるであろう。全ての水は上なる天の水と混ざり合う。上なる天の水は男性的であり、下なる地の水は女性的である。すべて乾いた大地に住む者、天の果ての下に住む者は滅び去る。この故に、彼等は自分達が地上ではたらいた不法を悟り、その故に滅びるであろう。

 

 

 

 第55章

 

 

 その後、高齢の頭は後悔して言われた。

「乾いた大地の上に住む者達全てわけなく滅ぼしてしまったようだ。」

 

 彼はその大いなる名にかけて誓われた。

「これより後、乾いた大地に住む者達にこういうことは二度としない。天に誓いの徴を置き、永遠に、天が地の上にある限り、わたしと彼等の間の信義の徴としよう。これからは、わたしの命令によってすべてが行われる。わたしが患難と悩みの日、わたしのこの怒りと懲らしめの前に、彼等をみ使い達の手によって捕えようと欲すれば、わたしの怒りと懲らしめは彼等の上に留まるであろう。」

 

 神、霊魂の主は仰せられた。

「乾いた大地に住む王達、権力者達よ。お前達はほどなく私の選んだ者を見るであろう。彼がわたしの栄光の座にすわり、アザゼルとその仲間、その軍勢のすべてを霊魂主の名によって裁くのを。」

 

 

 

 第56章

 

 

 私はそこに懲罰のみ使いの一団が、鉄と青銅の鎖を握って歩いているのを見た。私は同行の平和のみ使いに尋ねて言った。

「鎖を握っているこの人達は誰の所に行くところなのですか。」

 

 彼は私に言った。

「★めいめい自分が選んだ者、自分の愛する者達の所に行き、彼等を谷の深い穴に投げ込むのである。」

 

その時谷は★彼等が選んだ者達、愛した者達で溢れ、彼等の寿命は尽き、彼等の迷いの日はもはや数えられることはない。

 

 ※※その頃、み使い達は集合して頭を東の方、パルティア、メディアの民の方に向け、王達を動かすであろう。そうすると彼等王達は心に動揺をきたす。また彼等をその玉座からゆすぶり落とせば、彼等はそのねぐらを離れる獅子のように、飢えた狼のように彼等み使いの群れの中に出て来る。彼等は攻め上ってきて、彼等み使いが選んだ者達の土地を踏みにじり、神の選民の土地は脱穀場か街道のようになる。

 

 わたしの義人達の町は彼等の馬に障害となり、彼等は同士討ちを始め、その右手が彼等自身に対して強くなり、互いに誰が誰やら見分け難く、子も父母も知らず、ついには無数の屍を出す。彼等に対する懲らしめは無駄ではなかったと知ろう。その時黄泉は口を開き、彼等はその中に落ち込み、彼等の滅び、即ち黄泉が選民の眼前で罪人達をむさぼり食うであろう。

 

 

 

 第57~59章(略)

 

 

 

 

◆補足文

★この、めいめい自分が選んだ者達、自分が愛した者達…という表現は、懲罰を行うみ使い達が愛した者達を選んだように読んでしまいますが、別の訳を調べてみると講談社旧約聖書外典」下・新見宏訳では「枷をもったこれらの天使は誰に向かってゆくのですか。」すると彼は答えた。「彼等は悪魔が選び、愛した者達の所にゆくのだ。これらの者は谷の深淵の裂け目に投げ込まれる。」そして谷は彼等が選び、愛する者らで満たされ、彼等の命の日は尽き…となっていますから、(54章の内容からもつなげると)こちらの、新見氏訳の解釈になると思います。

次の文章はこれも分かりにくいのですが、これも新見宏訳の説明タイトルには56章冒頭から、彼等の迷いの日は数えられることはない。までが「アザゼルと見張りの者達の最終的な審判」となっており、次の※※からが「異邦の諸国とイスラエルの最終の戦い」となっていますので、参考までに…。

 

 

 

聖書外典偽典(旧約偽典)『エノク書』8

旧約偽典『エノク書

 

 

 

 第46章

 

 

 そこに私は高齢の頭をもった者を見た。その頭は羊の毛のように白く、もう一人人間のような顔をした者を従えていたが、この者の顔は、聖なるみ使い達の一人のように憐れみに満ち溢れていた。私に同行して全ての秘密を示してくれたみ使いの一人に、その人の子について私は尋ねた。

「彼は誰なのですか。彼はどこから来ているのですか。またなぜ高齢の頭と一緒に歩いているのですか。」

 

 彼は私に答えて言った。

これが人の子であり、彼は義をもっており、義が彼に宿っている。また、全ての秘密の倉を彼は開く。それは、霊魂の主が彼を選ばれたからである。また、彼の分は、正義の故に、霊魂の主の前にあって、他の全てのものを凌駕する。

 

 あなたが見たこの人の子は、王者、権力家達をその座から、力ある者達をその席から引きずり下ろし、力ある者達の手綱をほどき、罪人達の歯を粉々に砕くであろう。

また、王達をその座から、その領土から放り出すであろう。彼等は彼を誉めも崇めもせず、腰を低くして、自分達の領土をどこから授かったのかを考えてもみないからである。

 

 彼は、力ある者達の顔を避け、彼等はさんざん恥をかかされ、暗闇が彼等の住居(すみか)、蛆虫(うじむし)がその褥となり、霊魂の主の名を崇めることをしない彼等の病の床から起き上がれる望みはない。

これは、地上を歩み、そこの住まう分際で空の星を裁き、至高者に対して手を振り上げ、成すことはいずれも暴虐で、その行為は暴虐を表し、富を力と頼み、自分の手で造った神々に信を置き、霊魂の主の名を否定してはばからない輩である。

彼等は、彼のもとに集まり、霊魂の主の名によりすがる信者たちの家から放逐されるであろう。」

 

 

 

 

 第47章

 

 

 その時、義人達の祈りと義人の血が地上から霊魂の主の御前に達した。

その時、天上に住む者達は声を一つにして、流された義人達の血と義人達の祈りの故に、懇願し、祈り、霊魂の主の名を褒めたたえ、賛美するであろう。

義人達の祈りが霊魂の主の前に途絶えないように、彼等義人の義人達のために裁きが行われるように、永遠に汚名をこらえなくてもよいように祈るであろう。

 

 その時、私は高齢の頭がその栄光の座に着席するのを見た。続いて、「生ける者達の書」が彼の前に開かれ天上にあって、彼を取り囲む全ての軍勢が彼の前に立っていた。義の数がめぐって来、義人達の祈りが聞き入れられ、義人達の血が霊魂の主の前に償われたことによって、義人達の心は喜びにあふれた。

 

 

 

 

 第48章

 

 

 その所に、汲めどもつきせぬ義の泉を私は見た。また、そのまわりに知恵の泉がいくつもあって、渇ける者はみなそこで飲み、知恵に満たされ、義人達、聖者達、選ばれた者達と住居をともにしていた。

 

 その時、かの人の子が霊魂の主のところに呼ばれ、彼の名は高齢の頭の前にある。

※太陽と徴(しるし)が創造される以前、空の星が作られる以前から、彼の名は霊魂の主の前で呼ばれた。

 

 彼は、義人達や聖者達が倒れないように寄りかかる杖、諸々の民の光、心◯える者の希望である。

 

 全て乾いた大地に住まう者は彼の前にひれ伏して拝み、彼を褒めたたえ、霊魂の主の名を寿(ことほ)ぐであろう。

これがために、※世界が創造される前から彼は選ばれ、彼、霊魂の主の前に隠され、永遠に彼の前にあるであろう。

 

 この暴虐の世を忌み嫌い、霊魂の主の名によってそこに行われる一切のこと、その道を憎んだ義人達の分を譲って下さった霊魂の主の名に知恵が、聖人達と義人達に彼の姿を現した。

彼の名によって彼等は救われるのであり、彼は彼等の命を奪った者に報いて下さるのである。

 

 その時、いま乾いた大地を治める地の王達、力ある者達は、その手の業ゆえに面をあげえないであろう。患難苦難のその日、命拾いが出来ない故。

私の選民達の手の中に彼等を放り込んでやろう。彼等は火に投げ込まれた枯草のように義人達の眼前で燃え尽き、水に投じた船のように聖人達の眼前で沈み、跡形もなく消えてしまう。

 

 彼等の苦難の日、地上には休息が訪れるであろう。

彼等は彼の前に倒れたまま立ち上がれない。手を差し伸べて引き起こしてくれる者もいない。

霊魂の主とその脂注がれた者メシアを否定したが故に

霊魂の主の名は褒めむべきかな。

 

 

 

 

 第49・50章(略)

 

 

 第51章

 

 

 その時地は、預かったものを返し、黄泉は預かりものとして受け取った者を返し、

地獄は借りた者を返すであろう。

彼メシアは、その中から義人達、聖人達を選び出す。彼等が救われる日は近づいた故。

 

 その時、選ばれた者、メシアはその席に座し、ありとあらゆる知恵の奥義をその口は注ぎ出す。霊魂の主が彼に知恵を授けて、栄誉を賜ったのである。

 

 その時、山々は雄羊のように踊り、丘は乳をたらふく飲んだ子羊のように跳ね回る。※※そして、みな天使になる。彼等の顔は喜びに輝く。

 

 その時、選ばれた者が立ち上がる故に。地は喜び、義人達がそこに住まい、選ばれた者達がそこを縦横に闊歩してまわるであろう。

 

 

 

 

 

◆補足文

※太陽と徴が創造される以前、空の星が作られる以前から、彼の名は霊魂の主の前で呼ばれた…これがために、世界が創造される前から、彼は選ばれ、彼、霊魂の主の前に隠され、永遠に彼の前にあるだろう。は、メシアであるイエスのことを話しており、

<創世記1:26>にある、神は言った。「我らの像(かたち)に、我らの姿に似せて、人を作ろう。」という創造主ヤハウェの言葉からも理解できます。(つまり、この「我ら」は創造主の傍に仕えていた大天使のイエスのことを指しているのです。創造主が3次元宇宙を創造されるよりも前にイエスは既に存在していたということです。)

 

また、<ヨハネ1:1>にも「初めに言葉がおり言葉は神と共におり言葉は神であった。すべてのものは彼を通して存在するようになり、彼を離れて存在するようになったものは一つもない彼によって存在するようになったものは命であり、命は人の光であった。」とあるように、エスは創造主の言葉の誕生としても表されているのです。

そこで、イエスの名を通してでなければ、つまり最初の人、アダムはイエスに似せて作られたのですから、(アダムは蛇に騙され、神に対して罪を犯してしまいました。)神によって人の子として誕生し、罪を犯さなかった人間(アダムの罪の子孫達の贖いとなる完全なる人間)として死んだイエスに信仰を置く者でなけらば救われないということになるわけです。最後の審判の後、※※そして、みな天使になる。は、選ばれた義人達は天使と同じ永遠の命を得るという意味であり、反対の者達は永遠の地獄へ下るのです。

 

 

 

 

聖書外典偽典(旧約偽典)『エノク書』7

旧約偽典『エノク書

 

 

  

 第37章

 

 

 アダムの子セツ、その子エノス、その子カイナン、その子マハラレル、その子ヤレド、その子エノクが見た第二の幻、知恵の幻

 

 乾いた大地の上に住まう者達に私が声を張り上げて語りかけようとした知恵の言葉のはじめはこうである。

「先の世代の人達よ、聞け。後の世代の人達よ、見よ。諸々の霊魂の主の御前で私が語る聖なる言葉を。」

 

 先の人達に語るのが相応しいが、後の者達に対しても私は知恵のはじめを拒みはすまい。私に思索し、また、永遠の生命に預かることを許して下さっている霊魂の主がよしとされたところに従って受けた知恵は、これ以前には霊魂の主の手から授けられたことはなかった。

 

 3つの譬えが私にのぞみ、私は声をあげて、乾いた大地上の上に住まう者達に述べた。

 

 

 

 

 第38章

 

 

 第一の譬え。

 義人の教団が出現し、罪人等がその罪ゆえに裁かれ、地の面から追い立てられる時、義なるお方が、選ばれた義人達、即ちその行いが霊魂の主のみ旨にぴったりと合致している者達の前に姿を現され、乾いた大地の上に住まう義人、選民達に光が現れる時

罪人達の住居はどこになるのだろう、また霊魂の主を否定した者達の安住の地はどこになるのだろう。彼等にとっては、むしろ生まれ出てこなかった方がましだったのだ。

 

 義人達の秘密があらわにされる時、罪人達は裁かれ、不敬虔な者達は義人と選民達の前から追い払われるであろう。

 

 今より後は、地をその掌中に収める者達は、もはや力ある者、位の高い者とはなり得ず、聖者達の顔を見ることは出来ないであろう。

霊魂の主の光が聖人、義人、選民達の前に現われたからである。

 

 その時力ある王達は滅び、義人と聖人達の手に渡されるであろう。

この時を境として、霊魂の主から憐れみを乞う者はないであろう。彼等の生命は尽きたのだ。

 

 

  

 第39章

 

 

 さて、その時には、選ばれた聖なる子等が上なる天から降りて来て、彼等の種は人の子等と一つになるであろう。

 

 その時エノクは『ねたみと怒りの書』、『混乱と騒乱の書』を受け取った。

霊魂の主は、彼等は憐れみをこうむることはない、と言われた。

その時、雲と突風が私を地上からさらって行き、天の果てに私を坐らせた。そこに私は別な幻、義人達の住所と聖人達の安住の地を見た。

 

 そこに私の目は見た。彼等の住居はみ使い達と共にあり、彼等の安住の地は聖者達と共にあり、彼等は人の子等の為にとりなし、乞い願い、祈っている。彼等の前には義は水のように流れ、憐れみ地の面におく露のごとく、彼等の世界ではこのような有様が永久に続くのである。

 

 その時私の目は、義と信仰の選民達の居る場所を見た。彼等の時代には正義が行われるであろう。彼の前にある義人、選民は、永遠に数えることもできない。

 

 私は霊魂の主の翼の下に彼等の住所を見た。彼の御前にある義人、選民達はことごとく火の光のように輝き、その口は賛美に満ち、その唇は霊魂の主のみ名を褒めまつり、義は御前に尽きることがない。

 

 そこに私は住みたくなった。私の魂はその住所に憧れた。私の居所は前からそこにあったのだ。霊魂の主の御前にしかとそのように私のことが定められていること故。

 

 その時私は賛美し、霊魂の主の名を賞賛と賛美をもって褒めあげた。霊魂の主も、そのみ旨に従って賞賛と賛美を私に約束して下さったからである。

 長いこと私の目はその所を見つめていたが、やがて私は彼を誉め称えて言った。

「彼こそ褒むべきかな。古よりとこしなえに褒められてしかるべきである。」

 

 彼の御前には終わりということがなく、世界が創造される前から、世界とはいかなるものかを知っておられる。代々にどう変わっていくかも。

 

 眠ることをせぬ者達があなたを褒めまつり、あなたの栄光の前に立って、あなたを称え、褒めあげて言う。

「霊魂の主にして、聖にして、聖なるお方。霊を地に満ちさせたもう。」

 

 そこに私の目は、眠りもせずに彼の前に立ち尽くし、

「あなたは褒むべきお方。主の名は永久に褒むべきかな。」

と言って褒めまつっている者達を見た。

ついに私の顔色は変わり、それ以上見つめていられなかった。

 

 

 

 第40章

 

 

 その後、私は何千、何万、何十万も見た。

霊魂の主の栄光の前に立っている者は無数で数えることもできない。

 

 私は見た。霊魂の主の四方に寝ずに立っている者とは別の4人の御前の天使を認めた。その名は、私について来たみ使いが教えてくれ、また全ての秘密を明かしてくれたので分かった。私はこれら4人の御前の天使が栄光の主の前で賛美する声を聞いた。

 

 最初の声が霊魂の主を永遠に褒めたたえる。

第2の声が、選ばれた者と霊魂の主にしっかりついて離れない選民とを褒めたたえるのを私は聞いた。

 

 第3の声が乾いた大地の上に住む者のために祈り願い、霊魂の主の名によって嘆願しているのを私は聞いた。

 

 第4の声がサタンどもを追い出し、乾いた大地に住む者達を中傷するために、霊魂の主の御前に入ろうとするのを止めようとしているのを私は聞いた。

 

 私はその後、私に同行して、全ての秘密を私に見せてくれた平和のみ使いに尋ねた。

「私が見、その声を聞いて書き留めたあの4人の御前の天使は誰ですか。」

 

 彼は私に言った。

「最初の者は憐れみ深く、めったに怒らない聖ミカエル、

第2は人の子等の一切の病と傷を司るラファエル、

第3は全ての力を司る聖ガブリエル、

第4は永遠の生命を嗣ぐ者達の悔い改めと望みを司るぺヌエルである。」

 

以上はいと高き神の四天使であり、その時私は4つの声を聞いた。

 

 

  

 第41章

 

 

 その後、私は天の全ての秘密を見た。

王国が分割され、人間の行いが秤にかけられる様を。

そこに私は選民の住所(すみか)と義人達の住所を見た。

 

 また、私の目は、霊魂の主を否定する罪人達がそこから追い立てられ、引きずられていくのをそこに見た。霊魂の主が下される刑罰故に、彼等には居場所がないのである。

 

 そこに私の目は稲妻と雷鳴の秘密、これがどのようにして分かれて地上を吹くか、また雲と露の秘密を見た。私はそこに、そこから露が出て地の塵を潤す場所を見た。

 

 そこに私は閉ざされた倉を見た。そこから風が分かれて出ていく。

 また雹の倉と霧の倉、雲の倉と、その雲が太古から大地の上にたなびいているのを見た。

 

 私はまた太陽と月の倉、それがどこから出て来てどこへ戻ってゆくか、その素晴らしい帰路、またどのように一が他に勝るかを、その一定した軌道を、その軌道を外れず、その運行距離に加えも引きもせず、互いに信を守り、誓約を果たす有様を見た。

 

 まず太陽が出て来て霊魂の主の定めに従ってその道程を行く。

彼の名はとこしなえに大いなるかな。

 

 次は見え隠れする月の道で、その軌道に沿った運行を、その場所で昼夜かかって終える有様を見た。また霊魂の主の前で互いに見つめ合い、休みなく、彼を褒めたたえる。賛美が即ち彼等の休息なのである。

 

 光を放つ太陽は変幻自在で、祝福ともなれば呪いともなり、月の軌道に沿った運行は、光と闇の間に隔てをつくり、人間の霊を分けて、その義なる名によって義人の霊を強められた主の名ゆえに、義人にとっては光であるのに、罪人にとっては闇である。 み使いもこれを差し止めはしないし、どのような権威もこれを差し止めることは出来ない。審判者は全てのものを見、これら全てのものを御前で裁かれるからである。

 

 

 

  第42章

 

 

 知恵はその住むべき場所を見出せなかったが、後に天にその住居ができた。

知恵は、人の子等の間に住もうとやって来たが、住居が見い出せず、自分の場所に戻って、み使い達の間に居を定めた。

暴虐がその倉から出てきてはびこっていた。

 

 それ、知恵は、自分が求めなかったものを見出した。

それ、暴虐は彼等人間の間に砂漠の雨のように、乾いた土地におく露のように住み付いた。

  

 

 

 第43章・第44章(略)

 

 

 

 第45章

 

 

 これは、聖人達の住居と霊魂の主の名を否定する者達に関する第二の譬えである。

彼等は天に昇ることもなく、地に降りて来ることもない。

霊魂の主の名を否み、苦痛の患難の日まで生き殺しにしておかれる罪人達の運命はそんなものである。

 

 

 その日、選ばれた者が栄光の座に座り、彼等の行いを選び分ける。彼等の休息の場所は無数である。彼等の霊は、わたしの選んだ者と、わたしの聖なる栄光の名に助けを求めた者達を見るとき、頑なになるであろう。

 

 その日わたしはわたしの選んだ者を彼等の間に坐らせ、天を変えて永遠の祝福と、光とするであろう。

 

 わたしはまた乾いた大地を変えて祝福とし、そこにわたしの選民を住まわせる。

しかし、罪と過誤を犯す者にはその上を歩むことを許さない。

 

 わたし自身が彼等に目をかけ、義人達に平安を飽くほど味わわせ、わたしの前に住まわせたのである。

しかし、罪人達に対するわたしの裁きは近づいた。わたしは地の面から彼等を滅ぼす。

 

 

 

 

 

 

◆補足文

エノク書概説より、第37章~第71章は、メシアに関する教説となっており、第37章はその序章です。そして、第38章~第44章までは、義人達の居所とみ使い達の働きについて述べられています。また、エノクによる自然観察の内容も報告されています。続いて第45章~57章で、エノクは選ばれた者、即ちメシア、その性格、審判者としてのその役割についての啓示を受ける。となっています。

 

 

 

 

聖書外典偽典(旧約偽典)『エノク書』6

旧約偽典『エノク書

 

 

 

 第22章

 

 

 そこから私は別な所へ行ったが、彼は、西方に大きな、高い、堅い岩から成る山を見せた。その中に、深くて、幅が広く、平坦な窪地、4つの場所があった。あまり滑らかで、ころころ転がりそうだった。覗くには深く、暗かった。

 

その時、私についていた聖なるみ使いの一人ラファエルが、私に向かって口を切った。

「この窪地は、霊魂、死者の魂が集まってくるようにと、彼等のために造られたのです。全ての人間の魂はここに戻ってきます。これは、彼等を住まわせるためにしつらえられた場所であり、彼等の裁きの日まで、彼等に定められた時まで、そこに留まる。定められた時は、彼等の大いなる裁きの日、遠い先のことである。」

 

 私は死んだ人の子等の霊魂を見た。彼等の声は天に達して、告発していた。その時私は、私についていたみ使いラファエルに尋ねた。

「こんなに天に向かってその声を発し、告発し続けているこの魂は誰のものなのですか。」

 

彼は私に答えて言った。

「この魂は兄のカインに殺害されたアベルから出ているものです。彼は彼の兄の子孫が地の面から滅び、彼の子孫が人間の子孫の中から姿を消すまで告発し続けているのです。」

 

 

そこで、私はその時、彼のついて、また全ての者の裁きについて尋ねてみた。

「なぜこれらの窪地は、一つ一つ区切ってあるのですか。」

 

彼は私に答えて言った。

「この3つの区切り、窪地は死者の霊魂をより分けるもので、同様に、義人の魂も別にしてあり、これはその上に光がきらきらする水の泉である。」

 

 同様に、罪人が死んで地中に埋められる時のために、区切りが出来てている。彼等は在世中に裁きに合わなかった。ここに、この大きな悲痛の中に、彼等の魂は別にして隔てられ、大いなる裁きと刑罰の日を迎える。

 

呪いを発する者には悲痛が永遠に降りかかり、彼等の魂には復讐が降りかかる。彼は彼等をここに永遠に繋いでおかれるだろう。もしそれが永遠の昔からだったとしたら、同様に、告発している者、罪人の時代に殺されたような場合、その殺害について証拠を見せようという人のためにも仕切りが出来ている。

 

同様にして、義人ではなく、罪人であった者、悪行をさんざんに働いた者の魂にも仕切りが造られている。彼等は悪党どもと一緒に、悪党並な扱いを受けるであろう。裁きの日に殺される事もなく、ここから連れ出してももらえない。

 

 その時私は栄光の主を褒めたたえて言った。

「我が主、栄光と義の主はほむべきかな。全てを永久に治めたもうお方。」

 

 

 

 

 第23章

 

 

 そこから私はまた進んで、西の方のある地点まで、地の果てにまで達した。私は、燃え盛る、また休みもなく駆けめぐる火を見た。それは夜昼をわかたず走り続けて止まなかった。

私は「休むことを知らないこのものは一体何なのだろう。」と問うてみた。

 

この時、私についていた聖なるみ使いの一人、ラグエルが答えて言った。

「あなたが西の方に見た燃え盛りながら駆けめぐる火、これは天の全ての発光体です。」

 

 

 

 第24章(省略)

 

 

 

 第25章

 

 

 彼は私に言った。

「エノクよ、なぜこの木の香りのことを私に尋ね、また見極めようとするのか。」

 

その時私エノクは彼に答えて言った。

「全てのことについて知りたいのです。なかんずくこの木について。」

 

彼は私に答えて言った。

「あなたが見た主の御座に似た頂上をもつあの高い山は、聖なる、大いなる栄光の主、永遠の王が、祝福をもって地を訪ねて降りて来られる時におかけになるはずの御座である。見事な香りのするこの木には、神が全ての者に復讐し、彼等が永遠に滅ぼされる大いなる裁きの時まで、それに触れることは肉なる者には許されていない。その裁きの時には、この木は義人とへりくだった者に与えられるであろう。その実から選ばれた者に生命(いのち)が与えられ、それは北の方、永遠の王なる主の住居の近くの聖なる場所に植えられるであろう。その時彼等は大いに喜び、聖所で狂喜し、骨の一つ一つにその香りを染みとおらせ、君の先祖達のように長生きし、彼等の生きている間、悲しみ、苦しみ、難儀、災難が彼等に触れることはない。」

 

私はその時、このようなものを義人に備え、このようなものを創造して彼等に授けると約束された永遠の王、栄光の主を褒め称えた。

 

 

 

 第26章(省略)

 

 

 

 第27章

 

 

 彼は私は言った。

「この一面に木の生い茂る祝福された土地と、その真ん中にある呪われた地は何のためなのですか。」

 

 

その時、私についていた聖なるみ使いの一人ウリエルが、私に答えて言った。

「この呪われた谷は、永遠に呪われた者のためのものである。神に対してけしからぬことを口にする者はことごとくここに集められ、また彼の栄光に対して聞くに堪えないことを言う者が集められ、ここが彼等の仕置き場になるのである。終わりの日に、彼等に対する正義の裁判は、義人達に対する永遠の見世物にされる。憐れみを被をった者は、栄光の主、永遠の王をここで褒め称えるであろう。また彼等の裁きの日には、憐れみによって彼等にその分を分かって下さったとして神を褒め称えるであろう。」

 

 

その時私も栄光の主を褒め称え、彼に語り掛け、その偉大さにふさわしく、神を褒めまつった。

 

 

 

第28~31章(省略)

 

 

 

 第32章

 

 

 私は山の向こう、その北東に見事な甘松、芳香樹、肉桂、胡椒のいっぱい生い茂る別な山々を見た。そこから私はこれらの山を越えてはるかに東の方へ進み、エリテリアの海の上を過ぎ、そこから遠く離れ、暗黒の上を過ぎた。

 

 義の園に辿り着いてみると、ありとあらゆる樹木、多くの巨木がそこに生えているのを目にした。その香りは素晴らしかった。ともかく見事な、堂々たる大木であった。

また、それの実を食べると大いなる知恵を知れるという木もあった。その知恵の木はいなご豆の木に似ており、その実は葡萄の房のようで、非常に美しく、その香りは遠くまで達する。

 

 私は思わず言った。

「この木はなんと見事で、その形はなんと美しく、魅力的なことよ。」

 

私についていた聖なるみ使いラファエルが私に答えて言った。

「これこそは君の先祖、老いたる父母がそれの実を食らい、知恵を知り、眼が開いて自分達が裸でいることを知って、園から追放されたあの木である。」

 

 

 

 

 第33章

 

 

 そこから私は進んで地の果てに達し、そこに大きな獣を見た。一匹一匹が互いに違っていた。また鳥もいたが、これもその形、美しさ、声が、一羽ごとに違っていた。

これらの獣の東の方に、そこで天が憩うところ、地の果てを見た。天の門は開いていた。

 

 空の星がどのようにして出てくるかを私は見、その出てくる門の数を数えた。

また、私についていたみ使いウリエルが示してくれるままに、全ての出口を一つ一つ、その星の数と名、連結の仕方および位置、時刻を月にしたがって記録した。彼は私に全てのことを示して書いてくれ、更にその名、その法則と実際の運動とを書いてくれた。

 

 

 

 第34章

 

 

 そこから私は北の方へ地の果てを進み、そこに、全地の果てにある大きな素晴らしい不思議を見た。そこに天の門が空に3つ開いているのを私は見た。

その一つ一つを北風が吹き抜けて出ていった。それが吹くと、寒さ、雹、霜、雪、露、雨になる。門一つから吹き出すときは、快い吹き加減であるが、他の2つの門からも同時に吹き出すときは、地上では難儀するほどに、激しく吹きまくるのである。

 

 

 

 

 第35・36章(省略)

 

 

 

 

◆補足文1.

エノクはみ使いの天使達、それぞれに案内されて引き続き霊界を探訪してゆきますが、前回までは、堕天使達とその子供である巨人達の(最期の審判後に)仕置きされる場所とその説明がされていましたが、次にエノクが案内されたところは人間達の死後の魂の行き場でした。

そして人間の魂が審判後にどのように仕分けされて、どうなるのかという説明が天使達によって明かされています。やはり、義人な者は天国へ、悪人は地獄のような場所へ送られるということになっています。

そして、この第22章で書かれているように、人間の魂は死後、死者の集まる場所に留め置かれていますが、定められた時までは裁かれないままの状態で置かれています。

それは悪人であっても同様のようです。しかし、仕切りで魂の判別が行われている通りに、最後の審判の時にはその人間の罪の罪状に見合った裁きが下ることになっているのです。罪人である、「彼等は在世中に裁きに合わなかった」と書かれているように、既にどんな赦しも神から得られないと決まった人間ほどこの世においては、罰が与えられないまま死んでゆくようになっているようです。生きているうちに(神からの懲らしめ)罰が与えられて改心する者は、まだチャンスがあると言えるのです。

 

 霊界の神の園、神の業の結集ともいえるその他の場所については、補足する必要はなく、文面通りの畏怖の念を起こさせるような素晴らしい場所ですよね。

そして、第32章において、あのエデンの園にあった「知恵の木の実」をエノクは見せられていますが、知恵の実の表現がいわゆるリンゴではなく、葡萄のような形をしていたのは意外でした。)

 

 

 

◆補足文2.

(ここ第22章の説明において更なる考察をしてほしいのですが、この章を読むと、人間は死後、人間界に生きている者達へ会いに来るという事が神から許されていないというか、出来ない状態でいるということも理解できるのです。

聖書全体を読んでいても、死後に人間の霊魂が家族に会いに来るという場面はありませんし、あらゆる文面からもそうした考えはサタン側から生まれたものであるということが研究すると分かってきます。ところが、ここらへんは、世の宗教界は間違って教えています。もちろん、世の宗教界はほぼサタンの宗教となっていますから当たり前です。はい、つまり、この世に彷徨う霊はどれも人間の霊魂ではないのです。

私はこのことをアメーバブログの時でも何度も話しているのですが、全て堕天使達と巨人の霊、悪霊達だということです。これはキリスト教を信奉している者達においても、かなり間違った者が多いので困ったものです。そして当然ですが、世のスピリチュアリーな方々も全て間違っているのです。)

 

 

 

聖書外典偽典(旧約偽典)『エノク書』5

旧約偽典『エノク書

 

 

 

 

 

 第17章

 

 

 彼等み使い達は私をある所へ運んでいったが、そこには燃え盛る火のような姿の者がいて、望み次第で人間のような姿になって現れるのだった。

それから、私を暴風の吹き荒れる場所と、頂上が天に達する山とに連れていった。

 

 私はこうこうと照らし出された場所、その果てにある雷鳴のおこる場所を見た。

その底には火の弓と矢、その矢筒、火の剣、いろんな稲妻があった。また、いわゆる命の水のところ、毎日の日没の太陽を迎える西の火のところに私を連れて行った。

また、その火が水のように流れ、西の方の大海に注ぎ込む火の川にも行った。

 

 また私は大きな河を全部見、大きな暗闇に達し、肉なる者が全然歩き回らないような所へ行った。また、冬の黒雲に覆われた山、また全ての深淵の水が注ぎこむところを見た。また、地上の全ての河の河口と深淵の口を見た。

 

 

 

 第18章

 

 

 また、私は全ての風の倉を見た。

また、どのようにして彼がそれで全ての被造物と地の基を飾られたかを見た。

 

 私はまた地の隅石を見た。

更に、地と天蓋を支える4つの風も見た。

 

 私はまた風がいかにして、天の高みを押し広げているかを見た。

それ、風は天と地の中間に立ち、天の柱となっている。

 

 私はまた天空を回転させ、太陽と全ての星の回転を西空に没しめる風を見た。

私はまた地上にあって雲を運んでいる風を見た。

 

 また天使の道を見た。地の果てに、上方に天蓋を見た。

 

 向きを変えて南の方へ行くと、昼となく夜となく燃えているところがあり、そこには見事な石の山が7つ、東に3つ、南に3つあった。

東の方の一つは雑色の石、一つは真珠、更に一つはアンチモンでできていて、南の方は赤石でできていた。中央のものは、天まで、神の玉座あたりまで達した。後者は雪花石膏でできており、玉座の上部はサファイアでできている。

 

 私は全ての山に燃えている火を見た。

私は、そこに、大いなる土地の彼方に一つの場所を見た。そこには天が集まってくる。

 

 私は天の火の柱と共に、地の深い裂け目を見た。

また、その上に、高さも深さも計り切れないほどの天の火の柱が下りてくるのを見た。

 

※※その裂け目の向こうに、天蓋が上になく、下にも地の基がなく、上に水がなく、鳥もいない、荒涼たる、ものすごい場所が見えた。

私はそこに燃え盛る巨大な山のような、私にとりなしを頼んだ霊達のような7つの星を見た。

 

み使いは言った。

「ここは天と地が果てるところ、天の星と天の軍勢の牢獄である。火の上を転がる星は、東の空に昇ってくる前に、神の命令に背いた者達である。定められた時刻に姿を現さなかったからである。彼は彼等に立腹し、秘密の年に彼等の罪が完全に罰せられる時まで彼等を縛られる。」

 

 

 

 第19章

 

 

 ウリエルは私に言った。

「女達と関係をもったみ使い達の霊魂はここに立たされるであろう。彼等は様々な姿を

とって人間を穢し、惑わし、まるで神々にでも対するように悪霊どもに生贄を供えさせているが、それも彼等が裁かれる大いなる裁きの日まで彼等が立ち滅ぼされる日までのことである。彼等の女達も、天使達をかどわかしたのだから、魔女になるであろう。」

 

私エノクだけが幻を、全ての事の結末を見た。人間の内で私が見たような者はいない。

 

 

 

 

 

 第20章

 

 

 以下は、寝ずの番人を務めるみ使い達の名前である。

ウリエル聖なるみ使いの一人、世界とタルタロスを見守る。

ラファエル聖なるみ使いの一人、人間の霊魂を見守る。

ラグエルみ使いの一人、世界と光に復讐する。

ミカエル、聖なるみ使いの一人、人類の中で最優秀な部分、すなわち神の選民を委ねられている。

サラカエル聖なるみ使いの一人、霊魂を罪にいざなう人の子等の霊魂を見守る

ガブリエル聖なるみ使いの一人、聖なるみ使いの一人、蛇とエデンの園とケルビムを見守る。

 

 

 

 第21章

 

 

 ★私はぐるっと回って、何一つとして起こらない場所に達した。

私はそこに恐ろしいものを見た。高い天でも、堅固な、礎の上に立つ地でもなく、用意の整った、恐ろしい荒野だった。そこに私は天の7つの星を見た。7つの星はそれ、その場所に、大きな山また燃え盛る火のように一緒に縛り付けられていた。

 

その時、何の罪で彼等が繋がれており、また何のためにそこに放り出されたのか、聞いてみた。聖なるみ使いの一人で、私の教師を務めてくれていたウリエルが言った。

「エノク、誰のことを聞いているのだ。誰のことを聞いて悟ろうと望むのだ。これは至高者なる神の定めにもとって、ここに縛られている星であり、1万時代をめぐってきて、彼等の罪の日数が満ちるまでこうしているのである。」

 

 

 そこから前よりも恐ろしい所へ行って、恐ろしいものを見た。そこに、炎を上げて燃え盛る大きな火があり、それには切れ目があって、その先端は、完成した深い淵になっていて、大きな柱が下へ投げおろされていて、その規模、大きさは見極めがつかなかった。またその源を覗き見ることも出来なかった。その時私は言った。

「これは何と恐ろしい所だろう。見るのも苦痛だ。」

 

その時、私についていた聖なるみ使いの一人ウリエルが私に向かって口をきった。

「エノクよ、君がこれほど恐れ、この恐ろしい場所の故に、またこの痛々しい光景を前にして、こんなに動揺するとはどうしたことなのか。」

 

 

また私にこう言った。

「これはみ使い達の獄舎であり、彼等は永遠にここに留め置かれるのである。」

 

 

 

 

 

 

◆補足文

第18章※※のこの文面より、19章21章は霊界での神の命令もしくは、神の律法を著しく違反したみ使い達のような、位の高い?霊的な者達が罰せられる場所と裁きを説明しています。しかし、堕天使達もまた、19章の『彼等は様々な姿をとって人間を穢し、惑わし、まるで神々にでも対するように悪霊どもに生贄を供えさせているが、それも彼等が裁かれる大いなる裁きの日まで、彼等が立ち滅ぼされる日までのことである。』とあるように、最後の審判までは地上で自分の子供達の霊達同様に縛られることなく地上で悪さをし、彷徨っているのです。

そして、この「生贄」を供え…の意味が悪霊(彼等の子供達)への食事でもある。ということがここで理解できます。なぜなら、生前、巨人達は空腹を満たすために人間達を食べていたからです。〔第7章〕古代より、イルミナティ悪魔崇拝においても、カニバリズムは必須になっています。つまり、ここにその原点があるということです。)

 

 

聖書外典偽典(旧約偽典)『エノク書』4

旧約偽典『エノク書

 

 

 

 第13章

 

 

 エノクは席を立って行き、アザゼルに言った。

「君には平安が得られないであろう。厳しい審判が君に下された。君を縛るであろう。憩いも望みも慈悲も君は得られないであろう。君が無法を説いたからであり、人の子等に君が示したありとあらゆる◯神、無法、罪の業のためである。」

 

 

 それから、私は彼等みんなの所に行って一同に話すと、彼等はみな恐れ、恐怖と身震いが彼等を捉えた。彼等は罪の許しを得るための嘆願書をしたためてくれるように、そしてその嘆願書を天に、神の所に届けてくれるように私に求めた。というのも、彼等自身、裁きの既に下ったその罪過が恥かしくて、もはや神に語り掛ける事も、目を天に上げることも出来ないからである。そこでわたしは、彼等が罪の赦しと刑の執行猶予が得られるように、彼等の魂と行為の一つ一つに関して、嘆願と祈願の書をしたためてやった。わたしはダン、即ちヘルモンの西南にあたるダンの河辺に行って腰をおろして彼等の嘆願書を読んでいたが、そのうち眠り込んでしまった。

 

 

 見よ、夢が私に臨み、幻が私に降りかかった。私は告発の場面の幻を見たが、これを天の子等に告げて彼等を諫(いさ)めよ、というのであった。眼が覚めて、彼等の所に来てみると、レバノンとセネセルの中間にあるウブレスヤエルに皆一緒に集まって、坐って、顔を覆って泣いていた。私は彼等に、私が眠っていて見た幻のことをすっかり語り、義の言葉を述べ、天の寝ずの番人達への叱責に移った。

 

 

 

 第14章

 

 

 これは、聖にして大いなるお方があの幻を通して命ぜられたままを書き記した、義と永遠の寝ずの番人達に対する叱責の言葉の書である。大いなるお方が人間に、それでもって語らい、理性で悟るようにと授けられたところの肉の舌と口の息とで告げようと私が今している事を、私は眠っている最中に見た。

 

 

 彼は、人間を創造してこれに悟りの言葉を理解させられたように、私をも創造し、天の子等、寝ずの番人達を叱責することを許されたのである。私は君達の嘆願書をしたためた。だが私が幻で見たところによると、君たちの願いは永久に叶えられることはないであろう。それに、君達に対する審判はもう済んでおり、それ、願いが叶えられることはない。

 

君達は今後、絶対に天に上ることはない。君達を永遠に地上に縛り付けておくようにとの命令が出ている

その前に、君達は愛する我が子の滅びを目撃するだろう。彼等を我がものにすることは出来ず、君たちの眼前で剣に倒れていくであろう。彼等についての君達の嘆願も、また君達自身についての嘆願もいれられず、君達が涙ながらに哀願しても、私が書いてやった嘆願書の一言を口にすることすら許されないであろう。私に現れた幻は次のようなものだった。

 

 

 見よ、幻の中の雲が私を招き、霧が私を招き、星の運行と稲妻が私をしきりと急き立て、幻の中の風は私を飛ぶように走らせ、急かせるのである。これらは私を天高く運び上げ、私は雪のような水晶で建てられ、炎で取り巻かれた壁の近くまで入っていった。これには私は恐れをなした。私は炎をくぐって水晶石でできた大きな建物に近づいた。その建物の壁は水晶石の石板をモザイクのようにはめ込んで出来ており、その土台は水晶だった。屋根は星と稲妻の道筋に似ており、その真ん中には火のケルビム、その天は水のように澄み切っていた。燃え盛る火が壁を取り巻き、扉は燃え上がった。私はその家に入って行ったが、火のように熱く、雪のように冷たく、人の心を楽しませるようなもの、命あるものは何一つとしてそこには無く、恐怖が私を覆い、戦慄が私を捉えた。こうして震えおののきながら身を伏せると、幻が見えた。

 

 

 見よ、先のより大きい別な家がそこにあった。その扉は全て私の前に開かれており、それ、家は火の舌で建てられていた。全ての点において、即ち、きらびやかさ、豪華さ、巨大さにおいて秀でており、そのきらびやかさ、巨大さをあなた方に上手く伝えることは出来そうにもない。床は火、その真上に稲妻と星の軌道があり、屋根も燃え盛る火である。私がじっと眺めていると、その中に一段と高くなった座席が見え、その外観は霜のようで、周囲には太陽のようなものがあり、光を放っていた。またケルビムの声もした。その大きな座席の下から燃え盛る火が幾筋も流れ出し、それ、座席を見ることが出来ない。大いなる栄光をまとわれた方がそれに座しておられる。その衣は太陽よりも明るく輝き、どんな雪よりも白い。

 

 

 み使いの中の誰一人としてここに入って来ることは出来ない。肉なる者は誰一人として、栄えあるお方の御顔を直に拝することは出来ない。燃え盛る火の海が彼の周りにあり、大きな火が彼の前に立ちはだかっていて、彼に近づく者は、彼の周りにいる者の中に一人もいない。何十万人と彼の前に侍っているのに、彼は聖なる忠言を欲せられない。彼に近づく聖者、み使い達は、夜も昼も、彼から遠ざかり引き下がりもしない。

私はこの時まで顔を覆い、身震いしながら面を伏せていたが、主はその口をもって私を招き、こう仰せられた。

「エノクよ、近う寄れ、わが聖なる言葉に。」

彼は私を立たせて、扉の所まで連れて行かれたが、私はといえば、うつむいたまま下、地面を見つめていた。

 

 

 

 第15章

 

 

 彼は私に答えて自ら語りかけられた。

「聞け。義人にして義の学者エノクよ、恐れるな。ここへ近う。わたしの言うことを聞け。君にとりなしを頼んでよこした天の寝ずの番人達の所へ行って言ってやれ。」

 

 

 『お前達が人間に代わってとりなすのが当たり前なのに、人間にお前達のとりなしをしてもらうとはどういうことだ。どうしてまた、はるか高く、聖なる永遠の天を見捨てて、女どもと褥(しとね)を共にし、人間の彼等を相手に身を穢し、妻を娶って、地の子等と同様に振舞い、巨人の子を設けなどしたのだ。お前達は、霊的な聖なる者、永生に預かっている身でありながら、女どもを相手に身を落とし、肉の血によって欲情に燃え、彼等がやっいるてのと同じように血肉の子を設けたが、これはやがて死に滅び定めにあるのだ。それ故に、彼等に女を与え、これに種をまいて子を設けさせたのだが、それは、地上で同様のことが行われるようにするためであった。

だがお前達は、元は霊的存在、いつの世になっても死ぬことがない永生に預かっている存在だった。それ故に、お前達には女をあてがわなかったのだ。霊的な者の居所は天にある故。』

 

 ※『ところで、霊と肉とから生まれた巨人達は、地上で悪霊と呼ばれ彼等の住居は地上にある。悪霊が彼等の体から出た。彼等は人間から創造され、彼等の最初の起源と土台とは聖なる寝ずの番人であるから、地上では悪霊であり、悪霊と呼ばれるのである。

天の霊は天にその住居があり、地上で生まれたところの地の霊は地上に住居がある、巨人達の霊は苦しめ、暴力をふるい、腐敗堕落し、争い、地上で破壊し、問題を引き起こし、何にも食せずそれでいて飢え、乾きを覚え、足元が危なくなる。これらの霊どもは人の子等と女達に攻めかかる。それは、彼等霊が彼等、人の子と女から出たからである。』

 

 

 

 第16章

 

 

 ※※殺戮と堕落の日、霊達がその体から出て来た巨人達の死の日、彼等の肉は、裁きにもあわずに頽廃に身を委ねることであろう。そのようにして、大いなる裁きが大いなる世界、寝ずの番人と不敬虔な者達に対して行われる日まで、自堕落な生活にふけることだろう。

 

 

 「さて、君にとりなしを頼んでよこした寝ずの番人達については、彼等は前には天にいたのだが、こう言うがよい。『さて、お前達は天にいて、隠されたことを明かしてもらっていなかった。しかし、お前達はつまらぬ秘密を知るようになり、これを心の頑ななお前達は女達に明かしたので、この秘密のおかげで、女達と人間達は地上に悪をはびこらせている。』それ故、彼等に言ってやるがよい、『お前達に平安はない。』と。」

 

 

 

 

 

 

◆補足文

※・※※この文にあるように、神の決定により巨人が死後、悪霊となってこの世を彷徨い人間に悪さをするようになったのですが、彼等の裁きはこの文面の通りで、刑の執行は、親である堕天使(寝ずの番人達)と共に現在までまだ行われておりません。

(人間にしてみればこの時から、既に何千年も経っていますから本当に長すぎる時間ですが……)この者達の刑の執行は、神の大いなる日、つまりキリストの最期の審判で行われるのです。そして、同時に彼等の血統の子孫と、悪魔に魂を売った人間達もその時に同様に裁かれることになります。)

 

 

聖書外典偽典(旧約偽典)『エノク書』3

旧約偽典『エノク書

 

 

 

 第8章

 

 

 ★アザゼル、小刀、楯、胸当ての造り方を人間に教え、金属とその製品、腕輪、飾り、アンチモンの塗り方、眉毛の手入れの仕方、各種の石の中でも大柄な選りすぐったもの、ありとあらゆる染料を見せた。その後、甚だしい不敬虔なことが行われ、人々は姦淫を行い、道を踏み外し、その行状はすっかり腐敗してしまった。シェミハザは、べての魔法使いと草木の根を断つ者とを教えアルマロスは魔法使いをいかに無効にするかを教えラクエル占星術コカビエルは天体の兆しをタミエル星の観察の仕方を教えサハリエルは月の運行を教えた。人間どもが滅んでゆくと彼等天使たちは大声でわめき、その声は天に達した。

 

 

◆補足文(★アザゼル戦争の道具の作り方を、そして貴金属の飾りの技法を、また化粧と宝石類と、布の染料の仕方などを教えました。シェミハザは医療を、アルマロスは魔法。魔術や呪いなど、バラクエルは占星術を、コカビエルとタミエルとサハリエルは天体や星々、宇宙の成り立ちなどを人間達に教えました。現在の全ての生物学、医療、ファッション、魔術や占術、宇宙科学の基礎は堕天使から始まったということになります。そして、当然それらの全てを牛耳っているのも、彼等の子孫であるイルミナティ、この世の支配層達ということです。 

 ※参考動画 WoodwardTVさん配信の

「What you need to know about the Book of ENOCH and the  AGE of the FALLEN」

をご覧ください。)

 

 

 

 第9章

 

 

 その時、ミカエル、ガブリエル、ウリエル、ラファエルが空から見下ろすと、おびただしい血が地上に流され、ありとあらゆる暴虐が地上に行われているのが見えた。彼等は互いに言いあった。

「彼等人間どもの叫び声で、人気のない大地が天の門までこだました。今度は君達天の聖者たちを人間どもの魂は告発して言う。『至高者の前に我々の訴えを持ち込んでもらいたい。』彼等は彼等の主なる王に言った。

 

 「主の主、神々の中の神、王の中の王、あなた様の尊い御座はいつの世にも変わらずあり、あなた様の御名はいつの世にも聖にしてほむべく、あなた様ご自身は褒めたたえられるべきお方。あなたは万物を造られ、万物をすべる力はあなたにあり、一切はあなたの前に開かれて明らさまに置かれてあり、あなたの視線はすべてのものに届き、あなたの眼に隠れうるものは何一つとしてない。あなたは、アザゼルがしたこと、地上で不法を教え、天上に行われる永遠の秘密を明かした次第をご覧になった。また、その同輩を指導する権限をあなたから頂いたシェミハザは魔術を暴露した。彼等は連れ立って人の娘等の処に通い、これと、即ちこの女達と寝て身を穢し、彼女等にこれらの罪の数々を明かした。女達は巨人を産み、こうして全地は流血と暴虐に満ち溢れた。今度は見よ、死者の魂が叫び出し、天の門にまでこだまし、地上に行われる暴虐の手を逃れる事の出来ない彼等の呻き声が天にのぼった。あなたは何事にかかわらず、それが起こる前からご存じであり、このことも、彼等に関わることもご存じである。にもかかわらず、このことに関して、彼等にどうすべきか、われわれに何一つ仰せにならない。」

 

 

 第10章

 

 

 その後、大いなる、聖なる至高者は語り掛け、アルスヤラルユルをラメクの子ノアの処に遣わすに先立って、こう言われた。

 

 「わたしの名によって彼に、『身を隠せ』と言え。また、来るべき終末を彼に明示せよ。全地は滅亡するのだ。大洪水が起こって全地に及び、地上にあるものは滅び失せるのだ。今、彼が難を逃れ、彼の子孫が世々代々生き残れるよう彼に指示せよ。」

 

 

 主はまた彼ラファエルに言われた。

アザゼルの手足を縛って暗闇に放り込め。ダドエルにある荒野に穴を掘ってそこにあいつを投げ込め。奴の上にごつごつとした、鋭い石を幾つも載せ、闇で奴を覆い、そこに永久に坐らせておけ。また奴の顔に何か被せて光が見えないようにせよ。審判の大いなる日に、彼は炎の中に放り込まれるのだ。み使い達が堕落させたところの地を癒せ。地の癒しを、即ちわたしが地を癒し、人の子等は、寝ずの番人達が語りその子等に教えたところのもろもろの秘儀故に滅びることはない、とふれよ。全地はアザゼルの業の教えで堕落した。一切の罪を奴に帰せよ。」

 

 

また神はガブリエルに言われた。

「ててなしの子や不義の子、姦通の子等を狙い、姦通の子、寝ずの番人の産ませた子を人間の中から滅ぼし去れ。奴等を引き出し、互いに挑み合わせたら、殺し合って自滅するだろう。どうせ長い寿命ではないのだから。彼等父親は皆君に哀願することだろう。しかし、彼等、子を思う父親どもの願いは叶えられはしない。彼等は永生を望み、各人500年の寿命を希望しているのだが。」

 

 

 神はミカエルに言われた。

「シェミハザとその同輩で女達とぐるになり、ありとあらゆる穢らわしいことをして自堕落な生活をした者達にふれよ。彼等の子孫が斬りむすんで果て、愛児の滅亡を見たら、彼等を70世代、彼等の審判と終末の日、永遠の審判が終了するまで、大地の丘の下に繋いでおけ。その日彼等は拷問の火の下をくぐらされ、永久に獄舎に閉じ込められるであろうその時それは燃え尽き、滅び、今から始まってすべての世代の終わりまで彼等と共に繋がれたままになるだろう。すべて快楽の虜となっている魂と、寝ずの番人の子孫を滅ぼせ。彼等は人間に乱暴を働いたから。一切の乱暴を地上から無くせ。一切の悪行は消え失せ、正義と道理の木が生えいでよ。そうすればすべての行いは祝福となり、正義と道理は喜びのうちに永遠に植えられるであろう。今や、すべての義人は滅亡を逃れ、1000人の子を設けるまで長生きし、青年時代および老境を安らかに全うする事であろう。その時は、全地が正義によって耕され、一面に木が植えられて祝福に満ち溢れるであろう。……人の子等はすべて義しい者となり、すべての民はわたしを神として崇め称え、わたしに膝をかがめるであろう。地は一切の腐敗、一切の罪から清められ、災禍、苦難に一切あうこともなく、世々に渡って永遠に、二度と洪水をその上にわたしは送らない。」

 

 

 

 第11章

 

 

 「その時わたしは天にある祝福の倉を開け、地上に、人の子等の苦労と難儀の上に祝福を注ごう。平和と道理が世の続く限り、世々に手をつないで一つになるであろう。」

 

 

 第12章

 

 

 以上のことが起こる前に、エノクは隠され、人の子等のうち、彼がどこに隠されたのか、どこにいるのか、またどうなったのか知っている者はなかった。存命中の彼の活動の全て、聖者達、寝ずの番人達の間で行われた。私エノクが大いなる主、永遠の王を褒めたたえていると、見よ、※寝ずの番人達が私、学者エノクに呼びかけて言った。

 

 ◆補足(?※おそらく、罪を犯した天使ではない、天使達のことを指している。)

 

 

 「正義の学者エノクよ、行って、高き天、永遠の聖なる所を去って女どもと堕落し、人の子等のやっているのと同じことやり、妻を迎えて地上で堕落しきった生活をしている天の寝ずの番人に知らせてもらいたい。彼等は地上で、平安も罪の許しも得られない。なぜなら、彼等は自分の子によって喜びを得ることがないであろうから。自分の愛する者が殺されるのを見、我が子の滅びを嘆き悲しむことであろう。慈悲と平安をいくら請い求めようと、ついに得られないであろう。」