tekuteku-tekutekuの日記

聖書研究と陰謀論

聖書外典偽典(旧約偽典)『エノク書』18

旧約偽典『エノク書

 

 

 

 第92章

 

 

 学者エノクが著したもの。この知恵の教えは全ての人から賞賛され、全地を裁く規範であり、地上に住まう私の全ての子等及び正義と平和を行うであろうところの未来の世代のために書かれたものである。

 

 時勢に心を悩ませぬがよい。聖なる、大いなるお方が全てのことに日を定められたのだから。義人は眠りから醒めて立ち、義の道を歩む。その全ての道と道程は永遠の慈悲の中にある。彼は正しい者に対して慈悲深く、そういう者に永遠の公正を施され、支配権を賜い、恵みと義の中にあって、永遠の光の中を進む。罪は永久に暗闇に葬られ、この日から永遠に現わされることはない。

 

 

 

 

 第93章

 

 

 その後エノクは書物に基づいて語り始めた。エノクは言った。

「私の子等よ。私エノクは、義の子等について、この世から選ばれた者達について、また義と公正の木について、天の幻によって私に示され、聖なるみ使い達の言葉から私が学び、天の板から私が悟ったことを君達に語りかつ知らせよう。」

 

 そこでエノクは書物に基づいて語り始めて言った。

「私は、裁きと義がまだ引き続き行われつつあった第1週に7番目に生まれた。

私の後に、第2週に甚だしい悪が起こり、欺瞞が芽生え、最初の滅亡が訪れ、ある者は救われ、この滅亡の後暴虐がはびこり、罪人に対して法(おきて)が定められるであろう。

その後第3週に、その終わり頃、正義の裁きの木となる一人が選ばれ、彼の子孫は以後永遠に義の木となる。

その後、第4週にその終わり頃、聖人と義人達の幻が現れ、続く世代のための法と囲いが定められる。

その後、第5週にその終わり頃、栄光の家と王国が建てられて永遠に至るであろう。

その後、第6週に、その時代に生きる者は皆盲人になり、全ての者の心は知恵を忘れる。その時一人の人が起こり、その終わり頃、王国の家は火に焼け崩れ、選ばれた根に繋がる全ての者は散らされるであろう。

その後、第7週に背教の世代が起こり、その所行は多岐に渡るが、その所行はいずれも背教的である。

その終わり頃、義なる選民は永遠の義のひこばえから報いを受け、彼の創造の全てについて7通りの教えを授けられるであろう。

 

 

 ※およそ人の子の中で聖なるお方の声をおののかずして聞ける者は誰か。

あの方の思いを思う事の出来る者は誰か。

また、天上に行われる全てのことを観察しつくせるのは誰か。

天の作用を知ることが出来ると言うが、一体何を知ることが出来るのか。

霊あるいは息を見られるというのか。そしてそれについて語ると言うのか。

あるいは昇ってその果てを見尽くし、それについて考察したり、あるいはそれに類したことが出来ると言うのか。

 

 およそ人間の中に、大地の縦横の大きさを知ることの出来る人間はあるか。

その高さはいくらか。何の上に固定されているのか。

星の数はいくつで、全ての光はどこに憩うのか。※

 

 

 

 第94章

 

 

 さて、お前達に言っておく。

私の子等よ。義の道を愛し、その中を歩め。義の道こそは受け入れられるに値する。暴虐の道はたちどころに滅び、廃る。未来の世代のある人々には不法と死の道が啓示され、彼等はこれから遠ざかり、それに従うことはないであろう。

 

 さて君達義人等に言っておこう。

悪しき道、不法の道、死の道を歩むな。滅びたくなかったらこれに近寄るな。むしろ、義と神のよみとされる生き方を求めよ。平和の道を歩んで繁栄の日を送るがよい。私の言うことをしっかりと肝に銘じ、これが君達の念頭を離れることがあってはならない。

 

 罪人共が人々を惑わして、知恵を悪しざまに言い、知恵の入る場所が見当たらないようになるであろうことを私は知っている。惑わしはどれも一つとして減ることはないであろう。

 

 災いなるかな、暴虐と不法を築き、欺瞞を土台に据える者。

彼等はあっという間に覆され、心の安まる時がない。

 

 災いなるかな、その家を罪で建てる者。

それは土台から覆され、彼等は剣に倒れるであろう。

金銀を手に入れる者は裁きにあってたちどころに滅びるであろう。

 

 災いなるかな、君達富める者。

君達は自分の富を頼みとした。しかし、君達はその富を失うであろう。

富んでいた時、至高者の言葉に心を留めなかったからだ。

 

 君達は瀆神と暴虐を行い、血が流される日、暗闇の日、大いなる裁きの日にこそ相応しい者になった。

 

 このように私は君達に言い、かつ知らせる。

君達を創造なさったそのお方が君達をひっくり返されるであろう。

君達が倒れようと同情もされず、君達の創造者は君達の滅亡を喜ばれるであろう。

君達の中の義人等は、その時、罪人と悪人共に嫌われるであろう。

 

 

 

 

 第95章

 

 

 私の目が水の雲であればいいのに。そうすれば君達のことを泣き、私の涙を水の雲のように注ぎ、私の胸中の悲哀も少しは和らげられようというもの。

 

 誰が君達に憎むべき悪事を行うことを許したのか。

裁きが君達罪人に臨むであろう。

義人達よ、罪人を恐れるな。主は、いつか彼等を君達の手に返されるから、そうしたら好きなように奴等を裁いてやるがよい。

 

 災いなるかな、元に戻せないような呪いをかける君たちは。

自分の所行に応じた仕返しを君達は受けるであろう。

 

 災いなるかな、君達偽りの証人、また不正の秤を用いる者。

君達はただちに滅ぼされるであろう。

 

 災いなるかな、災いなるかな、君達罪人は。

君達は義人を迫害する。

君達こそは渡され、迫害されるであろう、暴虐の徒輩(やから)よ。

君達の軛(くびき)は君達の肩に重くのしかかるであろう。

 

 

 

 

 

◆補足文(※~※までの文を読んでいると、いかにサタン側が神の創造されたものを調べ尽くしてそれを人間に教えること、それを「人類の知恵」、もしくは「科学」と呼び、しかも真実さえも彼等の人類支配の為に捻じ曲げることもしてきたのだということが理解できます。

そして、サタン側が「神秘主義」を古代より教え、これを「宗教」もしくは「学問」とし、汎神論を広めてきた理由もここに集約されていると思います。彼等が主の創造された全てのものを、自分達が創造したかのように教え諭すことで、間違った創造論(「進化論」)とあらゆる思考(哲学や○○主義、○○思考等)を生み出し、人類の支配権を握ってきたということです。

 

 本文「聖書外典偽典「旧約偽典」解説。第91・93章は「審判と救いの時代に至る世界史全史が10週に分けて述べられる。」第92・94・95章は罪人に対する罪と義人に対する報いを述べ、義人には忍耐をすすめる。」となっています。