tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

死海文書『戦いの書』 5.

死海文書「クムラン宗団・エッセネ派」とキリスト

 

 

 『戦いの書』

 

 

 【Ⅷ】(省略)

 

 

 【Ⅸ】

 

 

 彼らの手が、撃たれる者どもを倒し始める。すべての兵が喚声を止めたら、祭司達は戦いを指揮するために、撃たれる者のラッパを、敵が打ち破られて背を向けるまで、吹き鳴らし続ける。

祭司達は戦いを指揮する為に吹き鳴らす。敵が目の前で打ち破られたら、祭司達は呼集のラッパを吹く。すると全歩兵が前の前列の中から彼等に向かって出撃し、6つの部隊と1つの挺身部隊、合計7つの陣列を、28000の戦士と6000の騎兵とで構成する。

これらすべての者が、神の戦いにおいて、敵を追って滅ぼし、永遠の滅びまで至らせるのである。

 

 祭司達が彼等に対して追撃のラッパを吹くと、彼等はすべての敵に対し分散して滅びるまで追撃する。一方、騎兵は、敵が全滅するまで戦線の傍らで敵を撃退する。撃たれる者が倒れたら、祭司達は、遠くから吹き鳴らし、撃たれる者達の中に入ってその不浄の血によって汚されないようにする。彼等は聖なる者であって、その祭司職の油を空しい民の血で汚してはならないからである。

 

 

 

 戦いの部隊編成を変更するための規則ー

 

 

 方陣と櫓(やぐら)、両側面転回陣形と櫓、および弓状陣形と櫓に、また弧状陣形と突撃分隊、および陣地の両側から出撃する両翼部とに、陣形を整えて敵を意気書◯喪させること。

 

 櫓の楯は長さ3キュビト、その槍は長さ8キュビト。櫓は陣列から楯100枚の長さ突出し、櫓の各面は楯100枚の幅をもち、こうして300枚の楯が櫓を3方から取囲む。

1つの櫓には2つの、すなわち右に1つ左に1つの、門があり、櫓の楯にはそれぞれ次のように書く。

最初の櫓の楯には「ミカエル」、第二のには「ガブリエル」、第三のには「サリエル」、第四のには右に「ラファエル、ミカエル、ガブリエル」、左に「サリエルとラファエル。」そして○○4つの○○に……。

 

 

 

 

 【Ⅹ】

 

 

 我々の陣営。またすべての悪い恥ずべきことから身を守るために。また彼は我々に、あなたが我等の中にあって、我等の前なる我等の敵をすべて追散らし給う、大いなるおそるべき神であることを告げた。

また彼は早くより我々の世代のために、我々に教えて言った。

「君達が戦いに臨む時、祭司が立って民に言うがよい。聞けイスラエル、君達は今日、敵との戦いに臨もうとしている。恐れるな、臆するな、慌てるな、彼等を見て驚くな、君達の神が一緒に行って君達のために敵と戦い、君達をお救いくださるのだから。」

 

 そして、我々の監督達は戦いの全指揮官に、心構えの出来ている者はこれを神の力によって強め、意気◯喪した者はみな引き返させて、すべての勇士達との一致を強くせよと語る。

またあなたは、モーセを通じて語って言われた。

「君達を虐げる仇に対して、君達の地に戦いが起こったら、君達はラッパを吹き鳴らせ。すると君達は君達の神に億い出され、敵から救われるのだ。」

 

 イスラエルの神よ、天にも地にも、あなたのように大きな業を成し、あなたのように強い力をもった方があろうか。またあなたの民イスラエルに比ぶべき民があろうか。

それは世界のすべての民の中から、あなたが御自身のために、選び給うた民、契約の聖徒の民、掟を教えられ、理非をわきまえ、栄光者の声を聞き、聖なるみ使い達を見、耳を開かれ、深き秘密を聞き知る民。

まことにあなたこそは雲を拡げ給うお方、諸々の天体の軍勢、風雲を掲げ給うお方、聖徒達の統治、その栄光の宝庫は黒雲の中にあり、地を創り、これを分けて砂漠や荒地とする法則を創り、またそのすべての産物をその実とともに創り、海原と河川の集まりを作り、原始の海を裂き分け、生命あるもの鳥、人の形とその子孫の系図、言葉の乱れと民等の分裂、諸族の居住、および国々の嗣業、聖なる時期と年々の移り目、永遠の時を定め給うたお方。これらを、あなたの知識によって、我々は知った。我等の叫び声に……。

 

 

 

 

 【Ⅺ】

 

 

 まことに戦いはあなたのもの、あなたの手の力によって、彼等の屍は打ち砕かれ、葬る者もなかった。そして勇猛なガテ人ゴリアテを、あなたはあなたの僕ダビデの手に渡し給うた。彼が剣と槍にではなく、あなたの大いなる御名に、より頼んだからである。

 

 何故なら戦いはあなたのものであるから。また彼はペリシテ人どもを、あなたの聖なる御名によって、幾度も打ちひしぎ、我等の王達によってもまた、あなたは我等を幾度も救い給うたが、それは我等が犯した仕業や我等の罪の行いによることもなく、あなたが我等を憐れみ給うたからである。

戦いはあなたのもので、力はあなたから来たり、我等のものではない。我等の力や我等の手の強さが勝を得るのではなく、あなたの力とあなたの大いなる威力の強さによってである。

それは丁度あなたがかつて我等に告げて言われた通りである。

ヤコブから一つの星が昇り、イスラエルから1本の杖が挙がって、モアブのこめかみを砕き、セツのすべての子等を倒す。また彼はヤコブから下り、残れる者を町から亡ぼす。そして敵は領地となり、イスラエルは勝を得る。」

 

 

◆補足文(※セツ…この文のセツはアダムの子セッ(セト)ではなく、モアブに関連ある人名もしくは地名であることは確かですが詳細は不明。前2000年期のエジプト文書に遊牧系の集団として言及される”シュトゥ”と関連するか?となっています。『民数記』岩波文書より、参考。

 

 

 またあなたの受膏者達、すなわち証を見る者達によって、あなたは我等に、あなたの手による戦いの時を告げ給うた。これは我等の敵の中であなたが賛美され、ベリアルの軍勢、7つの空しき民を、驚くべき御力によりあなたに贖われて力と平安の中にある、貧しき者達によって倒し、しおれた心を希望が開くためである。

 

 あなたは彼等にパロや紅海に沈んだ彼の戦車の指揮者達と同じように、なし給うた。またあなたは、砕けた魂を殻束の中の松明のように灯して、これに悪しき者を焼き尽くさせ、罪が滅びるまで止め給わない。

あなたはかつて、キッティームに対し御手の力を示す時を告げて言い給うた。

アッシリアは人のものならぬ剣によって倒れ、人のものならぬ剣が彼等を食い尽くす。」と。

 

 何故なら、あなたは貧しい者達と塵にかがむ者達との手に、全地の敵を渡して、諸々の民の強者を低くし、悪しき者共の頭上にその罪を報い、すべての人の子等に対するあなたの真実の審きを義とし、あなたの聖なる民の中に永遠の御名を示し、戦いの強者とすべての兵を……、諸々の民の残りの者に御自身の大いさと神聖さとを示してあなたの御力を知らしめ、○○ゴグとその元に集まる彼のすべての集会に対して審きを行い……

 

何故なら、あなたは天から彼等と戦い給う……。